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GemMed塾 新制度シミュレーションリリース

2024年度診療報酬改定に向けて第1ラウンド論議を総括、今後、個別具体的な点数・施設基準に関する第2ラウンド論議へ—中医協総会

2023.8.30.(水)

8月30日に開催された中央社会保険医療協議会・総会では、2024年度の次期診療報酬改定に向けたこれまでの議論(いわば第1ラウンド)の整理・総括が行われました。入院・外来・在宅はもちろん、注目される「医療DX」「医師働き方改革」「病院・病床の機能分化をはじめとする医療計画」などについて、これまでに委員から出された意見や提案などを厚生労働省保険局医療課の眞鍋馨課長が整理しています。

今後、第1ラウンド論議をベースに、個別具体的な点数・施設基準などに関する第2ラウンド議論が進んでいきます。あわせて、社会保障審議会の医療保険部会・医療部会で進められる「診療報酬改定の基本方針」策定論議でも、こうした整理・総括の内容が参考にされます。

医師働き方改革、医療計画なども診療報酬により下支えていく必要がある

2024年度の次期診療報酬改定に向けた議論が中央社会保険医療協議会(中医協)を中心に進んでいます。2024年度には「勤務医の新たな労働時間制限」(いわゆる医師の働き方改革)が適用されるほか、新たな医療計画(第8次医療計画)がスタートします。また、より質が高く効率的な医療提供を実現するための「医療DX」を進める必要があります。「入院」「外来」「在宅」「がん対策」「感染症対策」「難病対策」などに加え、こうした取り組みを診療報酬でどう支えていくかが重要視点になります。もちろん、介護報酬等との「同時改定」ゆえに、医療・介護連携を大きく進展させる改定となることも述べるまでもないでしょう。

【キックオフ論議に関する記事】
2024年度の診療報酬に向け、まず第8次医療計画・医師働き方改革・医療DXに関する意見交換を今春より実施—中医協総会

【急性期入院医療に関する記事】
看護必要度が「高齢の誤嚥性肺炎等患者の急性期一般1への救急搬送」を促している可能性―入院・外来医療分科会(1)
総合入院体制加算から急性期充実体制へのシフトで地域医療への影響は?加算取得病院の地域差をどう考えるか―入院・外来医療分科会(1)
高齢患者の急性期入院、入院後のトリアージにより、下り搬送も含めた「適切な病棟での対応」を促進してはどうか—中医協総会(1)
急性期一般1で「病床利用率が下がり、在院日数が延伸し、重症患者割合が下がっている」点をどう考えるべきか―入院・外来医療分科会(1)
総合入院体制加算⇒急性期充実体制加算シフトで産科医療等に悪影響?僻地での訪問看護+オンライン診療を推進!—中医協総会
要介護高齢者の急性期入院医療、介護・リハ体制が充実した地域包括ケア病棟等中心に提供すべきでは—中医協・介護給付費分科会の意見交換

【DPCに関する記事】
DPC病院は「DPC制度の正しい理解」が極めて重要、制度の周知徹底と合わせ、違反時の「退出勧告」などの対応検討を—中医協総会

【高度急性期入院医療に関する記事】
ICU評価は「看護必要度+SOFAスコア」へ、HCU看護必要度から心電図モニタ管理など削除へ―入院・外来医療分科会(2)
スーパーICU評価の【重症患者対応体制強化加算】、「看護配置に含めない看護師2名以上配置」等が大きなハードル―入院・外来医療分科会(2)

【回復期入院医療に関する記事】
「在宅患者の状態悪化→外来受診→地域包括ケア病棟入院」の流れも高く評価し、救急搬送・受け入れ負担軽減を―入院・外来医療分科会(3)
入退院支援加算について「入院料別の施設基準・算定要件」など検討しては、緊急入院患者の退院支援が重要課題―入院・外来医療分科会(2)
地域包括ケア病棟、誤嚥性肺炎等の直接入棟患者に「早期から適切なリハビリ」実施すべき―入院・外来医療分科会(2)
地域包括ケア病棟で救急患者対応相当程度進む、回復期リハビリ病棟で重症患者受け入れなど進む―入院・外来医療分科会(3)

