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GemMed塾 外来機能報告支援サービス

専門看護師・特定研修修了者による訪問看護を特別評価、訪問看護ターミナルケア療養費の不合理解消―中医協総会(5)

2022.1.27.(木)

Gem Medでは、1月26日の中央社会保険医療協議会・総会で明らかにされた2022年度診療報酬改定に向けた「個別改定項目」(いわゆる短冊)を眺めています。

本稿では、「在宅医療」と「訪問看護」に焦点を合わせます。訪問看護については数多くの見直しが行われており、さらなる活躍に期待が集まっていることが分かります(一般病棟用の重症度、医療・看護必要度見直しの記事はこちら、急性期入院医療・高度急性期入院医療に関する記事はこちら、回復期・慢性期入院医療に関する記事はこちら、外来医療等に関する記事はこちら)。また、別稿で「オンライン診療」などについて報じることにしております。

●短冊はこちら

機能強化型訪問看護ステーションの要件をさらに強化、地域包括ケアシステムの要に

まず注目の集まる「訪問看護」を見てみましょう。「評価の拡充」項目が目立ち、中医協委員はもちろん、厚生労働省も「訪問看護の活躍」に大きな期待を寄せていることが分かります(関連記事はこちらこちら)。

(1)「業務継続計画(BCP)を策定し、自治体や医療関係団体等が整備する地域連携体制に参画している場合」も、複数の訪問看護ステーションによる連携で【24時間対応体制加算】の算定を可能とする

(2)訪問看護事業者に対して「業務継続・早期の業務再開に向けた計画」の策定等を義務付ける

(3)機能強化型訪問看護療養費について次のような見直しを行う
▽機能強化1・2について「他の訪問看護ステーションや地域住民等に対する研修や相談の対応実績がある」ことを必須要件とし、評価を見直す
▽機能強化1-3において「在宅看護等に係る専門の研修を受けた看護師の配置」を望ましい要件に据える

(4)訪問看護情報提供療養費について次のような見直しを行う
▽療養費1における情報提供先に「指定特定相談支援事業者」「指定障害児相談支援事業者」を追加し、対象利用者の年齢を引き上げる
▽療養費2について、情報提供先に「高等学校等」を追加し、対象となる利用者の年齢を引き上げるとともに、「当該利用者に対する医療的ケアの実施方法等を変更した月」でも算定可能とする

(5)訪問看護指示書に「理学療法士等が訪問看護の一環として実施するリハビリテーションの時間・実施頻度等」を記載することを求める

(6)専門性の高い看護師による同行訪問について「褥瘡ケアに係る専門の研修を受けた看護師」として「特定行為研修修了者(創傷管理関連)」を追加する

(7)専門の研修を受けた看護師(▼緩和ケア、褥瘡ケアまた人工肛門ケアおよび人工膀胱ケアに係る専門の研修を受けた看護師▼特定行為研修を修了した看護師―)が、専門的な管理を含む訪問看護を実施する場合に、【訪問看護療養費】【在宅患者訪問看護・指導料】【同一建物居住者訪問看護・指導料】において、【専門管理加算】として新たな評価を行う

(8)訪問看護ステーション等の看護師に対し、医師が特定行為の実施に係る手順書を交付することを【手順書加算】(【訪問看護指示料】の加算)として新たな評価を行う

(9)【訪問看護ターミナルケア療養費】は、現在「死亡日および死亡日前14日以内に2回以上の訪問看護提供を行う」こととされているが、「退院日の退院支援指導」を「訪問看護提供」と見直して要件の充足を判断可能とする

(10)【複数名訪問看護加算】(複数名訪問看護・指導加算)における「看護補助者が同行する場合の加算」について、「看護師等が同行する場合」も算定可能とする

(11)退院日に看護師等が長時間の退院支援指導を行うことを、【訪問看護管理療養】の【退院支援指導加算】の上乗せ加算として新たに評価する

(12)訪問看護において「同一建物内の利用者の人数に応じた評価区分を設けている加算」(難病等複数回訪問加算など)について、同じ金額の評価区分を統合する



例えば、(6)(7)は専門性の高い看護師(専門看護師や認定看護師)、さらに特定行為研修を修了した看護師に対し「専門性のさらなる発揮(単独訪問)や、一般看護師への知識・スキル伝授(同行訪問)」など「さらなる活躍」を期待するものです。

