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GHCプレミアムセミナー「コロナ禍の集患は後方連携から ~持続可能な連携に向けて~ 」 GemMed塾

【2022年度診療報酬改定総点検5】在宅医療の裾野を広げ質を高めることで、増大・複雑化する在宅ニーズに応える

2022.1.7.(金)

Gem Medでは、2022年度の次期診療報酬改定に向けて、これまでの中医協論議についてポイントを絞ってお浚いしています(第1回は入院医療の見直しポイントを整理、第2回は医療従事者の働き方改革サポート、第3回は外来医療の見直しポイント、第4回は訪問看護の見直しポイントを整理)。今回は「在宅医療」に焦点を合わせます。

2022年度改定でも在宅医療の「量の拡大」「質の向上」の双方を目指す

訪問看護については、これまでに次のような論点が示されています(関連記事は記事はこちらこちらこちら)。

(1)「在支診以外の診療所」が、自院のかかりつけ患者が在宅医療が必要となった場合に、他の医療機関との連携等により24時間の往診・連絡体制を構築することを評価する【継続診療加算】(1か月に1回、在宅患者への総合的な医学管理を評価する【在宅時医学総合管理料】、【施設入居時等医学総合管理料】に216点を上乗せ)について、24時間往診・連携を推進するような要件見直しを行えないか

(2)機能強化型在宅療養支援病院(在支病)について要件をどう見直していくべきか

(3)患者が「外来」から「在宅」へ移行する場合に、外来担当医師等と在宅担当医師等が密接に連携することを、入院における「退院時共同指導」のような形で評価できないか

(4)在宅ターミナルケア加算について不合理を是正すべきではないか

(5)小児の在宅患者では、成人とは異なる疾患・状態で緊急往診が必要となるケースが少なくない。成人と異なる、小児への【緊急往診加算】について要件等を設定してはどうか

(6)小児の在宅末期がん患者では、成人に比べて診療期間が長く、麻薬等の投与量も多いことから、成人と異なる、小児への【在宅がん医療総合診療料】の設定等を検討してはどうか



まず(1)は「在宅医療の裾野拡大」を目指す論点です。

【継続診療加算】は、「自院の体制から在宅医療に多くの労力を割くことはできないものの、一定程度であれば在宅医療を行える」と考える医療機関同士に連携してもらい、地域で在宅医療が必要な患者に対して24時間の連絡・往診体制を確保してもうものです。しかし算定件数は思うように伸びず、「在宅医療の裾野を広げるために【継続診療加算】の要件をどう見直していけばよいか」が論点となっているのです。

中医協では「継続診療加算は1院でしか算定できない」点がハードルになっているのではないか(点数をダイレクトに算定できない他院に連携を依頼することが心理的なハードルになっている)との見方が強く、ここをどう改善していくかに注目が集まっています。今後、厚労省から示される具体案(いわゆる短冊)に注目が集まります。

継続診療加算の算定は、在総管算定医療機関の7%程度にとどまる(中医協総会(2)2 210825)



また(2)は▼緊急往診は行っていないが、急変患者を積極的に受け入れる在支病が少なくない点をどう考えるか▼ACP(人生の最終段階でどのような医療・ケアを受けたいか、受けたくないかを、患者・医療者・家族・友人との間で繰り返し話し合う取り組み)の要件化や加算化を検討してはどうか―という論点です。いずれも「在支病における医療の質をより高める」ことを目指す内容です。こちらも今後の具体案に注目が集まります。

緊急往診の実施状況について在支病間でバラつきがある(中医協総会(1)3 211013)



他方(3)は外来から在宅へ移行するに当たり担当医師・医療機関が変わったとしても「継続した指導・管理を行える」体制の確保を診療報酬で後押しできないかという論点です。入院患者が在宅移行する際には、例えば【退院時共同指導料】(入院医療機関の医師・看護師・薬剤師・管理栄養士などと、在宅医療を行う医療機関の医師・看護師・薬剤師・管理栄養士などとが、退院後の在宅療養で必要となる指導等について共同して行い、文書で情報提供することを評価)で評価されており、「外来→在宅」においてもこのような診療報酬項目が新設されることになるでしょう。



また(4)は、在宅ターミナルケア加算(在宅で死亡した患者(往診・訪問診療後24時間以内に在宅以外で死亡した患者を含む)に対して、その死亡日・死亡日前14日以内に2回以上の往診・訪問診療を実施することを遡って評価する)について、▼往診のみでターミナルケアを行い看取りに至った場合、【在宅ターミナルケア加算】は算定できない(在宅患者訪問診療料の加算であるため)▼訪問診療予定日前に状態が急変し往診を行ったところ、そのまま看取りとなった場合【在宅ターミナルケア加算】は算定できない(「死亡日・死亡日前14日以内に2回以上の往診・訪問診療実施」要件を満たさない)―という不合理を是正するものです。「往診料にも在宅ターミナルケア加算を設ける」「加算の要件を見直す」などの対応が考えられそうです。

現在の【在宅ターミナルケア加算】要件では、現場に不都合が出るケースがある(その1)(中医協総会(1)7 211013)

現在の【在宅ターミナルケア加算】要件では、現場に不都合が出るケースがある(その2)(中医協総会(1)8 211013)



一方、(5)は小児に対する緊急往診の特性(成人と異なる疾患・状態で緊急往診が必要となる)を踏まえて、▼急性心筋梗塞▼脳血管障害▼急性腹症—などの「外来を停止してもなお、緊急往診が必要な状態にのみ算定が可能である」との要件を見直してはどうかという論点です。

小児では、成人と異なる状況で緊急往診が必要となる消すがままある(中医協総会(4)2 211110)



