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診療報酬改定セミナー2024 看護モニタリング

外来化学療法患者の栄養指導を充実、救急医療管理加算を「顔面熱傷・気道熱傷」患者にも算定広げる―中医協総会(2)

2022.1.28.(金)

Gem Medでは、中央社会保険医療協議会・総会における個別改定項目(いわゆる短冊)論議を順次、報じています(1月26日に行われた看護必要度見直しの記事はこちら、急性期入院医療・高度急性期入院医療に関する記事はこちら、回復期・慢性期入院医療に関する記事はこちら、外来医療等に関する記事はこちら、在宅医療や訪問看護に関する記事はこちら、オンライン診療等に関する記事はこちら、1月28日に行われた働き方改革に関する記事はこちら)。

1月28日の中央社会保険医療協議会・総会では、短冊のうち(II)医師等の働き方改革等の推進(III)不妊治療、がん対策、認知症対策など(IV)効率化・適正化を通じた制度の安定性・持続可能性の向上―を議論しました。本稿では「がんや難病等の疾患対策に対する診療報酬でのサポート」に焦点を合わせます。

●短冊はこちら

がん患者の心理不安によりそうことを評価、遺伝子パネル検査の報酬を整理

まず、我が国の死因第1位を独走する「がん」について、診療報酬での医療支援が次のように充実されます(関連記事はこちらこちら)。

(1)【がん患者指導管理料】について次のような見直しを行う
▽「イ 医師が看護師と共同して診療方針等について話し合い、その内容を文書等により提供した場合」について、「末期がん患者に対し、当該患者の診療方針等に関する意思決定支援を実施した場合」も算定可能とし、「医療機関が適切な意思決定支援に係る指針を作成していること」を施設基準に盛り込む
▽「ロ 医師または看護師が心理的不安を軽減するための面接を行った場合」について、がん患者の心理的不安の軽減を目的とする面接を行う職種を▼医師▼看護師―に「公認心理師」を追加する

(2)【外来栄養食事指導料】において、外来化学療法を実施しているがん患者に対し専門的な研修を修了し、十分な知識を有する管理栄養士が指導を行うことを新たな加算で評価する

(3)RI内用療法を評価する【放射線治療病室管理加算】について、▼治療用放射性同位元素による治療の場合▼密封小線源による治療の場合―で評価を区分する

(4)がん遺伝子パネル検査を評価する【がんゲノムプロファイリング検査】について次のような見直しを行う
▽現在「検体提出時」と「結果説明時」とを別個に評価しているが、両者を統合する(この場合、下記の【がんゲノムプロファイリング評価提供料】は算定不可とする(重複算定になるため)
▽がんゲノムプロファイリング検査で得られた結果について、院内のエキスパートパネル(専門家会議)での検討を経て、患者に文書で検討結果・治療方針を説明することを、新たに【がんゲノムプロファイリング評価提供料】として評価する

(5)【無菌製剤処理料】をクリニックでも算定可能とする

(6)外来での化学療法実施を総合的に評価(抗がん剤投与およびその他の必要な治療を含めて評価)する【外来腫瘍化学療法診療料】を新設する(初診料や再診料、外来診療料などはこの点数に包括される)



がん医療はもちろん、がん医療の継続・成功を支える周辺医療まで含めて診療報酬での充実を行う考えが見て取れます。

難病の遺伝子検査を順次保険適用、遠隔でのてんかん治療を保険適用

また難病等対策として次のような項目が盛り込まれます(関連記事はこちら)。

▽分析的妥当性が関係学会等により確認された「遺伝子検査」(医療費助成を受けるための確定診断の要素となっているものが少なくない)について【遺伝学的検査】の対象疾患に追加する(保険診療の中で検査を受け、指定難病の確定診断を受ける道が開かれる)

▽「難病等に関する十分な知識を持つ医師」と「対面診療を行うかかりつけ医師」とが連携することなどを条件に、情報通信機器を用いた遺伝カウンセリングを保険診療の中で評価する(遺伝カウンセリング加算の算定を認める)

▽生体部分肺移植・生体部分肝移植・生体部分腎移植・生体部分小腸移植における臓臓器移植者・臓器提供者について【微生物核酸同定・定量検査】の「18 HTLV-1核酸検出」の対象とするなどの対策を図る

▽「知的障害を有するてんかん患者」を【遠隔連携診療料】(いわゆるD to P with Dを評価する診療報酬項目)の対象であることを明示し、また同患者に対するD to P with Dで遠隔診療を【遠隔連携診療料】に位置づける(現在は「診断」のみが評価対象)