また(3)は、地域包括ケアシステム(要介護度が高くなっても可能な限り住み慣れた地域で生活できるよう、地域において▼医療▼介護▼予防▼住まい▼生活支援―の各サービスを整備し、それを有機的に結合する体制)の要になると期待されている「機能強化型訪問看護ステーション」に対し、「さらなる体制の充実」を期待するものです。

さらに(1)(2)は、新型コロナウイルス感染症対応の中で「訪問看護の事業継続」(例えばスタッフに感染症患者等が発生した場合でも、利用者に訪問看護サービスを提供し続けられるような体制等の整備)の重要性が確認されたことを踏まえたものです。

また、(9)は技術的な見直しと言えるかもしれませんが、例えば「退院日(退院支援指導加算のみ算定可)と退院翌日とで2回の訪問看護を行った後に死亡した」患者について、現在は「2回の訪問看護基本療養費算定がなされていない」(退院当日は退院支援指導加算のみで、基本療養費は算定できない)という不合理があるところ、「退院日に退院指導加算のみを算定した場合でも『訪問看護を提供した』と見做す」ことで、訪問看護ターミナル療養費の算定を可能とするものです。例えば「末期がん」などで「人生の最期を自宅で過ごしたい」と希望する患者が、退院後極めて短期間に亡くなってしまうような場合でも、手厚い訪問看護が提供される(それが診療報酬で評価される)ことに期待が集まります。

退院当日に訪問看護基本療養費を算定できないため、訪問看護ターミナルケア療養費算定できないケースがある(中医協総会(1)5 211126)



一方、(5)は、かねてより問題視されている「リハビリ専門職による訪問看護」の適正化を狙うものです。訪問看護は、医療保険・介護保険の双方にまたがるサービスで、「心身状態が悪化しても、可能な限り住み慣れた在宅での生活を継続できる」体制を目指す【地域包括ケアシステム】の要となることが期待されています。このため「重度者対応」「24時間・365日対応」といった機能強化が診療報酬でも介護報酬でも推し進められてきています。

しかし、一部の訪問看護ステーションではスタッフのほとんどをリハビリ専門職が占め、▼重症患者対応が十分でない▼ターミナルケアの実施が十分でない―など、「求められる訪問看護ステーションの方向」とは若干異なる動きをしていることが分かっています。言わば「軽症者に対して日中に訪問リハビリを行う」施設として運営され、中には堂々と「訪問リハビリステーション」を名乗る事業者すら存在するようです。このため、最近の診療報酬・介護報酬改定では、さまざまな「是正」措置(リハビリ専門職による訪問看護の点数引き下げや、スタッフにおける看護職割合の基準設定など)が図られてきており、上記(5)もこの一環に位置づけられます。

在支診・在支病の要件・基準を整理、在支診では「後方ベッド」の役割をさらに期待

このほか在宅医療については、次のような見直し項目があげられました。「裾野を広げる」とともに「頂を高くする」ことを目指す見直しと言えます(関連記事はこちらこちらこちら)。

▽機能強化型の在宅療養支援診療所(在支診)・在宅療養支援病院(在支病)について、「市町村が実施する在宅医療・介護連携推進事業等において在支診以外の診療所等と連携すること」「地域において24時間体制での在宅医療提供に係る積極的役割を担うことが望ましいこと」などを施設基準に設ける(医療・介護を含めた在宅サービスの提供拠点としての役割に期待が寄せられている)

▽在支診・在支病について、厚生労働省「人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスに関するガイドライン」等の内容を踏まえた適切な意思決定支援に係る指針(ACP、人生の最終段階にどのような医療・ケアを受けたいか、受けたくないかなどを家族や専門家などと繰り返し話し合い、可能であれば文書にしておく取り組み)を作成していることを要件(義務化)とする

▽機能強化型の在支病における「緊急の往診の実績年間10件以上」要件について、「後方ベッドの確保および緊急の入院患者の受入実績」「地域包括ケア病棟入院料・入院医療管理料1・3の届け出」に替えることを認める

