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診療報酬改定セミナー2022 診療報酬改定セミナー2022

2022診療報酬改定の基本方針論議続く、医師働き方改革に向け現場医師に効果的な情報発信を―社保審・医療部会(2)

2021.11.5.(金)

2022年度の次期診療報酬改定に向けた基本方針では、「かかりつけ医ではなく、かかりつけ医機能を推進する」ものとすべき、地域性を考慮した医療提供体制改革につなげる必要がある―。

また、医療政策と診療報酬、患者負担との関係などを分かりやすく国民に説明する必要がある―。

2024年度からの医師働き方改革に向けて、現場の勤務医に分かりやすく適切な情報発信を行い、理解を深める必要がある―。

11月2日に開催された社会保障審議会・医療部会では、こういった議論も行われています。

11月2日に開催された「第82回 社会保障審議会 医療部会」

2022年度診療報酬改定の基本方針論議進む、「かかりつけ医機能」「地域性の確保」など重要

Gem Medで報じているとおり、2022年度の次期診療報酬改定に向けた議論が進められています。

改定内容は中央社会保険医療協議会総会で最終決定されますが、かつて中医協を舞台とした汚職事件が発生したことを踏まえて、▼基本方針を社会保障審議会の医療保険部会と医療部会で決定する▼改定率(つまり財源配分の大枠)を内閣が予算編成過程で決める▼基本方針と改定率を受け、中医協で改定内容を詰める―という役割分担が行われています。



医療保険部会・医療部会では基本方針策定論議が夏からスタートしています。11月2日の医療部会では、10月22日の医療保険部会と同じく、これまでの委員意見等を踏まえた▼改定に当たっての基本認識▼基本的視点▼具体的方向性―の案が厚生労働省保険局医療介護連携政策課の水谷忠由課長から提示されています。水谷医療介護連携政策課長は、次期改定に向けては次の4つの柱を立て、今後の議論を通じて具体的な方向を示していく考えです(提示された資料は10月22日の医療保険部会と同じもの)。
(1)新型コロナウイルス感染症等にも対応できる効率的・効果的で質の高い医療提供体制の構築 【重点課題】
(2)安心・安全で質の高い医療の実現のための医師等の働き方改革等の推進【重点課題】
(3)患者・国民にとって身近であって、安心・安全で質の高い医療の実現
(4)効率化・適正化を通じた制度の安定性・持続可能性の向上

2022年度診療報酬改定の基本的視点案(医療保険部会(1)2 211022)

2022年度診療報酬改定の基本認識案(医療保険部会(1)1 211022)



委員からは、さらに「こういった点を具体的に明示すべきではないか」「こういった点も基本方針の中で示すべき」(明示によって、中医協に医療部会等からのメッセージが届きやすくなる)という提案が出さました。

例えば、▼医療従事者のモチベーションを高めていくための報酬引き上げを検討すべき(佐保昌一委員:日本労働組合総連合会総合政策推進局長)▼限りある医療資源を効率的に活用するために「医療資源の重点配分」という考え方を基本方針に記すべき(河本滋史委員:健康保険組合連合会常務理事)▼新興感染症対策では、診療報酬と補助金との役割分担について記述してはどうか(神野正博委員:全日本病院協会副会長)▼人口が密集していない「地方部での在宅医療」(1日に訪問できる件数が少なくなる)を推進できる報酬を設定すべき(都竹淳也委員:全国市長会(岐阜県飛騨市長))▼医療提供体制改革では「地域性」が極めて重要な点を基本方針の中で再確認すべき(小熊豊委員:全国自治体病院協議会会長)▼「かかりつけ医」は定義が明確でない、「かかりつけ医機能」を推進していくと考えるべき(相澤孝夫委員:日本病院会会長)―といった意見が目立ちます。

また、島崎謙治委員(国際医療福祉大学大学院教授)は「例えば、医師の働き方改革を進めるとなれば、一般の人は『医師の負担が減り、コストも下がって、医療費は安くなる』と考えるであろう。しかし医師の働き方改革を診療報酬でサポートするとなれば、加算や新点数などで患者負担は重くなる。単純に『大事なことゆえ、診療報酬で評価する』という考え方は国民の理解を得にくく、基本方針に書くかどうかは別として、『医療政策と報酬との関係』を分かりやすく国民に説明することが重要である」と強調しました。



