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GHCプレミアムセミナー「コロナ禍の集患は後方連携から ~持続可能な連携に向けて~ 」 病院ダッシュボードχ ZERO

公立・公的病院はもとより民間含めた「機能再検証」を2023年度までに実施、公立病院改革は22年度中か―国と地方の協議の場

2021.12.15.(水)

436の公立病院・公的病院等について「再編・統合も含めた再検証」が求められている―。

今後、国・都道府県で「第8次医療計画」(2024-29年度を対象)に向けた議論や準備を進めることとなるため、「再編・統合も含めた再検証」はもちろん、民間医療機関も含めた各医療機関の対応方針の策定や検証・見直し「2022年度・23年度に実施する」こと、検討状況を定期的に公表することをお願いしたい―。

その際には、今般の新型コロナウイルス感染症対策の中で「病床の機能分化・連携」などの重要性が再認識されたことを十分に考慮してほしい—。

厚生労働省としても「重点支援区域」(財政的・技術的支援を行う)や「病床機能再編支援制度」(病床削減に対する財政的支援を行う)などにより医療機関の機能分化等を支援していく—。

12月10日に開催された「地域医療確保に関する国と地方の協議の場」(以下、単に「協議の場」とする)において、厚生労働省からこういった考え方提示されました。

なお、総務省は「2021年度中に新公立病院改革ガイドラインを示す」考えも明らかにしており、公立病院では「2022年度中に改革プランを作成する」ことが求められそうです。

2024年度からの第8次医療計画稼働を見据え、地域医療構想の実現を急ぐ必要あり

2025年度には、いわゆる団塊の世代がすべて75歳以上の後期高齢者に達するため、今後、急速に医療ニーズが増加していくと予想されます。従来型の医療提供体制(例えば、病院完結型の医療)では、増大し複雑化する医療ニーズに的確かつ効率的に応えることが難しくなるため、各地域において「2025年度の医療ニーズ」を踏まえた「地域医療構想の実現」(医療ニーズと地域の医療提供体制をマッチさせる取り組み)が求められているのです。

地域医療構想の実現に向けては、まず、「公立病院・公的病院等における機能分化等の再検証」を行うこととなっています。多くの地域では公立病院(県立病院や市立病院など)・公的病院(赤十字病院や済生会病院など)が急性期医療の基幹的役割を担っており、「まず地域で急性期医療の基幹的病院の立ち位置を明確にする」ことが重要なためです。

当初は「2018年度中に公立病院・公的病院等で機能の検証等を行う」こととなっていましたが、「形だけの機能改革論議や現状追認にとどまっているケースが少なくない」と指摘され、次の要件に該当する病院では、「役割は適切か」(民間で代替可能なのではないか)、「病床規模は適切か」などを再検証する仕組みを固めました(【再検証要請対象医療機関】と呼ぶ、関連記事はこちらこちらこちらこちら)。

(A)診療実績が特に少ない公立・公的病院等
▼がん▼心疾患▼脳卒中▼救急▼小児▼周産期▼災害▼へき地▼研修・派遣機能―の9領域すべてで、地域における診療実績が下位3分の1の病院

(B)類似の機能を持つ病院が近接している公立・公的病院(人口100万人以上の地域医療構想区域にある病院については、別途、再検証方針等を定める)
自動車で20分以内の距離に、▼がん▼心疾患▼脳卒中▼救急▼小児▼周産期―の6領域すべてで、「診療実績が類似する病院」がある病院



この再検証のスケジュールについて、当初は▼再編統合が必要な場合には、2020年9月までに個別病院・構想区域で結論を得る▼再編統合が不要な場合には、2020年3月までに結論を得る―こととされていましたが、2020年当初から新型コロナウイルス感染症が大流行したために「スケジュールについては白紙」とされ、「再検証スケジュールをどう再設定するか」が注目されていました。

この点、再検証対象となった436病院(当初は424病院が再検証対象であったが、その後精査し436病院が対象となった)について、再検証状況を厚労省が調査したところ▼4割が再検証を終え、一部は実行(ベッド数削減や機能転換、再編・統合)も完了している▼6割が再検証中であり、コロナ感染症対応と並行して再検証を進めている―などの状況が明らかになっています。

