画期的な乳がん等治療薬のテセントリク、新たに血球貧食症候群の副作用―厚労省
2019.12.5.(木)
画期的な乳がん等治療薬の「アテゾリズマブ(遺伝子組換え)」(販売名:テセントリク)に、新たに「血球貪食症候群」の副作用が判明した―。
また、非小細胞肺がんの治療に用いる「オシメルチニブメシル酸塩」(販売名:タグリッソ)に、新たに▼うっ血性心不全▼左室駆出率低下―の副作用が明らかになった―。
厚生労働省は12月3日に通知「『使用上の注意』の改訂について」を発出し、こうした点について製薬メーカーに改訂を指示するとともに、医療現場に対し注意喚起を行いました(厚労省のサイトはこちら)。薬剤部から診療部・看護部等への十分な情報提供が必要です。
(1)▼インスリン受容体異常症A型▼インスリン受容体異常症B型▼脂肪萎縮性糖尿病▼妖精症▼ラブソン・メンデンホール症候群―における高血糖・高インスリン血症・黒色表皮腫・多毛の改善や、▼成長ホルモン抵抗性の成長ホルモン単独欠損症Type1A▼ラロン症候群―における成長障害の改善に用いる「メカセルミン(遺伝子組換え)」(販売名:ソマゾン注射用10mg)
▽新たに【効能・効果に関連する使用上の注意】として、「本剤の適用にあたっては、以下の点を踏まえ『有益性が危険性を上回る』と判断される場合にのみ投与する」旨を新設
▼関連性は明らかではないが、国内外において「メカセルミンによる治療中または治療終了後に良性腫瘍および悪性腫瘍が発生した」との報告あり
▼動物実験において「腺がんを含む乳腺腫瘍が発生した」との報告あり
▽【重要な基本的注意】の項から、「動物実験において『腺がんを含む乳腺腫瘍が発生した』との報告があり、本剤適用にあたっては『有益性が危険性を上回る』と判断される場合にのみ投与する」旨を削除する(上述の【効能・効果に関連する使用上の注意】に移行)
(2)▼PD-L1陽性のホルモン受容体陰性かつHER2陰性の手術不能または再発の乳がん(840㎎)▼切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん(1200㎎)▼進展型小細胞肺がん(同)の治療に用いる「アテゾリズマブ(遺伝子組換え)」(販売名:テセントリク点滴静注840mg、同1200mg)
▽新たな【重大な副作用】:▼血球貪食症候群―
(3)EGFR遺伝子変異陽性の手術不能または再発の非小細胞肺がんの治療に用いる「オシメルチニブメシル酸塩」(販売名:タグリッソ錠40mg、同80mg)
▽新たな【重大な副作用】:▼うっ血性心不全▼左室駆出率低下―
(4)▼アレルギー性鼻炎▼蕁麻疹▼皮膚疾患(湿疹・皮膚炎、皮膚そう痒症)―に伴うそう痒等治療に用いる「ビラスチン」(販売名:ビラノア錠20mg)
▽新たな【重大な副作用】:▼ショック▼アナフィラキシー―
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