こうした意見を踏まえて、さらに基本方針案に肉付けをしていきます。12月上旬には基本方針が確定する見込みです。

なお、2022年度の次期診療報酬改定に向け、次のような議論が中医協などで進められています。
【これまでの2022年度改定関連記事】
◆入院医療の全体に関する記事はこちら(入院医療分科会の最終とりまとめ)こちら(入院医療分科会の中間とりまとめを受けた中医協論議)こちら(入院医療分科会の中間とりまとめ)こちら(入院総論)
◆急性期入院医療に関する記事はこちら(看護必要度3)こちら(新入院指標2)こちら(看護必要度2)こちら(看護必要度1)こちら(新入院指標1)
◆DPCに関する記事はこちらこちら
◆ICU等に関する記事はこちらこちら
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◆新型コロナウイルス感染症を含めた感染症対策に関する記事はこちら
◆医療従事者の働き方改革サポートに関する記事はこちら
◆がん対策サポートに関する記事はこちら
◆難病・アレルギー疾患対策サポートに関する記事はこちら
◆調剤に関する記事はこちらこちら
◆後発医薬品使用促進・薬剤使用適正化、不妊治療技術に関する記事はこちら
◆基本方針策定論議に関する記事はこちら(医療保険部会3)こちら(医療部会2)こちら(医療保険部会2)こちら(医療部会1)こちら(医療保険部会1)

医師働き方改革、現場医師への効果的な情報提供が極めて重要

また11月2日の医療部会には「医師働き方改革」に関する検討状況が報告されました。

Gem Medで繰り返しお伝えしていますが、2024年4月から、【医師の働き方改革】がスタートします。

すべての勤務医に対して新たな時間外労働の上限規制(原則:年間960時間以下(A水準)、救急医療など地域医療に欠かせない医療機関(B水準)や、研修医など集中的に多くの症例を経験する必要がある医師(C水準)など:年間1860時間以下)を適用するとともに、一般労働者と比べて「多くの医師が長時間労働に携わらなければならない」状況に鑑みた、追加的健康確保措置(▼28時間までの連続勤務時間制限▼9時間以上の勤務間インターバル▼代償休息▼面接指導と必要に応じた就業上の措置(勤務停止など)―など)を講じる義務が医療機関の管理者に課されるものです。

医師働き方改革の全体像(中医協総会1 210721)



今年5月に改正医療法(良質かつ適切な医療を効率的に提供する体制の確保を推進するための 医療法等の一部を改正する法律)が成立して、医師働き方改革のベースとなる仕組みが法制化されました(いわゆるB・C水準の考え方や、勤務間インターバルや連続勤務時間制限などの追加的健康確保措置の実施義務など)。

さらに「医師の働き方改革の推進に関する検討会」で、制度スタートに向けた議論を行い、10月14日に一通りの議論を終了。厚労省で、議論の内容を踏まえて制度施行に向けた関係政省令などを詰めていくフェイズに入っています。

この点、委員からは「現場の勤務医や、病院経営者には、医師働き方改革の内容がきちんと伝わっていないようだ。改革の理念をきちんと周知し、現場に理解してもらうことが重要である」との意見が相次ぎました。「医師の働き方改革の推進に関する検討会」でもこの点を心配する意見が出ており、勤務医に対する情報発信に関する作業部会」という下部組織が設置されました。近く作業部会が開催され、「どのように勤務医に効果的な情報発信をしていくべきか」という議論が行われます。

医師働き方改革推進検討会の下に「勤務医に対する情報発信に関する作業部会」を設置する(その1)

医師働き方改革推進検討会の下に「勤務医に対する情報発信に関する作業部会」を設置する(その2)



また、▼医師の働き方改革により「サービスが一部低下する」可能性のあること(例えば時間外の説明は別の医師が行うなど)を患者・家族サイドにも十分に理解してもらう必要がある(楠岡英雄委員:国立病院機構理事長)▼大学病院から地域医療機関への医師派遣が難しくなる可能性があり、働き方改革とセットで勤務医の処遇改善を考えなければならない。開業医が病院に協力する仕組みも検討する必要がある(松田晋哉委員:産業医科大学教授)―といった意見も出ています。

こうした意見も参考に、厚労省で医師働き方改革に関する法令が作成されていきます。



【制度施行に向けた医師の働き方改革推進に関する検討会論議の記事】
▼C2水準に関する記事はこちらこちらこちら
▼医療機関の評価(B・C等指定の前提)に関する記事はこちらこちら
▼追加的健康確保措置の詳細に関する記事はこちら
▼医師勤務時間短縮計画や兼業・副業先の状況把握に関する記事はこちらこちら



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