▽指定難病患者・てんかん患者について、地域の診療所等(Aクリニックとする)から専門医療機関(B病院とする)へ紹介し、B病院で継続診療を行う場合で、Aクリニックからの求めに応じて、B病院からAクリニックへ診療情報を提供することを、新設する【連携強化診療情報提供料】(診療情報提供料(III)の組み換え)で評価する

▽【診療情報提供料(I)】の対象者に「アナフィラキシーの既往歴のある患者」「食物アレルギー患者」を追加し、アレルギー疾患の主治医が学校医等に情報提供を行うことを評価する

小入管、NICUなどでの手厚い対応を診療報酬で評価、情報連携も推進

また小児、新生児、妊産婦への医療提供を確保するための診療報風サポートでは、次のような見直しが行われます。患者の身体だけでなく、精神状態にも配慮した医療提供がなされることを期待するものです(関連記事はこちら)。

▽【小児運動器疾患指導管理料】の対象患者を、現在の「12歳未満」から「20歳未満」に拡大する(12歳以上になって初めて「先天性股関節脱臼」などと判明する患児が一定程度存在するため)

▽【小児入院医療管理料】算定病棟に入院する「造血幹細胞移植を実施する小児患者」に対して無菌治療室管理を行うことを、新たに設ける【無菌治療管理加算】として評価する(小児患者に係る造血幹細胞移植では、特に厳重な感染予防が必要となるため)

▽【小児入院医療管理料】算定病棟において、時間外における小児患者の緊急入院受け入れ体制を整備することを【時間外受入体制強化加算】として新たに評価する

▽【小児入院医療管理料】算定病棟から▼小児慢性特定疾病の児童等▼医療的ケア児―が退院するにあたり、医師・薬剤師が患者・家族等に対し「退院後の薬剤の服用等に関する必要な指導を行い、薬局に対して特殊な調剤方法等を文書により情報提供する」ことを、新たに【退院時薬剤情報管理指導連携加算】として評価する(小入管の加算)

▽【小児入院医療管理料】算定病棟において、「不適切な養育等が行われていることが疑われる小児患者への迅速・適切な対応を行う多職種専任チーム」を設置することを、新たに【養育支援体制加算】として評価する

▽【小児特定集中治療室管理料】について次のような見直しを行う
▼実績要件に「先天性心疾患患者に対する周術期管理実績」を追加する
▼先天性心疾患を有する新生児については、算定日数上限を延伸する

▽【新生児特定集中治療室管理料】【総合周産期特定集中治療室管理料】【新生児治療回復室入院医療管理料】について、「慢性肺疾患を伴う低出生体重児」の算定日数上限を延伸する

▽保険薬局が、医療的ケア児やその家族に対して「当該患者の状態に合わせた必要な薬学的管理・指導」を行うことを、新たに【小児特定加算】として評価する(【服薬管理指導料】あるいは【かかりつけ薬剤師指導料】の加算)

▽【ハイリスク分娩管理加算】について、地域周産期母子医療センター等の専門機関と連携して妊産婦に対する適切な分娩管理を実施する場合を、新たに【地域連携分娩管理加算】として評価する

▽【総合周産期特定集中治療室管理料】算定ユニットにおいて、胎児が重篤な疾患を有すると診断された妊婦等に対し、多職種共同で「胎児の疾患や出生後に必要となる治療等に関する適切な情報提供を行う」などの支援を【成育連携支援加算】として新たに評価する

▽【ハイリスク妊産婦連携指導料】の対象患者に、「メンタルスクリーニング検査等により精神科または心療内科の受診が必要と判断された妊産婦」を追加する

救急医療管理加算、算定対象患者を拡大するが、患者状態の報告をより詳細に

急性期医療の根幹と言える救急医療については、次のような見直しが行われます。救急医療管理加算では、現場の実態を踏まえて「対象患者を拡大」するとともに、「より適正な点数算定」を目指します(関連記事はこちらこちらこちら)。また、救急搬送診療料では、新型コロナウイルス感染症対応での経験を踏まえた見直しを行います。

▽【救急医療管理加算】について次のような見直しを行う
▼対象患者について、「広範囲熱傷」を「広範囲熱傷、顔面熱傷または気道熱傷」に拡大するとともに、新たに「消化器疾患で緊急処置を必要とする重篤な状態」「蘇生術を必要とする重篤な状態」を追加する
▼「意識障害または昏睡」患者について「JCSゼロと判断して緊急入院が必要である」と、「呼吸不全又は心不全で重篤な状態」患者について「NYHA1またはP/F比400以上と判断して緊急入院が必要である」と、「広範囲熱傷等」患者について「Burn Indexゼロの状態と判断して緊急入院が必要である」と判断した医学的根拠をレセプトの摘要欄に記載することを求める(加算2における「準ずる場合」でも同様)

