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【2022年度診療報酬改定答申1】充実した急性期一般1を評価する新加算、7日以内460点、8-11日250点、12―14日180点

2022.2.9.(水)

2022年度の次期診療報酬改定に向けて、2月9日に開催された中央社会保険医療協議会・総会において、新点数や新施設基準等の概要が明らかになりました。

●2022年度診療報酬関係の資料(告示内容等)はこちら(中医協資料)

Gem Medでは何回かに分けて答申内容、つまり新点数・新施設基準の大枠を眺めていきます(詳細は3月上旬の告示(点数表や施設基準)、解釈通知等を待つ必要があります)。本稿では「急性期入院医療」に焦点を合わせます。2020年初めから猛威を振るう新型コロナウイルス感染症に対応する中で「急性期医療・高度急性期入院料」の重要性が再確認されました。とりわけ「我が国では急性期入院医療体制が分散し、医療資源が散在してしまっている。これがコロナ感染症の重症者対応が難しくなった一要因である」点が強く認識され、急性期機能の集約化を診療報酬でもサポートしていく方針が明確になってきています。

急性期充実体制加算は14日間で4760点、総合入院体制加算1は同じく3360点、併算定×

まず、手術や救急医療等の高度専門的医療・急性期医療の提供体制を十分に確保する急性期病棟について、新たに【急性期充実体制加算】で評価することとなりました。点数は▼7日以内:460点(1日につき)▼8-11日:250点(同)▼12-14日:180点—に設定されています。

主な施設基準を見ると、▼急性期一般1を算定する病院▼高度専門的医療・救急医療にかかる体制と実績を有すること(ICU等にユニット設置や手術・救急搬送受け入れ件数が一定以上など)▼入院患者の急変徴候をとらえて対応する体制(RRS:Rapid Response System)の導入―などが上がりました。詳細は3月上旬の告示・通知を待つ必要があります。

RRSの概要(中医協総会(2)1 211110)

RRS導入で院内死亡が減少する効果(中医協総会(2)2 211110)



なお、【急性期充実体制加算】は【総合入院体制加算】との併算定が認められません。

【総合入院体制加算】のうち「加算1」は1日につき240点を14日算定可能であり、1患者につき累計で3360点の算定が可能です。

一方、【急性期充実体制加算】を14日算定すると、「460点×7」+「250点×4」+「180点×3」=4760点を算定することが可能です。

両者には「手術実績」や「救急搬送受け入れ実績」など重複すると思われる基準・要件が設けられていますが、一方で【総合入院体制加算】には「精神科を含めた、診療科要件や分娩件数要件などがあり、総合的な機能を持つ地域の基幹病院」を評価するという色合いが濃く、【急性期充実体制加算】には「ICU等の設置などが求められ、高度急性期医療を提供する病院」という色合いが濃いと見ることができそうです。【急性期充実体制加算】の詳細を待つ必要がありますが、「2つの加算の棲み分け」を注視していくことが重要でしょう。



なお、【総合入院体制加算】については、施設基準に関して▼「人工心肺手術が年間40件以上」について「人工心肺手術、人工心肺を用いない冠動脈、大動脈バイパス手術が年間40件」とする▼外来縮小要件の中に「紹介受診重点病院であること」を追加する―などの見直しを行います。また後述のとおり「重症患者割合(看護必要度を満たす患者割合)の見直し」も行われます。

総合入院体制加算の看護必要度割合、加算1・2では必要度Iで33%、必要度IIで30%に

また、すでに中医協総会で決着していますが一般病棟用の重症度、医療・看護必要度(以下、一般病棟用の看護必要度)について「項目の見直し」(心電図モニター管理削除など)や「重症患者割合(看護必要度を満たす患者の割合)の見直し」などが行われます。

各種入院料や加算における重症患者割合は、次のように見直されます。なお、急性期一般1について、新たに「許可病床数200床以上400床未満」の場合にもレセプト電算処理システムコードを用いる看護必要度IIが義務化されますが、今年(2022年)12月31日までは経過措置が置かれます。

