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GemMed塾 看護モニタリング

地域包括ケア病棟で「機能に応じた厳しい減算」増設、特定機能病院の「回復期リハ病棟」を特別評価―中医協総会(3)

2022.1.27.(木)

お伝えしているとおり、1月26日の中央社会保険医療協議会・総会には、2022年度診療報酬改定に向けた「個別改定項目」(いわゆる短冊)が提示され、これに基づく議論が行われました。

本稿では、「回復期入院医療」(地域包括ケア病棟、回復期リハビリ病棟)や「慢性期入院医療」(療養病棟、障害者施設等)に焦点を合わせます(一般病棟用の重症度、医療・看護必要度見直しの記事はこちら、急性期入院医療・高度急性期入院医療に関する記事はこちら)。「外来医療」や「在宅医療」、「オンライン診療」などは、それぞれ別稿で報じます。

●短冊はこちら

地域包括ケア病棟、2022年度改定は「非常に厳しい」見直しが目白押し

まず「地域包括ケア病棟入院料、地域包括ケア入院医療管理料」について見てみましょう。次のような見直しが行われる見込みです、今後の詳細(基準値や減算割合など)にもよりますが「非常に厳しい内容」と言えます(関連記事はこちらこちらこちらこちら)。

(1)地域包括ケア1・2の在宅復帰率要件を、現在の「7割」から見直す

(2)地域包括ケア3・4に在宅復帰率要件を新設し、クリアできないで場合には入院料を減算する

(3)地域包括ケア2・4における「自院の一般病棟から転棟した患者割合」要件について、▼現在の「60%%未満」を見直す▼対象病棟を拡大する(許可病床400床未満病院の地域保活ケア2・4にも広げる)▼クリアできない場合の減算幅「マイナス10%」を見直す

(4)地域包括ケア1・3における「自宅等から入院した患者割合要件」や「在宅医療等実績要件」などを見直す

(5)地域包括ケア2・4において、新たに「自宅等から入院した患者割合」など選択要件を設け、クリアできない場合は入院料の減算を行う

(6)地域包括ケア1・2において許可病床数が一定以上の場合には【入退院支援加算1】の取得を義務化し、クリアできない場合には入院料の減算を行う

(7)「一般病床の地域包括ケア病棟等」について▼2次救急医療機関▼救急告示病院―のいずれかであること、また一定規模未満の場合には▼救急外来の保有▼24時間救急医療提供―のいずれかを要件化する

(8)急性期病棟からの患者受け入れを評価する【急性期患者支援病床初期加算】、増悪した在宅患者の受け入れを評価する【在宅患者支援病床初期加算】について、▼許可病床数▼転棟元が「特別の関係」(開設者・代表者が同一・親族関係にあるなど)にあるか否か▼老健施設の入所者か▼介護医療院や特別養護老人ホームの入所者などか―などで評価を区分けする

(9)「療養病床の地域包括ケア病棟等」では入院料を減算するが、▼自宅等からの入院患者受け入れ割合が一定以上▼自宅からの緊急入院患者の受け入れが一定数以上▼救急医療体制を整備―する場合には減算を行わない



支払側の松本真人委員(健康保険組合連合会理事)はこうした提案について「自院の一般病棟からの転棟患者などでは状態が安定し、医療資源投入量が低いことに着目した見直しであり、いずれも妥当である」と歓迎。これに対し診療側の城守国斗委員(日本医師会常任理事)は「地域包括ケア病棟創設の目的の1つに『急性期病棟(旧7対1)からの転換』があった。にもかかわらず要件等を過度に厳しくすれば、転換(=入院医療の機能分化)を阻害しかねない。中小規模病院の地域包括ケア病棟の運用等が阻害されないように配慮が必要である」と注文しています。上記見直しの多くには「経過措置」が設けられる見込みで、基準値等の数値設定とあわせた「配慮」がどう整えられるのか、2月上旬の答申に注目が集まります。

回復期リハ1-4の重症患者割合を厳格化、回復期リハ5は算定可能期間の制限を設ける

また回復期リハビリテーション病棟入院料についても、以下のような「大きな見直し」が行われます(関連記事はこちらこちらこちらこちら)。

(1)回復期リハ5を廃止し、現行の回復期リハ6を「回復期リハ5」に位置づける。新たな回復期リハ5には「算定可能期限」が設けられる

(2)回復期リハ1-4において「重症患者(日常生活機能評価10点以上またはFIM55点以下の患者)割合」を見直す

(3)回復期リハ1・3において、望ましい要件として「日本医療機能評価機構等による第三者評価を受けていること」を新たに盛り込む

(4)「回復期リハビリテーションを要する状態」について、「急性心筋梗塞、狭心症発作その他急性発症した心大血管疾患または手術後の状態」を追加する

(5)特定機能病院において、新たに【特定機能病院リハビリテーション病棟入院料】を新設する



このうち(1)は「10年以上も回復期リハ5・6にとどまる」、「つまり質の高いリハビリ提供tを詰めない」回復期リハビリ病棟が一定程度あることを踏まえたもの、(3)は「適正なFIM評価(とりわけ入棟時の評価)を担保するための体制を第三者が確認する」ことの重要性を踏まえた見直しです。

