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費用対効果評価改革論議が大詰め、分析時間の短縮目指し、理由なく遅れる場合のペナルティを明確化―中医協・費用対効果評価専門部会

2021.12.7.(火)

2022年度の費用対効果評価制度改革に向け、その内容が固まりつつあります。12月1日の開催された中央社会保険医療協議会の費用対効果評価専門部会(以下、専門部会)には、これまでの議論や業界意見を踏まえた改革骨子案が提示され、概ね了承されています。

効果が同じで費用が高い製品、分析が遅延した製品は「最も厳しい評価」対象に

費用対効果評価制度が本格導入されたのは2019年4月であり、まだ若い仕組みです。このため2022年度改定では「現在の制度運用の中で、明確になっていない点、課題であると思われる点」を中心に是正を図っていくにとどめています。一部には「保険償還の可否判断に費用対効果評価を活用すべき」との指摘もありますが、現行の「いったん保険適用したうえで、費用対効果評価を価格調整に用いる」考え方には変更ありません(将来的にどうなるかは現時点では明らかになっていない)。

2022年度改革は、大きく(1)分析プロセスの見直し(2)価格調整方法の見直し(3)文政体制の強化—の3点にわたって行われます。

まず(1)の分析プロセスについては、次のような見直し案が固まりつつあります。

▽標準的な分析プロセス・分析期間について、例えば「企業分析終了後、速やかに公的分析(企業分析の検証)を開始し、その結果が出た段階で専門組織(ii)を開催する」「企業からの不服意見を聴取する機会を確保するため、企業から不服意見書が提出され、当該意見書に新たな論点があること等により専門組織が会議の開催の必要性を認めた場合には、専門組織を開催し、不服意見の聴取を行える」などの見直しを行う

▽分析前協議について、「公的分析班は、中医協総会での品目指定後速やかに分析前協議を開始し、原則として、品目指定から3か月後の費用対効果評価専門組織に、当該品目に係る分析枠組み案を提出する」「1回目の分析前協議から、企業・国立保健医療科学院・公的分析班の合意が得られた場合には、臨床の専門家等の参加を可能とする」といった見直しを行う

▽分析対象集団の規模が小さくなる場合には、▼患者数や疾患の性質等を勘案する▼全体評価への影響の程度について専門家の意見も聴取する―という過程を経たうえで、理由が明確な場合には当該小集団を分析対象から除外できる取り扱いとする

▽評価終了後の再評価に当たっては、国立保健医療科学院での海外情報等を踏まえて、中医協において「H3区分への該当性」(再評価すべきか否か)を判断する

▽効能追加がなされた場合には、▼分析枠組みの決定前の効能追加では、原則として追加された効能を含めて分析枠組みを決定する▼追加された効能を含めると分析全体が大幅に遅延することが想定される場合には、当該効能を含めずに分析を進め、費用対効果評価案の決定後に改めて「H3区分への該当性」(再評価すべきか否か)を検証する

全体として「分析をより迅速に行う」ことを意識した改革内容と言えます。

費用対効果評価の標準的スケジュール改正案(費用対効果評価専門部会 210915)



また(2)の価格調整方法に関しては、次のような見直しが行われます。大枠をいじるものではなく「微修正のとどまる」と言えるでしょう。

▽「効果が同等で費用が増加する場合」(費用増加)には「最も小さな価格調整係数」を用いる(「費用対効果が芳しくない」と判断する)

▽分析期間を超過した場合には、事前に企業に対して遅れた理由を確認した上で、その理由が妥当性を欠く場合には「最も小さな価格調整係数」を用いるこ(分析遅れに対するペナルティと言える)

▽患者割合について、原則として公表可能なものを用いることとした上で、公表することが困難な場合には、その理由に係る説明を求める

▽公的介護費等について、諸外国における取組みを参考にしながら、引き続き研究班による研究を実施し、その進捗を踏まえつつ今後検討する



さらに(3)の分析体制に関しては、▼人材育成等を進める▼薬価算定組織と費用対効果評価専門組織との連携を深める▼「企業との関連が一定の基準内である」専門家については、公的分析班として公的分析に関わることを可能とする(現在は、一切公的分析に関われない)—といった見直しが行われます。

このうち「薬価算定組織と費用対効果評価専門組織との連携」は、薬価算定組織において「有用性が認められる」と判断される一方で、費用対効果評価専門組織において「有用性に関するエビデンスが十分でない」と判断される事例が出ていることを踏まえたものです。両者は異なる観点での評価を行うため「評価結果に齟齬が出る」ことそのものはおかしな話ではありませんが、厚生労働省保険局医療課医療技術評価推進室の中田勝巳室長は「薬価算定の際のデータも理解したうえで費用対効果評価に係る分析が可能になる(費用対効果評価専門組織サイドのメリット)。費用対効果評価の手法を理解した薬価設定論議を行える(薬価算定組織サイドのメリット)」という相乗効果に期待を寄せています。



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