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【2022年度診療報酬改定答申4】質の高いリハ提供できない回復期リハに退場宣告、特定機能病院での良質なリハに注目

2022.2.9.(水)

2月9日の中央社会保険医療協議会・総会で、2022年度次期診療報酬改定の新点数・新施設基準などの大枠が示されました(急性期入院医療に関する記事はこちら、高度急性期入院医療に関する記事はこちら、地域包括ケア病棟に関する記事はこちら)。

●2022年度診療報酬関係の資料(告示内容等)はこちら(中医協資料)

本稿では「回復期リハビリテーション病棟」に焦点を合わせます。やはり「それぞれの病棟(入院料、特定入院料)で期待される機能」を十分に果たしていくことを強いメッセージとして打ち出しています。

回復期リハビリ病棟に求められる役割とは、すなわち「質の高いリハビリ提供」です。逆に言えば、「質の低いリハビリ」しか提供できない回復期リハビリ病棟には、厳しい対応が行われています。

リハビリ実績指数が要件化されている回復期リハ1・3、第三者評価受審が望ましい

回復期リハビリ病棟に関しては、大きく次の5項目の見直しが行われます。

(1)回復期リハ5を廃止し、現行の回復期リハ6を「回復期リハ5」に位置づける。新たな回復期リハ5は「届け出から2年間に限り算定が可能」との期限が設けられる

(2)回復期リハ1-4において「重症患者(日常生活機能評価10点以上またはFIM55点以下の患者)割合」を見直し、回復期リハ1・2では現在の「3割以上」から「4割以上」へ、回復期リハ3・4では同じく「2割以上」から「3割以上」へ厳格化する

(3)回復期リハ1・3において、望ましい要件として「日本医療機能評価機構等による第三者評価を受けていること」を新たに盛り込む

(4)「回復期リハビリテーションを要する状態」について、「急性心筋梗塞、狭心症発作その他急性発症した心大血管疾患または手術後の状態」を追加する

(5)特定機能病院において、新たに【特定機能病院リハビリテーション病棟入院料】を新設する

2年以内にリハビリの質を上げられない病棟は、回復期リハビリから退場を

このうち(1)は、言わば「入門編、修行編」である回復期リハ5・6(入門編、修行編の回復期リハ5・6で実績を積み、回復期リハ1-4に上がっていく)に10年、15年といった長期間とどまっている病棟が一部あることを踏まえたものです。こうした回復期リハビリ病棟は「質の高いリハビリを提供できていない」可能性が高く、2年間の間に「質の高いリハビリの実績を詰めない」場合には、回復期リハビリから退場しなければならないことになります。

回復期リハ5・6に10年、20年の長期間とどまっている病棟がある(入院医療分科会(7)4 211001)



また(3)は、従前より問題視されている「入棟時のADLを不適切に低く評価し、回復期リハ病棟に求められるリハビリ実績指数(退棟時ADLと入棟時ADLとの差がベースとなる)を不適切に高くしている可能性」の是正を目指すものです。

回復期リハビリ病棟において、入棟時のFIMが低下しており(上のグラフ)、また発症等から入棟までの日数は短縮傾向にあったが、2020年度に延伸している(下のグラフ)(入院医療分科会(2)1 210708)



全国リハビリテーション医療関連団体協議会の調査・分析によれば、「リハビリ実績指数のベースとなるFIM評価(ADL評価)が正しく行われる体制が整えられている」と第三者に評価されている回復期リハビリ病棟では、入棟時のADL評価について「診療報酬改定前後の低下率が低い」(不適切にADLを低く評価している可能性が低い)ことが分かっています。中医協・厚労省はこの分析結果を踏まえて「第三者評価の受審を望ましい要件に加える」こととしたものです。

今回改定を受けて「適切なADL評価が行われているか」の検証を行い、今後の対応をさらに検討していくことになるでしょう。

回復期リハ病棟1で、第三者評価の組み入れを提案(全国リハ医療関連団体協議会会見4 211028)

特定機能病院の回復期リハビリ病棟を特別評価、極めて質の高いリハ提供に期待

ところで回復期リハビリ病棟では、下表の「回復期リハビリが必要な状態の患者」が8割以上入棟していることが必要です。

回復期リハビリを要する状態と、要件ごとの算定上限日数(入院医療分科会(2)4 210708)



(4)では、ここに「急性心筋梗塞、狭心症発作その他急性発症した心大血管疾患または手術後の状態」(算定開始から起算して90日まで)を追加するものです。心臓リハビリが必要な患者を受け入れる人員体制・設備を持ち、受け入れる意欲のある病棟では、正面から「心臓リハビリが必要な患者」を受け入れることが可能になりますが、どこまで手を上げる施設があるのかは未知数です。

この点で注目されるのが「特定機能病院の回復期リハビリ病棟」です。主に大学病院ですから「心臓血管外科」領域に精通した医師が配置され、高いスキル・知識を持つリハビリスタッフが手厚く配置されていると期待されるためです。

2020年度の前回改定では「医療法で特定機能病院に求められる2対1看護配置を満たさない回復期リハビリ病棟を設置することは好ましくない」として、経過措置としてのみ設置が認められました。

しかし、心臓リハビリをはじめとする質の高いリハビリ提供施設として、新たな役割が期待され、(5)の【特定機能病院リハビリテーション病棟入院料】(1日につき2129点)が新設されました。

主な施設基準から、一般の回復期リハビリ病棟と異なる点を拾ってみると、次のような点が目立ちます。
▽心大血管疾患リハビリ料(I)、脳血管疾患等リハビリ料(I)、運動器リハビリ料(I)、呼吸器リハビリ料(I)を届け出ている
▽看護配置10対1以上(7割以上が看護師)
▽病棟に「専従の常勤の理学療法士」3名以上、「専従の常勤の作業療法士」2名以上、「専従の常勤の言語聴覚士」1名以上、「専従の常勤の管理栄養士」1名以上、「在宅復帰支援を担当する専従の常の社会福祉士等」1名以上配置
▽休日を含めた週7日間リハビリ体制
▽重症患者割合(新規入院時)が5割以上
▽リハビリ実績指数40以上
▽早期離床・リハビリテーション加算、早期栄養介入管理加算を取得
▽届け出は1病棟のみ

(4)の心臓リハビリとあわせ、(5)の特定機能病院の回復期リハビリ病棟がどのような機能を発揮していくのか、今後の動きに注目が集まります。



なおGem Medでは改定セミナー動画も準備しております。是非、あわせてご活用ください。



【これまでの2022年度改定関連記事】
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