【急性期一般1】
(現行)必要度I:31%以上、必要度II:29%以上

(見直し後)
▽許可病床数200床以上では必要度I:31%以上(看護必要度IIが義務化されるため経過措置としてのみ存在する)、必要度II:28%以上
▽許可病床数200床未満では必要度I:28%以上、必要度II:25%以上

【急性期一般2】
(現行)必要度I:28%以上、必要度II:26%以上

(見直し後)
▽許可病床数200床以上では必要度I:27%以上、必要度II:24%以上
▽許可病床数200床未満では必要度I:25%以上、必要度II:22%以上

【急性期一般3】
(現行)必要度I:25%以上、必要度II:23%以上

(見直し後)
▽許可病床数200床以上では必要度I:24%以上、必要度II:21%以上
▽許可病床数200床未満では必要度I:22%以上、必要度II:19%以上

【急性期一般4】
(現行)必要度I:22%以上、必要度II:20%以上

(見直し後)
▽許可病床数200床以上では必要度I:20%以上、必要度II:17%以上
▽許可病床数200床未満では必要度I:18%以上、必要度II:15%以上

【急性期一般5(急性期一般6を統合)】
(現行)
▽急性期一般5では必要度I:20%以上、必要度II:18%以上
▽急性期一般6では必要度I:18%以上、必要度II:15%以上

(見直し後)
▽必要度I:17%以上、必要度II:14%以上

【急性期一般6(従前の急性期一般7)】
(現行)測定していること

(見直し後)測定していること

【特定機能病院7対1】
(現行)必要度II:28%以上

(見直し後)必要度II:28%以上(見直しなし)

【専門病院7対1】
(現行)必要度I:30%以上、必要度II:28%以上

(見直し後)必要度I:30%以上、必要度II:28%以上(見直しなし)

【結核病棟7対1】
(現行)必要度I:11%以上、必要度II:9%以上

(見直し後)必要度I:10%以上、必要度II:8%以上

【看護必要度加算1(特定機能、専門)】
(現行)必要度I:22%以上、必要度II:20%以上

(見直し後)必要度I:22%以上、必要度II:20%以上(見直しなし)

【看護必要度加算2(特定機能、専門)】
(現行)必要度I:20%以上、必要度II:18%以上

(見直し後)必要度I:20%以上、必要度II:18%以上(見直しなし)

【看護必要度加算3(特定機能、専門)】
(現行)必要度I:18%以上、必要度II:15%以上

(見直し後)必要度I:18%以上、必要度II:15%以上(見直しなし)

【総合入院体制加算1・2】
(現行)必要度I:35%以上、必要度II:33%以上

(見直し後)必要度I:33%以上、必要度II:30%以上

【総合入院体制加算3】
(現行)必要度I:32%以上、必要度II:30%以上

(見直し後)必要度I:30%以上、必要度II:27%以上

【急性期看護補助体制加算、看護職員夜間配置加算】
(現行)必要度I:7%以上、必要度II:6%以上

(見直し後)必要度I:7%以上、必要度II:6%以上(見直しなし)

【看護補助加算1】
(現行)必要度I:6%以上、必要度II:5%以上

(見直し後)必要度I:5%以上、必要度II:4%以上

【地域包括ケア病棟入院料、特定一般病棟入院料の注7】
(現行)必要度I:14%以上、必要度II:11%以上

(見直し後)必要度I:12%以上、必要度II:8%以上

術後の専門チームによる疼痛管理を、術後疼痛管理チーム加算(1日100点)で評価

関連して、手術に関連する新たな加算が創設されます。急性期入院医療を提供する病院にとっては朗報の1つと言えるでしょう。

▽術後疼痛を、▼麻酔に従事する専任常勤医師▼術後疼痛管理研修を修了した専任常勤看護師▼術後疼痛管理研修を修了した専任常勤薬剤師—などで構成される術後疼痛管理リームで管理することを評価する【術後疼痛管理チーム加算】(1日につき100点、手術翌日から3日を限度)(急性期一般、特定機能、専門要員、各種ユニットで算定可)