【慢性期入院医療に関する記事】
療養病棟の医療区分、「疾患・状態での該当」と「処置での該当」で状況が異なる点踏まえ細分化すべきか―入院・外来医療分科会(4)

【その他入院医療に関する記事】
少子化が進展する中で、小児医療・周産期医療について「集約化」と「アクセス確保」とのバランス考慮が極めて重要—中医協総会
入院医療における「身体拘束の縮小・廃止」のためには「病院長の意識・決断」が非常に重要―入院・外来医療分科会(3)
急性期入院医療でも「身体拘束ゼロ」を目指すべきで、認知症対応力向上や情報連携推進が必須要素—中医協・介護給付費分科会の意見交換(2)

【かかりつけ医機能をはじめ外来医療に関する記事】
外来医療の機能分化が2024年度診療報酬改定でも重要テーマ、生活習慣病管理の取得・算定推進に向けた手立ては―入院・外来医療分科会(3)
マイナンバーカードの保険証利用が進むほどメリットを実感する者が増えていくため、利用体制整備が最重要—中医協総会(2)
かかりつけ医機能は「地域の医療機関が連携して果たす」べきもの、診療報酬による評価でもこの点を踏まえよ—中医協総会(1)

【在宅医療、訪問看護に関する記事】
在宅医療ニーズの急増に備え「在宅医療の質・量双方の充実」が継続課題!訪問看護師の心身負担増への対応も重要課題—中医協総会
訪問看護の24時間対応推進には「負担軽減」策が必須!「頻回な訪問看護」提供への工夫を!—中医協・介護給付費分科会の意見交換(1)
2022年度改定での「在宅医療の裾野を広げるための加算」や「リフィル処方箋」など、まだ十分に活用されていない—中医協(1)

【オンライン診療に関する記事】
一部に「歪んだオンライン診療」、適切な形でのオンライン診療推進を目指せ!D to P with Nの量・質の拡充を―入院・外来医療分科会(4)
患者・一般国民の多くはオンライン診療よりも対面診療を希望、かかりつけ医機能評価する診療報酬の取得は低調―入院・外来医療分科会(5)

【感染対策に関する記事】
感染対策向上加算等、「次なる新興感染症に備えるための医療機関・都道府県の協定」締結進むような見直しを—中医協総会
感染対策向上加算の要件である合同カンファレンス、介護施設等の参加も求めてはどうか—中医協・介護給付費分科会の意見交換(1)

【医師働き方改革に関する記事】
医師働き方改革サポートする【地域医療体制確保加算】取得病院で、勤務医負担がわずかだが増加している—中医協総会(1)
医師働き方改革のポイントは「薬剤師へのタスク・シフト」、薬剤師確保に向けた診療報酬でのサポートを―入院・外来医療分科会(4)

【がん対策サポートに関する記事】
がん化学療法の外来移行、「栄養指導」や「仕事と治療との両立支援」などと一体的・総合的に進めよ―入院・外来医療分科会(1)

【医療・介護連携等に関する記事】
2024年度の診療報酬・介護報酬・障害福祉等サービス報酬の同時改定で「医療・介護・障害者福祉の連携強化」目指せ—中医協総会(2)
日常診療・介護の中で「人生の最終段階に受けたい・受けたくない医療・介護」の意思決定支援進めよ!—中医協・介護給付費分科会の意見交換(2)

【診療報酬改定DXはじめ医療DXに関する記事】
2024年度以降の診療報酬改定、実施時期を2か月遅らせ「6月1日施行」とする方針を中医協で固める、薬価改定は4月実施を維持
電子カルテ標準化や医療機関のサイバーセキュリティ対策等の医療DX、診療報酬でどうサポートするか—中医協総会



【基本方針論議に関する記事】
医療部会でも2024年度診療報酬改定「基本方針」論議、病院団体が「食事療養費引き上げ」「賃上げの原資確保」を強く要請—社保審・医療部会
2024年度診療報酬改定「基本方針」論議始まる、物価急騰への対応や医療保険制度の持続可能性確保など重視―社保審・医療保険部会(1)