▽【救急搬送診療料】について次のような見直しを行う
▼救急搬送中に人工心肺補助装置、補助循環装置または人工呼吸器を装着し医師による集中治療を要する状態の患者について、関係学会の指針等に基づいて重症患者搬送チームが搬送を行うことを、新たに【重症患者搬送加算】として評価する
▼「搬送元医療機関以外の医療機関医師が、救急用の自動車等に同乗して診療を行う場合」「救急搬送中に人工心肺補助装置、補助循環装置または人工呼吸器を装着し医師による集中治療を要する状態の患者について、関係学会の指針等に基づき患者の搬送を行う場合」には、入院患者にも【救急搬送診療料】の算定を可能とする



なおGem Medでは改定セミナー動画も準備しております。是非、あわせてご活用ください。



【これまでの2022年度改定関連記事】
◆議論の整理(改定項目一覧)に関する記事はこちら
◆入院医療の全体に関する記事はこちら(入院医療分科会の最終とりまとめ)こちら(入院医療分科会の中間とりまとめを受けた中医協論議)こちら(入院医療分科会の中間とりまとめ)こちら(入院総論)
◆急性期入院医療に関する記事はこちら(新指標5ほか)こちら(看護必要度8)こちら(看護必要度7)こちら(看護必要度6)こちら(新指標4)こちら(新指標3、重症患者対応)こちら(看護必要度5)こちら(看護必要度4)こちら(看護必要度3)こちら(新入院指標2)こちら(看護必要度2)こちら(看護必要度1)こちら(新入院指標1)
◆DPCに関する記事はこちらこちらこちら
◆ICU等に関する記事はこちらこちらこちらこちらこちらこちら
◆地域包括ケア病棟に関する記事はこちらこちらこちらこちらこちら
◆回復期リハビリテーション病棟に関する記事はこちらこちらこちらこちらこちら
◆慢性期入院医療に関する記事はこちらこちらこちらこちらこちら
◆入退院支援の促進などに関する記事はこちらこちら
◆救急医療管理加算に関する記事はこちらこちらこちら
◆短期滞在手術等基本料に関する記事はこちらこちら
◆外来医療に関する記事はこちらこちらこちらこちらこちら
◆在宅医療・訪問看護に関する記事はこちらこちら(訪問看護)こちら(小児在宅等)こちら(訪問看護)こちらこちら
◆オンライン診療に関する記事はこちらこちら
◆新型コロナウイルス感染症を含めた感染症対策に関する記事はこちらこちら
◆医療従事者の働き方改革サポートに関する記事はこちらこちらこちら
◆がん対策サポートに関する記事はこちらこちら
◆難病・アレルギー疾患対策サポートに関する記事はこちら
◆認知症を含めた精神医療に関する記事はこちらこちら
◆リハビリに関する記事はこちら
◆小児医療・周産期医療に関する記事はこちら
◆医療安全対策に関する記事はこちら
◆透析医療に関する記事はこちら
◆個別疾患管理等に関する記事はこちらこちら
◆新規医療技術に関する記事はこちら
◆データ提出等に関する記事はこちらこちら
◆調剤に関する記事はこちらこちらこちら
◆後発医薬品使用促進・薬剤使用適正化、不妊治療技術に関する記事はこちらこちらこちらこちら
◆医療経済実態調査(第23回調査)結果に関する記事はこちら
◆消費税対応の是非に関する記事はこちら
◆薬価・材料価格調査に関する記事はこちら
◆改定率に関する記事はこちら
◆基本方針策定論議に関する記事はこちら(医療部会5)こちら(医療保険部会5)こちら(医療保険部会4)こちら(医療部会4)こちら(医療部会3)こちら(医療保険部会3)こちら(医療部会2)こちら(医療保険部会2)こちら(医療部会1)こちら(医療保険部会1)
●薬価制度改革に関する記事はこちらこちらこちらこちらこちらこちらこちらこちら
●保険医療材料制度改革に関する記事はこちらこちらこちらこちらこちらこちらこちら
●費用対効果評価制度改革に関する記事はこちらこちらこちらこちらこちらこちらこちら
●公聴会に関する記事はこちら



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かかりつけ薬剤師機能、ポリファーマシー対策などを調剤報酬でどうサポートすべきか―中医協総会
回リハ病棟でのADL評価が不適切に行われていないか、心臓リハの実施推進策を検討してはどうか―入院医療分科会(2)
入院料減額されても、なお「自院の急性期後患者」受け入れ機能に偏る地域包括ケア病棟が少なくない―入院医療分科会(1)
かかりつけ医機能・外来機能分化を進めるための診療報酬、初診からのオンライン診療の評価などを検討―中医協総会(2)
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中小規模医療機関の標準準拠電子カルテ導入、基金や診療報酬活用して支援へ―医療情報ネットワーク基盤WG