▽薬剤師が、病棟薬剤師と連携して全身麻酔を実施した患者に対して周術期に必要な薬学的管理を行うことを評価する【周術期薬剤管理加算】(75点を麻酔管理料(I)(II)に上乗せ)

▽全身麻酔を伴う手術を行った患者について、手術前後に管理栄養士が適切な栄養管理を行うことを評価する【周術期栄養管理実施加算】(1手術につき1回、270点を上乗せ)

特定機能病院における充実した栄養管理を、新たに入院栄養管理体制加算で評価

また、特定機能病院について次のような新点数が設置されています。特定機能病院に期待される役割がまた多くなったと言え、特定機能病院サイドの取り組みに注目が集まります。

▽特定機能病院において、管理栄養士が「栄養スクリーニング、他職種とカンファレンス等を実施する」ことで、より適切で、かつ充実した栄養管理を行うとともに、「退院後の栄養管理」に関する指導を患者に行い、他医療機関へ情報提供を行うことを評価する【入院栄養管理体制加算】(入院初日および退院時に270点)

▽特定機能病院における回復期リハビリ実施を担う病棟を評価する【特定機能病院リハビリテーション病棟入院料】(1日につき2129点、詳細は「リハビリ」に関する別稿で報じます)



なおGem Medでは改定セミナー動画も準備しております。是非、あわせてご活用ください。



【これまでの2022年度改定関連記事】
◆議論の整理(改定項目一覧)に関する記事はこちら
◆入院医療の全体に関する記事はこちら(入院医療分科会の最終とりまとめ)こちら(入院医療分科会の中間とりまとめを受けた中医協論議)こちら(入院医療分科会の中間とりまとめ)こちら(入院総論)
◆急性期入院医療に関する記事はこちら(新指標5ほか)こちら(看護必要度8)こちら(看護必要度7)こちら(看護必要度6)こちら(新指標4)こちら(新指標3、重症患者対応)こちら(看護必要度5)こちら(看護必要度4)こちら(看護必要度3)こちら(新入院指標2)こちら(看護必要度2)こちら(看護必要度1)こちら(新入院指標1)
◆DPCに関する記事はこちらこちらこちら
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◆新型コロナウイルス感染症を含めた感染症対策に関する記事はこちらこちらこちら
◆医療従事者の働き方改革サポートに関する記事はこちらこちらこちら
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◆後発医薬品使用促進・薬剤使用適正化、不妊治療技術に関する記事はこちらこちらこちらこちらこちら
◆医療経済実態調査(第23回調査)結果に関する記事はこちら
◆消費税対応の是非に関する記事はこちら
◆薬価・材料価格調査に関する記事はこちら
◆改定率に関する記事はこちら
◆答申附帯意見に関する記事はこちら
◆基本方針策定論議に関する記事はこちら(医療部会5)こちら(医療保険部会5)こちら(医療保険部会4)こちら(医療部会4)こちら(医療部会3)こちら(医療保険部会3)こちら(医療部会2)こちら(医療保険部会2)こちら(医療部会1)こちら(医療保険部会1)
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外来がん化学療法・化学療法患者への栄養管理・遺伝子パネル検査・RI内用療法を診療報酬でどう推進すべきか―中医協総会(1)
かかりつけ医機能の推進、医療機関間の双方向の情報連携を診療報酬でどうサポートしていけば良いか―中医協総会
在宅医療の質向上のための在支診・在支病の施設基準、裾野拡大に向けた継続診療加算をどう見直していくか―中医協総会(1)
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心電図モニター等を除外して試算し、中医協で「看護必要度から除外すべきか否か」決すべき―入院医療分科会(2)
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看護必要度やリハビリ実績指数などの経過措置、コロナ対応病院で来年(2022年)3末まで延長―中医協・総会(1)
看護必要度見直し、急性期入院の新評価指標、救急医療管理加算の基準定量化など2022改定で検討せよ―入院医療分科会
回リハ病棟ごとにADL改善度合いに差、「リハの質に差」か?「不適切な操作」か?―入院医療分科会(5)
心電図モニター管理や点滴ライン3本以上管理など「急性期入院医療の評価指標」として相応しいか―入院医療分科会(4)
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