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GemMed塾 過負荷状態の”看護部”が今こそ考えるべき業務改善・適正化 ~最前線の看護部門ならではの医療の質と経営の質の向上のための具体的なアクションとは?~

加齢により「学習記憶を保持する能力が低下する」より先に、「新しい学習を行う速度が低下」する—都健康長寿医療センター研究所

2025.2.6.(木)

加齢が進むと、「学習記憶を保持する能力」の低下に先立って、「新しい学習を行う速度」が低下する—。

東京都健康長寿医療センター研究所(東京都板橋区)が1月29日日に、こうした研究成果を発表しました(研究所のサイトはこちら)。

認知症の予防や高齢者の学習支援策の開発などにつながると期待

年を取ると昔のことは覚えているが、新しいことを覚えられない—。

巷間、こうした指摘がなされます。研究所では「学習記憶の保持・減衰に加齢がどう影響しているのか」を研究。日常生活の動作や危機回避行動を支える重要な能力である「運動学習記憶」の保持・減衰の時間経過の解明、これらに影響を与える要因・作用機構の解析につながると期待されます。

具体的には、マウスを用いて「回転棒上にマウスを乗せ、落下するまでの時間を計測する」という回転棒試験を実施。そこから次のような結果が得られました。

【約3か月齢の若いマウス】
▽1セット・10回のテストで運動学習が成立した

▽翌日(1日後)に2セット目のテストを行うと、運動学習記憶はほぼ100%保持

▽1週間後(7日後)・2週間後(14日後)と運動学習記憶は徐々に減衰する



【約11か月齢の加齢マウス】
▽1セット・10回のテストで運動学習が成立した

▽学習が向上する速度は若いマウスと比べて低下していた

▽その後の学習記憶の保持では、若いマウスとの間に統計的に有意な差は見られなかった

若齢個体と加齢個体とで、学習成立の速度に違いはあるが、記憶保持・減衰に変化はない



研究所では、これらの結果から「加齢により新しい学習の速度は低下する。しかし過去に習得した学習記憶は比較的良好に保持される」ことを示すと分析しています。

さらに、▼運動記憶保持や減衰の定量的な解析を通じて、学習記憶の保持や減衰に影響を与える因子の探索が可能になった▼加齢により「過去に習得した学習記憶を保持する能力が低下する」よりも先に、「新しい学習を行う速度が低下」する—とし、「年を取ると新しいことが覚えにくくなるが、昔のことはよく覚えている」という日常的な経験を科学的に裏付けるものとなる可能性があるとも指摘。

あわせて、この研究が「脳の老化や記憶メカニズムに対する理解を深める」「認知症の予防や高齢者の学習支援策の開発を通じて、高齢社会における健康長寿への貢献する」と見通しています。



病院ダッシュボードχ zeroMW_GHC_logo

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