再検証対象436病院の状況(地域医療構想・医師確保計画WG1 211203)

再検証対象436病院の機能別病床数等(地域医療構想・医師確保計画WG2 211203)

措置・合意済175病院の機能別病床数等(地域医療構想・医師確保計画WG3 211203)

公立・公的病院だけでなく、民間病院も含めて機能再検証を2022・23年度に行う

こうした状況を踏まえて12月10日の「協議の場」で厚労省は、「第8次医療計画の策定作業が2023年度までかけて都道府県で進められる(24年度から計画を稼働させるため、都道府県で23年度中に計画を作成する必要がある)こととなり、その際には新興感染症対応などの記載事項追加等に向けた検討や病床の機能分化・連携に関する議論等を行っていただく必要がある。その作業と併せて、2022年度・23年度において『地域医療構想に係る民間医療機関も含めた各医療機関の対応方針の策定や検証・見直し』をお願いしたい」との考えを総務省・都道府県に伝達したものです。

厚労省は「2022年度・23年度中の民間を含めた病院機能再検証」を求める考え(国と地方の協議の場 211210)



「協議の場」は2019年秋に「424(当時)の公立・公的等医療機関に対し、機能分化等を含む再編・統合を要請する」との見解がまとめられたことに対し、地方自治体から「地域医療の確保に苦労している現場の意見を踏まえてほしい」との要望があったことを受けて設置されたものです。厚生労働省・総務省と自治体病院の開設者である地方3団体(全国知事会、全国市長会、全国町村会)との間で「効果的・効率的な地域医療提供体制の在り方」について議論を重ねています(関連記事はこちらこちらこちらこちら)。

今後、詳細などが厚労省から明確に示されることになるでしょう。その際、冒頭に述べたように、▼検討状況を定期的に公表する▼今般の新型コロナウイルス感染症対策の中で「病床の機能分化・連携」などの重要性が再認識されたことを十分に考慮する―ことなどもポイントとなります。

なお、2023年度までに「民間医療機関も含めた機能再検証を行う」ためには、後述する公立病院改革プランも勘案すれば、公立・公的病院等については「2022年度中に再検証を行う」ことが求められていると理解すべきでしょう。

新公立病院改革、21年度中に総務省がGL示し、22年度に各病院で改革プラン作成へ

ところで総務省の「持続可能な地域医療提供体制を確保するための公立病院経営強化に関する検討会」では、12月6日の会合において「「持続可能な地域医療提供体制を確保するための公立病院経営強化ガイドライン」の方向性について(案)が提示されています。

公立病院では、従前から「経営状況が厳しい」「医療従事者の確保が難しい」などの大きな課題に直面しており、自治体を所管する総務省は「改革」の必要性を訴え続けています(例えば、再編・統合や事業譲渡なども含めた改革)。

その一環として「公立病院改革ガイドラインに沿って、各病院で改革プラン(公立病院改革プラン)を策定・実行する」ことが求められ、ガイドラインは定期的な見直しが行われています(当然、各病院の作成する改革プランも定期的な見直しが必要となる)。

この点、2021年度以降に「新たな改革プラン」を策定することが総務省から各公立病院に指示がなされ、その拠り所となる「改定・新公立病院改革ガイドライン」が2020年夏頃に示される予定でした。しかし、コロナ感染症の蔓延により公立病院を取り巻く環境も大きく変化したことから、上述の再検証と同様に「スケジュールは白紙」となり、「いつガイドラインが示され、いつまでに改革プラン策定を求められるのか」が注目されていました(関連記事はこちら)。

この点、12月6日の検討会では新たなガイドライン(持続可能な地域医療提供体制を確保するための公立病院経営強化ガイドライン)の方向性案を総務省当局が提示。そこでは、▼人口減や少子高齢化に伴う医療需要の変化▼医師不足▼公立病院経営の厳しさ▼医師働き方改革(2024年度から新たな時間外上限規制が適用される)▼コロナ感染症をはじめとする新興感染症に備えた公立病院サイドの準備の必要性—といった課題(従前の課題+新たな課題)に対応するため、新ガイドラインでは「限られた医師・看護師等の医療資源を地域全体で最大限効率的に活用するという視点」を最重視していく考えが示されています。