▽「在支診以外の診療所」(在宅医療にとりわけ力を入れているわけではない)が、自院のかかりつけ患者が在宅医療が必要となった場合に、他の医療機関との連携等により24時間の往診・連絡体制を構築することを評価する【継続診療加算】について、名称を【在宅療養移行加算】に変更し、「地域の医師会などと連携して在宅医療体制を確保する」場合の評価を新設する

▽「外来→在宅」と移行する患者に円滑な医療提供が行われるよう、外来担当医と在宅担当医が共同して指導等を実施した場合の評価【外来在宅共同指導料】を新設する(外来・在宅双方の担当医が算定可能)

▽【在宅がん医療総合診療料】について、小児に対する総合的な医療提供を評価する【小児加算】を新たに設ける

▽【緊急往診加算】について、小児では「けいれん・呼吸不全等が予想される場合の往診」でも算定可能とする



なおGem Medでは改定セミナー動画も準備しております。是非、あわせてご活用ください。



【これまでの2022年度改定関連記事】
◆議論の整理(改定項目一覧)に関する記事はこちら
◆入院医療の全体に関する記事はこちら(入院医療分科会の最終とりまとめ)こちら(入院医療分科会の中間とりまとめを受けた中医協論議)こちら(入院医療分科会の中間とりまとめ)こちら(入院総論)
◆急性期入院医療に関する記事はこちら(新指標5ほか)こちら(看護必要度8)こちら(看護必要度7)こちら(看護必要度6)こちら(新指標4)こちら(新指標3、重症患者対応)こちら(看護必要度5)こちら(看護必要度4)こちら(看護必要度3)こちら(新入院指標2)こちら(看護必要度2)こちら(看護必要度1)こちら(新入院指標1)
◆DPCに関する記事はこちらこちらこちら
◆ICU等に関する記事はこちらこちらこちらこちらこちらこちら
◆地域包括ケア病棟に関する記事はこちらこちらこちらこちらこちら
◆回復期リハビリテーション病棟に関する記事はこちらこちらこちらこちらこちら
◆慢性期入院医療に関する記事はこちらこちらこちらこちらこちら
◆入退院支援の促進などに関する記事はこちらこちら
◆救急医療管理加算に関する記事はこちらこちらこちら
◆短期滞在手術等基本料に関する記事はこちらこちら
◆外来医療に関する記事はこちらこちらこちらこちらこちら
◆在宅医療・訪問看護に関する記事はこちら(訪問看護)こちら(小児在宅等)こちら(訪問看護)こちらこちら
◆オンライン診療に関する記事はこちら
◆新型コロナウイルス感染症を含めた感染症対策に関する記事はこちらこちら
◆医療従事者の働き方改革サポートに関する記事はこちらこちら
◆がん対策サポートに関する記事はこちらこちら
◆難病・アレルギー疾患対策サポートに関する記事はこちら
◆認知症を含めた精神医療に関する記事はこちらこちら
◆リハビリに関する記事はこちら
◆小児医療・周産期医療に関する記事はこちら
◆医療安全対策に関する記事はこちら
◆透析医療に関する記事はこちら
◆個別疾患管理等に関する記事はこちらこちら
◆新規医療技術に関する記事はこちら
◆データ提出等に関する記事はこちらこちら
◆調剤に関する記事はこちらこちらこちら
◆後発医薬品使用促進・薬剤使用適正化、不妊治療技術に関する記事はこちらこちらこちらこちら
◆医療経済実態調査(第23回調査)結果に関する記事はこちら
◆消費税対応の是非に関する記事はこちら
◆薬価・材料価格調査に関する記事はこちら
◆改定率に関する記事はこちら
◆基本方針策定論議に関する記事はこちら(医療部会5)こちら(医療保険部会5)こちら(医療保険部会4)こちら(医療部会4)こちら(医療部会3)こちら(医療保険部会3)こちら(医療部会2)こちら(医療保険部会2)こちら(医療部会1)こちら(医療保険部会1)
●薬価制度改革に関する記事はこちらこちらこちらこちらこちらこちらこちらこちら
●保険医療材料制度改革に関する記事はこちらこちらこちらこちらこちらこちらこちら
●費用対効果評価制度改革に関する記事はこちらこちらこちらこちらこちらこちらこちら
●公聴会に関する記事はこちら



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