また(4)で心臓リハビリが必要な患者を「回復期リハビリが必要な状態」に明確に位置づけたことを踏まえ、心臓リハビリ提供体制が整っていると考えられる特定機能病院(多くは大学病院)における「回復期リハビリ病棟」を別の角度から評価するものと見ることができそうです。

特定機能病院では、医療法上「2対1」以上の看護配置が求められ、診療報酬上の基準に換算すると「10対1」以上の看護配置が必要となります。これに対し「15対1」以上看護配置で済む回復期リハビリ病棟の設置には「問題がある」との指摘が出ていましたが、今般、新たな点数を設定し「高機能、高水準のリハビリ」提供(心臓リハビリもその1つ)機能に期待を寄せることになりました。

施設基準を眺めると、▼心大血管疾患リハビリ料(I)、脳血管疾患等リハビリ料(I)、運動器リハビリ料(I)、呼吸器リハビリ料(I)を届け出る▼回復期リハビリが必要な患者への1日2単位以上のリハビリ提供▼病棟への専従常勤医師1名以上配置▼10対1以上看護配置(7割以上が看護師)▼30対1以上看護補助配置▼専従常勤の「PT3名以上」「OT2名以上」「ST1名以上」「管理栄養士1名以上」「在宅復帰を担当する社会福祉士1名以上」など配置▼休日を含めた週7日間リハビリ提供体制▼重症患者割合5割以上▼リハビリ実績指数40以上▼【早期離床・リハビリテーション加算】【早期栄養介入管理加算】届け出―などが目出ち、1つの特定機能病院で「1病棟のみ」届け出ることが可能です。稼働後の「リハビリ実績」検証結果等に注目が集まります。

なお、支払側の松本委員は「回復期リハビリ病棟全般においてリハビリ実績指数の厳格化」を検討することも提案していますが、診療側の城守委員は「短冊提案だけでも非常に大きな見直しであり、さらにリハビリ実績指数に手を入れることは到底賛同できない。現場を混乱させてはいけない」と強く反発しています。

療養病棟、摂食・嚥下機能体制ない場合「中心静脈栄養」は医療区分2点数に減額

一方、療養病棟については次のような見直しが行われます(関連る記事はこちらこちらこちらこちら)。

(1)経過措置病棟について、設置期間を2年延長する(2024年3月31日まで)が、点数を引き下げる(現在の「療養病棟2の85%」からさらに引き下げる)

(2)経過措置病棟において、疾患別リハビリ料を算定する患者に「月1回以上のFIM測定」を行わない場合には一定以上のリハビリは包括評価とする

(3)医療区分2で疾患別リハビリ料を算定する患者について、FIM評価を行わない場合には「医療区分1」の点数を算定することとする

(4)摂食機能または嚥下機能の回復に必要な体制を有していない場合には、「中心静脈栄養を実施している状態にある患者」について「医療区分3」でなく「医療区分2」の点数を算定することとする



(1)から(3)は、一部に「あたかもミニ回復期リハビリ病棟のごとくふるまっている経過措置の療養病棟」が存在することを踏まえたものです。経過措置病棟では入院基本料が低く設定されるため、それを「出来高算定可能なリハビリで埋める」という不適切な事態が生じており、この是正を目指すものです。

また(4)は従前から問題視されている「中心静脈カテーテルを極めて長期間留置している患者」などについて、早期離脱体制を敷き、実際に離脱に向けた取り組みの実施を促す狙いがあります。

関連して【摂食機能療法】の【摂食嚥下支援加算】について、▼名称と【摂食嚥下機能回復体制加算】の見直す▼接触・嚥下機能かかる療養の実績などに応じた3区分の点数設定を行う▼接触嚥下支援チームの人員配置を強化する▼加算3では療養病棟における中心静脈栄養からの離脱実績を要件とする―などの見直しが行われます。感染防止の観点からも「早期の中心静脈栄養離脱」に多くの療養病棟がこれまで以上に取り組むことに期待が集まります。

障害者施設等、「重度の意識障害を有さない脳卒中の患者」は療養病棟に準じた評価に

さらに障害者施設等入院基本料などでは、例えば次のような見直しが行われます(このほかに看護補助加算等の見直しも行われる)。いわゆる「適正化」一辺倒ではなく、各病棟等で期待される機能を十分に発揮してもらうことを厚労省が強く望んでいることが伺えます。