改革プランの作成時期は「第8次医療計画策定の進め方を踏まえて検討する」とするにとどめています。しかし「2024年度から第8次医療計画を稼働させる」→「2023年度中に各都道府県で第8次医療計画を作成する」というスケジュールを考慮すれば、「2022年度中に各公立病院において改革プランを作成しておかなければならない」のではないかと逆算できます(2023年度に入っても改革プランが作成されていないのでは、都道府県が医療計画を作成できない)。

総務省ではガイドラインについて「2021年度末までの策定を想定している」とコメントしています。「2021年度にガイドライン策定」→「2022年度に各病院で改革プランを作成」→「2023年度に都道府県で医療計画を作成」→「2024年度から第8次医療計画を稼働させる」という流れが見えてきます。

公立病院経営強化ガイドラインの方向性(総務省・公立病院経営強化検討会 211206)



改革プランでは、(1)機能分化・連携強化の推進(2)医師・看護師等の確保、働き方改革の推進(3)経営形態の見直し(4)新興感染症に備えた平時からの対応—の4点が重点柱になる見込みです。

このうち(1)では「基幹病院に急性期機能を集約し、医師を確保した上で、それ以外の不採算地区病院等との連携を強化する」方向が明示されており、再編・統合も視野に入れた「機能改革」計画の重要性がますます増していることを確認できます。

また(2)の働き方改革について、「すべての勤務医について年間の時間外労働を960時間以内に抑えられる」医療機関以外(おそらくほぼすべての病院)で、どれほど遅くとも「2023年度中にB水準等の指定を受けなければならない」点を強調。▼労務管理の徹底(医療従事者の「労働時間」(医療機関の滞在時間ではない)把握、36協定の締結、宿日直許可の取得など)▼労働時間短縮に向けた取り組みの推進(業務内容の明確化、タスク・シフティング/タスク・シェアリング、「労働」と「研鑽」との峻別など)▼B水準・C水準指定等の取得(更なる労働時間短縮に向けた取り組み、医師労働時間短縮計画の作成、追加的健康確保措置等の体制整備など)—といった取り組みを、大急ぎで進める必要があります。



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医師偏在対策を了承、各都道府県で2019年度に医師確保計画を策定し、20年度から実行―医療従事者の需給検討会
医師偏在対策まとまる、2019年度に各都道府県で「医師確保計画」定め、2020年度から稼働―医師需給分科会(2)
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最も医師少数の2次医療圏は「北秋田」、最多数は「東京都区中央部」で格差は10.9倍―医師需給分科会(1)

「将来においても医師少数の都道府県」、臨時定員も活用した地域枠等の設置要請が可能―医師需給分科会(3)
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「医師少数区域等での勤務」認定制度、若手医師は連続6か月以上、ベテランは断続勤務も可―医師需給分科会(1)
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将来、地域医療支援病院の院長となるには「医師少数地域等での6-12か月の勤務」経験が必要に―医師需給分科会
入試要項に明記してあれば、地域枠における地元の「僻地出身者優遇」などは望ましい―医師需給分科会(2)
医師多数の3次・2次医療圏では、「他地域からの医師確保」計画を立ててはならない―医師需給分科会(1)
「必要な医師数確保」の目標値達成に向け、地域ごとに3年サイクルでPDCAを回す―医師需給分科会(2)
2036年に医師偏在が是正されるよう、地域枠・地元枠など設定し医師確保を進める―医師需給分科会
新たな指標用いて「真に医師が少ない」地域を把握し、医師派遣等を推進―医師需給分科会

【GHCからのお知らせ】「ポストコロナに生き残る公立病院」となるためには

公立病院の新たな改革プラン策定は延期、ただし現行プラン進捗状況を2020年度中に点検・評価せよ―総務省