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今後の医療提供体制改革では、「医療人材の確保」が最重要論点―第8次医療計画検討会

2022.3.9.(水)

今後の医療提供体制を考えるうえで「感染症対策」と「人口構造の変化」(少子高齢化の進展)が重要な検討要素となるが、両者に大きく関係するテーマとして「医療人材の確保」があげられる―。

少子化が進む中で、いかにして「増大する医療ニーズ」に対応できるだけの人材を確保していくか、非常に重要な検討テーマとなる―。

3月4日に開催された「第8次医療計画等に関する検討会」(以下、検討会)で、こういった議論が行われました。

3月4日に開催された「第7回 第8次医療計画等に関する検討会」

post地域医療構想の議論も早期に進めよとの意見再び

地域ごとに効果的・効率的な医療提供体制を構築するために、都道府県は医療計画を作成します(医療法第30条の4第1項)。現在は、介護保険事業(支援)計画(3年を1期)と医療計画との連携・整合性を重視し、「1期6年」の計画となっています(3年ごとに中間見直しも実施)。

2024年度からは新たな「第8次医療計画」がスタートします。このためには、▼前年度(2023年度)中に各都道府県で計画を作成する▼その前年度(2022年度)中に都道府県が計画を作成するための「拠り所」となる指針(基本指針)を厚労省が策定し、公表する―ことが求められます。

すでに、3月2日に開催された「地域医療構想及び医師確保計画に関するワーキンググループ」(「第8次医療計画等に関する検討会」の下部組織)では、今後の医療提供体制改革を考えるうえで、とりわけ次の2点が重要となることなどを確認しています(関連記事はこちら)。
(A)コロナ感染症をはじめとする新興感染症に対応できる医療提供体制の確保
(B)人口の変化、とりわけ「現役世代人口の減少」が深刻化する中での医療提供体制の確保



3月4日には検討会でのキックオフ論議もスタート。やはり上記(A)(B)の2点を軸に、自由討議が行われています。

まず(A)の感染症対応については、厚生労働省から改めて「政府が本年6月(2022年6月)に、次の感染症危機に備えた『中長期的観点から必要な対応』(危機に迅速・的確に対応するための司令塔機能の強化、感染症法の在り方、保健医療体制の確保など)を取りまとめる」考えが報告されました。この点について山口育子構成員(ささえあい医療人権センターCOML理事長)は「第8次医療計画にその内容を盛り込むとなると、実際に計画を作成する都道府県にも十分な情報提供が必要になる」旨を求めています。



また(B)に関しては、「地域医療構想及び医師確保計画に関するワーキンググループ」の座長でもある尾形裕也構成員(九州大学名誉教授)から「2025年度以降の、いわばpost地域医療構想となる医療提供体制改革方針を急ぎ検討していくことの必要性」が強調されました。もっとも、現在「2025年度の地域医療構想実現」に向けた取り組みが進んでおり、それに水を差さないようなタイミングでの検討が重要となります。



さらに(A)(B)共通のテーマとしてとりわけ注目されたのが「医療人材の確保」です。少子高齢化が進む中では、多くの医療ニーズを抱える高齢者が増加する一方で、支え手となる現役世代が減少していくため、「少なくなる一方の現役世代の中でどのように医療従事者を確保していくか」「効率的・効果的な医療提供をどう進めていくか」が極めて重要な課題となります。

この点、▼北欧では現役世代の2割程度が医療従事者となっている点を十分に考慮すべき(尾形構成員)▼人材確保を集中的に検討する場を設けるべき(城守国斗構成員:日本医師会常任理事)▼医師の負担軽減で重要となる「病院薬剤師」の確保も科学的な議論を踏まえて進めていくべき(今村聡構成員:日本医師会常任理事)▼とりわけ在宅領域での看護師確保、専門性の向上を進めていくべき(吉川久美子構成員:日本看護協会常任理事)—といった意見が出ています。

医師確保・養成に関する検討は、これまで「医療従事者の需給に関する検討会」を中心に進められてきました。今後は、「医師確保・偏在対策の是正」と「地域医療構想の実現」都は極めて密接な関係があることを踏まえ「地域医療構想及び医師確保計画に関するワーキンググループ」で具体的に検討していくことになります。ここでの結論は「医師働き方改革」にも大きく関係してくるため、議論の内容に注目が集まります。



また、医師確保・養成とも関係する事項として「総合的な診療能力を持つ医師」養成の重要性を説く意見(大屋祐輔構成員:全国医学部長病院長会議理事、幸野庄司構成員:健康保険組合連合会理事)や、「医療圏の在り方」を見直すべきとの意見(織田正道構成員:全日本病院協会副会長)も出ています。

今後、検討会では▼医療圏の設定や基準病床数の考え方▼感染症対策—などを中心に議論し、個別事項は下部ワーキンググループで具体的な議論を進めていきます。2022年度中に「第8次医療計画の作成指針」をまとめることになり、議論のペースが徐々に上がっていくことでしょう。



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