【障害者施設等入院基本料】
▽「重度の意識障害を有さない脳卒中の患者」について、入棟から90日までの間は「療養病棟入院料の評価体系を踏まえた評価」に見直す(検査等は包括評価となる)

▽【栄養サポートチーム加算】の算定を可能とする

【特殊疾患入院医療管理料】
▽「重度の意識障害を有さない脳卒中の患者」について、入棟から90日までの間は「療養病棟入院料の評価体系を踏まえた評価」に見直す(検査等は包括評価となる)

【緩和ケア病棟入院料】
▽点数の見直しを行う

▽がん疼痛薬物療法ガイドラインに沿った評価指標を用いて疼痛評価を行い、療養上必要な指導を行うことを評価する【緩和ケア疼痛評価加算】を新設する

【有床診療所】
▽【有床診療所入院基本料】【有床診療所療養病床入院基本料】において、▼急性期病棟からの転院患者受け入れを評価する【有床診療所急性期患者支援病床初期加算】▼自宅や介護施設の増悪患者受け入れを評価する【有床診療所在宅患者支援病床初期加算と】―を設ける(従前の【有床診療所一般病床初期加算】の組み換え)

▽【有床診療所療養病床入院基本料】において、慢性維持透析を行っている入院患者の受け入れを評価する【慢性期維持透析管理加算】を新設する



なおGem Medでは改定セミナー動画も準備しております。是非、あわせてご活用ください。



【これまでの2022年度改定関連記事】
◆議論の整理(改定項目一覧)に関する記事はこちら
◆入院医療の全体に関する記事はこちら(入院医療分科会の最終とりまとめ)こちら(入院医療分科会の中間とりまとめを受けた中医協論議)こちら(入院医療分科会の中間とりまとめ)こちら(入院総論)
◆急性期入院医療に関する記事はこちら(新指標5ほか)こちら(看護必要度8)こちら(看護必要度7)こちら(看護必要度6)こちら(新指標4)こちら(新指標3、重症患者対応)こちら(看護必要度5)こちら(看護必要度4)こちら(看護必要度3)こちら(新入院指標2)こちら(看護必要度2)こちら(看護必要度1)こちら(新入院指標1)
◆DPCに関する記事はこちらこちらこちら
◆ICU等に関する記事はこちらこちらこちらこちらこちらこちら
◆地域包括ケア病棟に関する記事はこちらこちらこちらこちら
◆回復期リハビリテーション病棟に関する記事はこちらこちらこちらこちら
◆慢性期入院医療に関する記事はこちらこちらこちらこちら
◆入退院支援の促進などに関する記事はこちらこちら
◆救急医療管理加算に関する記事はこちらこちらこちら
◆短期滞在手術等基本料に関する記事はこちらこちら
◆外来医療に関する記事はこちらこちらこちらこちら
◆在宅医療・訪問看護に関する記事はこちら(訪問看護)こちら(小児在宅等)こちら(訪問看護)こちらこちら
◆オンライン診療に関する記事はこちら
◆新型コロナウイルス感染症を含めた感染症対策に関する記事はこちらこちら
◆医療従事者の働き方改革サポートに関する記事はこちらこちら
◆がん対策サポートに関する記事はこちらこちら
◆難病・アレルギー疾患対策サポートに関する記事はこちら
◆認知症を含めた精神医療に関する記事はこちらこちら
◆リハビリに関する記事はこちら
◆小児医療・周産期医療に関する記事はこちら
◆医療安全対策に関する記事はこちら
◆透析医療に関する記事はこちら
◆個別疾患管理等に関する記事はこちらこちら
◆新規医療技術に関する記事はこちら
◆データ提出等に関する記事はこちらこちら
◆調剤に関する記事はこちらこちらこちら
◆後発医薬品使用促進・薬剤使用適正化、不妊治療技術に関する記事はこちらこちらこちらこちら
◆医療経済実態調査(第23回調査)結果に関する記事はこちら
◆消費税対応の是非に関する記事はこちら
◆薬価・材料価格調査に関する記事はこちら
◆改定率に関する記事はこちら
◆基本方針策定論議に関する記事はこちら(医療部会5)こちら(医療保険部会5)こちら(医療保険部会4)こちら(医療部会4)こちら(医療部会3)こちら(医療保険部会3)こちら(医療部会2)こちら(医療保険部会2)こちら(医療部会1)こちら(医療保険部会1)
●薬価制度改革に関する記事はこちらこちらこちらこちらこちらこちらこちらこちら
●保険医療材料制度改革に関する記事はこちらこちらこちらこちらこちらこちらこちら
●費用対効果評価制度改革に関する記事はこちらこちらこちらこちらこちらこちらこちら
●公聴会に関する記事はこちら



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