8月30日の中医協総会では、こうした総論的な第1ラウンド論議を整理・総括しました。

重要な意見をあげれば枚挙に暇がありませんが、例えば▼「診療報酬改定の後ろ倒し」(6月1日施行を中医協で了解)について、医療機関・薬局に具体的にどのようなメリットがあるのか、ひいては患者にどのように還元されるのかを明確化し、丁寧かつ早期に周知してほしい▼医療DXの推進について、医療機関へのインセンティブ論議に偏らず、患者負担にも配慮した医療従事者の勤務環境の改善、効率的な医療提供体制を整備していく必要がある▼救急医療の機能分化のために、地域の2次医療機関、3次医療機関が「それぞれの役割」を果たすことが重要である▼3次救急に搬送されたが、結果的に3次救急以外でも対応可能な病態出会った場合には「迅速に下り搬送を行う」ことが重要で、「下り搬送の評価」も検討する必要がある▼2022年度の前回改定で【急性期充実体制加算】が新設され、【総合入院体制加算】を届け出る医療機関が減少しており、これが地域の周産期医療に今後どのような影響を与えるのか注視すべき▼かかりつけ医機能の在り方の1つとして「複数医療機関との緊密な連携」が示され、将来的には全国医療情報プラットフォームにより実現する。それまでの間は、現在利用可能な地域医療情報連携ネットワークや紙の文書も含めた、現状の医療提供体制を生かしながら評価の在り方を検討すべき▼どの医療機関が「かかりつけ医機能」を持つのかなど、実績を含めた情報を患者が把握できるようにすべき▼最初から基幹病院を受診してしまう患者がまだ多い。紹介受診重点医療機関を広げ、診療所についても特徴を出し、地域で医療連携体制を構築していくことが重要である▼急性期医療が「高度かつ集中的な医療を必要とする患者への対応」に重点化されるよう、機能分化による効率的な医療をさらに評価すべき▼急性期一般1について、病床数が過剰になっていないか背景を分析すべき▼誤嚥性肺炎や尿路感染症の入院治療について、域包括ケア病棟は13対1看護で、対応できる救急医療に限界がある」ことを認識したうえで、「対応可能な地域包括ケア病棟での一層の対応」を進めるべき▼在宅医療の24時間体制について「訪問診療+訪問看護」「近隣の診療所や中小病院との連携」とセットで考えていくべき▼医師働き方改革に向けた取り組みを評価する【地域医療体制確保加算】算定医療機関で、かえって時間外労働時間が長い医師割合が高くなってしまっている。労働時間短縮の取り組みが進むような施設基準を設定すべき—などが目を引きます。

今後、こうした第1ラウンド論議を踏まえて、個別具体的な点数・施設基準などに関する第2ラウンド論議が始まります。第2ラウンドに向けては、支払側委員から「各種の検証結果(2022年度の前回診療報酬改定の効果・影響に関する調査結果)や、分科会論議も踏まえて議論を深めたい」(松本真人委員:健康保険組合連合会理事)、少子高齢化がますます進む中で、質の高い医療提供体制を維持しつつ『医療保険制度を安定・維持』することが極めて重要となる。データに基づく改定論議を秋以降も深めたい」(安藤伸樹委員:全国健康保険協会理事長)、「第1ラウンドには議論されなかったが、医療の透明性確保、患者本位の医療の確保に向けて明細書の無料発行推進も議題に据えるべき。また医療DXに関連し、患者が自身の診療情報を確認できるよう、電子カルテデータ保存期間の延長なども検討していくべき」(佐保昌一委員:日本労働組合総連合会総合政策推進局長)といった意気込みが聞こえてきました。今後、ますます熱い議論が中医協を中心に重ねられていきます。



なお8月30日の中医協総会では、「岐阜県厚生農業協同組合連合会岐阜・西濃医療センター西美濃厚生病院」が、地域の人口動態、医療資源、医療ニーズ等を踏まえて回復期・慢性期機能に移行するために「本年(2023年)12月1日にDPC制度から退出する」ことが報告されています。



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