また(6)は、小児の在宅末期がん患者の特性(成人に比べて診療期間が長く、麻薬等の投与量も多い)を踏まえて、【在宅がん医療総合診療料】の充実を行ってはどうかという論点です。

小児末期がん患者では、成人に比べて診療期間が長くなる(中医協総会(4)4 211110)

小児の在宅末期がん患者では、成人比べて麻薬等の使用料が多く、高コストになる(中医協総会(4)5 211110)



「在宅医療の裾野を広げる」「質の高い在宅医療提供をより高く評価する」「在宅医療を評価する点数の不合理を是正する」という3つの視点での見直しが行われます。

なおGem Medでは改定セミナー動画も準備しております。是非、あわせてご活用ください。



【これまでの2022年度改定関連記事】
◆入院医療の全体に関する記事はこちら(入院医療分科会の最終とりまとめ)こちら(入院医療分科会の中間とりまとめを受けた中医協論議)こちら(入院医療分科会の中間とりまとめ)こちら(入院総論)
◆急性期入院医療に関する記事はこちら(看護必要度6)こちら(新指標4)こちら(新指標3、重症患者対応)こちら(看護必要度5)こちら(看護必要度4)こちら(看護必要度3)こちら(新入院指標2)こちら(看護必要度2)こちら(看護必要度1)こちら(新入院指標1)
◆DPCに関する記事はこちらこちらこちら
◆ICU等に関する記事はこちらこちらこちらこちら
◆地域包括ケア病棟に関する記事はこちらこちらこちらこちら
◆回復期リハビリテーション病棟に関する記事はこちらこちらこちらこちら
◆慢性期入院医療に関する記事はこちらこちらこちらこちら
◆入退院支援の促進などに関する記事はこちらこちら
◆救急医療管理加算に関する記事はこちらこちらこちら
◆短期滞在手術等基本料に関する記事はこちらこちら
◆外来医療に関する記事はこちらこちらこちらこちら
◆在宅医療・訪問看護に関する記事はこちら(訪問看護)こちら(小児在宅等)こちら(訪問看護)こちらこちら
◆オンライン診療に関する記事はこちら
◆新型コロナウイルス感染症を含めた感染症対策に関する記事はこちらこちら
◆医療従事者の働き方改革サポートに関する記事はこちらこちら
◆がん対策サポートに関する記事はこちらこちら
◆難病・アレルギー疾患対策サポートに関する記事はこちら
◆認知症を含めた精神医療に関する記事はこちらこちら
◆リハビリに関する記事はこちら
◆小児医療・周産期医療に関する記事はこちら
◆医療安全対策に関する記事はこちら
◆透析医療に関する記事はこちら
◆個別疾患管理等に関する記事はこちらこちら
◆データ提出等に関する記事はこちらこちら
◆調剤に関する記事はこちらこちらこちら
◆後発医薬品使用促進・薬剤使用適正化、不妊治療技術に関する記事はこちらこちらこちらこちら
◆医療経済実態調査(第23回調査)結果に関する記事はこちら
◆消費税対応の是非に関する記事はこちら
◆薬価・材料価格調査に関する記事はこちら
◆改定率に関する記事はこちら
◆基本方針策定論議に関する記事はこちら(医療部会5)こちら(医療保険部会5)こちら(医療保険部会4)こちら(医療部会4)こちら(医療部会3)こちら(医療保険部会3)こちら(医療部会2)こちら(医療保険部会2)こちら(医療部会1)こちら(医療保険部会1)



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心電図モニター管理や点滴ライン3本以上管理など「急性期入院医療の評価指標」として相応しいか―入院医療分科会(4)
一部のDPC病棟は「回復期病棟へ入棟する前の待機場所」等として活用、除外を検討すべきか―入院医療分科会(3)
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コロナ禍の医療現場負担考え小幅改定とすべきか、2025年度の地域医療構想実現に向け大胆な改定とすべきか―中医協総会(1)
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回リハ病棟でのADL評価が不適切に行われていないか、心臓リハの実施推進策を検討してはどうか―入院医療分科会(2)
入院料減額されても、なお「自院の急性期後患者」受け入れ機能に偏る地域包括ケア病棟が少なくない―入院医療分科会(1)
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適切なDPC制度に向け、著しく「医療資源投入量が少ない」「自院の他病棟への転棟が多い」病院からヒアリング―入院医療分科会(2)
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2022年度診療報酬改定論議、コロナ感染症の影響など見据え7・8月に論点整理―中医協総会(1)

医療部会も2022年度改定基本方針案を了承、12月10日の中医協に報告されるが正式諮問は年明けに—社保審・医療部会(1)
2022年度改定基本方針を了承、医療提供体制改革・医師働き方改革が重点課題—社保審・医療保険部会
2022年度診療報酬改定の基本方針策定は目前、オンライン資格確認稼働から1か月間の状況は―社保審・医療保険部会
2022年度診療報酬改定、「強固な医療提供体制の構築」「医療従事者の働き方改革」が重点課題―社保審・医療部会
かかりつけ医制度化を検討すべきか、感染症対策と医療提供体制改革はセットで検討を―社保審・医療保険部会(1)
平時に余裕のない医療提供体制では有事に対応しきれない、2022年度診療報酬改定での対応検討を―社保審・医療部会(1)
コロナ感染症等に対応可能な医療体制構築に向け、2022年度診療報酬改定でもアプローチ―社保審・医療保険部会(2)
「平時の診療報酬」と「感染症蔓延時などの有事の診療報酬」を切り分けるべきではないか―社保審・医療部会
診療報酬で医療提供体制改革にどうアプローチし、医師働き方改革をどうサポートするか―社保審・医療保険部会(1)