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療養の地ケア病棟でも軽度救急患者を積極的に受け入れ、自治体も積極的に救急指定してほしい―日慢協・武久会長

2022.2.15.(火)

療養病床を持つ慢性期多機能病院では「減算を受けずに地域包括ケア病棟を運営できるかどうか」が勝負のポイントになる。療養病床の地域包括ケア病棟では、救急医療提供などの要件をクリアしなければ減算が行われるため、療養病床を持つ病院も積極的に救急医療提供を行い「手術等を要しない誤嚥性肺炎や尿路感染症などの軽度救急患者」受け入れをしなければならない―。

また、国・自治体サイドも、こうした「積極的に救急医療提供を行う慢性期病院」については救急指定等をおこなうべきである―。

日本慢性期医療協会の武久洋三会長は2月10日に定例記者会見で、このような考えを強く述べました。

2月10日の定例記者会見(オンライン記者会見)に臨んだ日本慢性期医療協会の武久洋三会長

減算に該当する病院は「地域包括ケア病棟算定をあきらめよ」と言われているに等しい

2月9日の中央社会保険医療協議会・総会で、2022年度診療報酬改定に関する答申が行われ、新たな点数表・施設基準等の大枠が明らかにされました。

その中で目を引くのが「入院医療を提供する各病棟において、取得する入院基本料・特定入院料に求められる機能・役割を適切に果たしてほしい。求められる機能・役割を果たせない場合には、当該入院基本料・特定入院料から退場してもらう」という厳しいメッセージが厚生労働省から示されている点です。

とりわけ「地域包括ケア病棟・地域包括ケア入院医療管理料」でそのメッセージが明確にされ、数多くの「減算」規定が盛り込まれました。

日慢協による「地域包括ケア病棟の減算規定」一覧



こうした「減算」規定を眺めて武久会長は「入院料が10%も15%も減算されたのでは病棟運営ができなくなる。これは基準をクリアできず、減算に該当する病院には『地域包括ケア病棟入院料等の算定をあきらめろ』と言っているようなものだ」とコメント。その1つに「救急医療提供などを行わない療養病棟の地域包括ケア病棟にかかる減算」があります。

▽「療養病床の地域包括ケア病棟等」では入院料を「マイナス5%」に減算するが、▼自宅等からの入院患者受け入れ割合が6割以上▼自宅からの緊急入院患者の受け入れ数が前3か月で30人以上▼救急医療体制を整備―のいずれかに該当する場合には減算を行わない



中医協論議の中で「療養病床の地域包括ケア病棟」と「一般病床の地域包括ケア病棟」では「救急患者の受け入れ状況」や「患者への医療資源投入量」などに差がある(療養の地ケア<一般の地ケア)ことを踏まえた減算ルールです。 武久会長は、とりわけこの減算ルールに着目し▼「療養病床の地域包括ケア病棟」をもつ病院▼自治体▼国(厚生労働省)のそれぞれに対し、次のような提言を行いました。

▽「療養病床の地域包括ケア病棟」をもつ病院では、救急指定取得に動き、積極的に高齢救急患者を診察する地域包括ケア病棟を目指してほしい

▽自治体はも「療養病床を持つ病院」についても積極的に救急指定を行ってほしい

▽厚労省は、日本各地どこでも「療養病床を持つ病院」でも救急指定をとれるよう自治体を指導してほしい



あわせて武久会長は、1月の記者会見に続き、改めて▼重篤な救急患者は救命救急センター等で対応する▼手術等を要しない誤嚥性肺炎や尿路感染症などの軽度救急患者は療養病棟(慢性期多機能病院)で対応する―という「救急医療の役割分担」が重要であることを強調。2022年度改定では、前者の「高度急性期医療」の評価が充実した背景には、厚労省も同じ考えを持っているのではないかと推察しました。

さらに、「療養病床を持つ地域包括ケア病棟」に救急患者受け入れ機能を要請されている点から「厚労省は『かつての療養病床には、もはや存在する場所はない』と宣言している」「今後、療養病床主体の慢性期多機能病院は『地域包括ケア病棟をきちんと運営できるか』が勝負どころになる」とも強調しています。

今後の、告示・通知・事務連絡(3月上旬から五月雨式に示される)を踏まえ、各地域包括ケア病棟の運営がどう変化するのか注目する必要があります。



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