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介護医療院、I・II型の併設可能だが、各々でサービス費の種類は揃えよ―介護報酬改定疑義解釈(2)

2018.4.4.(水)

 厚生労働省は3月28日に、2018年度介護報酬改定に関するQ&AのVol.2(疑義解釈その1)を公表しました(厚労省のサイトはこちら、vol.1の記事はこちら)。

 今回は、2018年度改定で新設された【介護医療院】について、詳しめにQ&Aを示しています。

介護療養等から介護医療院への転換、入所日は「転換前施設への入所」の日

 【介護医療院】は、▼医療▼介護▼住まい―の3つの機能を併せ持つ新たな介護保険施設で、設置根拠が消滅する「介護療養」や「医療法の看護配置を満たさない医療療養」(多くは25対1)からの転換選択肢として期待されるほか、一般病棟からの転換、全くの新設も可能です(関連記事はこちらこちら)。

 今般の疑義解釈では、まず「介護療養から介護医療院に転換する」場合、次のような取扱いとなることが明確にされました。

▽▼初期加算(入所から30日以内は、1日30単位を基本サービス費に上乗せ)▼短期集中リハビリテーション実施(入所者に医師や、医師の指示を受けたPT・OT・STが、入所から3か月以内の期間、集中的にリハビリを行った場合、1日240単位を取得)▼初期入所診療管理(入所に際し医師が必要な診察、検査等を行い、診療方針を定めて文書で説明を行った場合、入所中1回250点を取得)▼理学療法(理学療法を実施した場合、1回73単位を取得。入所から4か月超の期間においては、1か月当たり11回目以降のものは70%を取得)—などについて、「転換前の施設(介護療養や医療療養、転換型老健)への入所日」を起算日とする

▽月途中の転換の場合、「当該月の加算等の算定回数については入院中・入所中に実施された回数の合計数」を算定回数とする(例えば、入所から4か月超のある月に、転換前の介護療養で6回、転換後の介護医療院で6回の理学療法を実施した場合には、転換後の介護医療院で実施した最後の2回(11回目以降)の理学療法について、算定単位数は73単位×0.7となる)

▽介護療養などから転換した介護医療院において、個人から法人への開設者変更があった場合でも、転換後の介護医療院に係る「療養室の面積等の経過措置」は引き続き適用される(通常、1人当たり床面積は8平米であるが、転換の場合、新築・増築・全面的な改築の工事が終了するまでの間は6.4平米でよい)

転換の場合、新設の場合で、介護医療院に求められる「実績」の計算方法を整理

 また介護医療院の報酬は、大まかに見ると次のように設定されています。
●機能強化型介護療養並みの人員配置等が求められる【介護医療院I型】
▼機能強化A相当のサービス費I:803-1332単位
▼機能強化B相当のサービス費II:791-1312単位
▼機能強化B相当でやや介護配置が薄いサービス費III:775-1296単位
●転換型老健施設並みの人員配置等が求められる【介護医療院II型】
▼介護配置4対1のサービス費I:758-1221単位
▼介護配置5対1のサービス費II:742-1205単位
▼介護配置6対1のサービス費III:731-1194単位

このうち、例えば【介護医療院I型】のサービス費Ⅰを算定するためには、入所者等のうち▼重篤な身体疾患を有する者・身体合併症を有する認知症高齢者の割合が50%以上▼喀痰吸引、経管栄養またはインスリン注射が実施された者の割合が50%以上―などの重症者要件が設けられています。この点、今般の疑義解釈では「介護療養などから介護医療院に転換する場合、転換前の実績を適用できる」ことを明確にしています。したがって、介護療養の【療養機能強化型A】を取得していた場合には、これらの実績をそのまま引き継げることになります。

 また1施設の中で、上記の【介護医療院I型】と【介護医療院II型】を両方設置することが可能です(ただし、「同じフロアで両者を混在させる」ことは原則としてできない)。この点に関連して、今般の疑義解釈では、「I型とII型の両方を有する場合、それぞれの療養床ごとに該当する基本施設サービス費を算定する」「例えば、Ⅰ型の療養棟が複数ある場合、療養棟ごとに異なる基本施設サービス費を算定することはできない(ある療養棟ではサービス費Iを、別の療養棟ではサービス費IIIを算定する、ことなどは認められない)」ことを明らかにしています。I型・II型を両方設置できるが、I型・II型それぞれの中で、算定するサービス費の区分(重症者受入実績や介護配置等)は揃えなければいけない、というイメージです。逆に言えば、「一部の療養等に重症者を集中させ、そこでのみ高額のサービス費(例えばI型のサービス費I)を算定する」ことなどは認められません。

 
 ところで、介護医療院を新設する場合、実績(例えば、上記の重症者の受け入れ実績など)はどう考えればよいのでしょう。この点について、今般の疑義解釈では次のような考えを示しています(ユニット型でも同様)。
▽新規開設の介護医療院については、開設日が属する月を含む6か月間
→▼I型のサービス費(II)またはサービス費(III)▼II型の人員配置区分に適合したサービス費—を算定可能とする
→開設日が属する月を含む6か月間に満たない場合に「実績を算出するための期間」を満たし、例えば、I型のサービス費(I)の算定要件を満たす場合については、当該サービスの届け出が可能となるす(アップグレード可能)。

▽6か月間を超えて、引き続き▼I型のサービス費(II)または(III)▼II型の人員配置区分に適合したサービス費—算定する場合には、改めて体制を届け出なければならない

 このほか介護医療院について、次のような点も明らかにされています。

▽夜勤帯を交代制で導入している場合、「夜勤帯に勤務した延べ時間から夜勤帯の時間を割る」方法で要件に該当するか否かを判断する(夜勤を行う者の頭数で判断するのではない)

▽人員配置の算定上「介護職員」として届け出している看護職員についても、夜勤を行う看護職員の員数の算定においては、看護職員として算定できる

▽介護医療院の入所者が他医療機関に入院する際、「療養床を引き続き確保しておく」契約が施設・入所者間で成立していた場合、入所者に、その間の利用者負担を求めることが可能だが、当該期間中は補足給付(低所得者に対する食費・居住費軽減分が保険から施設に給付される仕組み)の適用とはならない

▽算定を開始する月の前月末の状況を届け出ることが困難である場合、算定開始月の「前々月末までの状況」に基づいて、前月に届け出を行う取扱いとしてもよい

老健の在宅復帰加算、算定指標となる「喀痰吸引実施者」などの考え方を整理

 なお、介護老人保健施設の【在宅復帰・在宅療養支援機能加算】では、「要介護4・5の割合」「喀痰吸引の実施割合」「経管栄養の実施割合」などをポイント化した「在宅復帰・在宅療養支援等指標」要件が盛り込まれています。軽症者のみを在宅復帰させて加算を算定するというクリームスキミングを防止し、重度者や医療の必要性が高い入所者についても、積極的な在宅復帰に向けた支援を促進することが狙いです。

 この点について、今般の疑義解釈では、▼喀痰吸引が実施された者は、介護医療院と同様に「過去1年間に喀痰吸引が実施されていた者(入所期間1年以上の入所者では、当該入所期間中(入所時を含む)に喀痰吸引が実施されていた者)で、口腔衛生管理加算または口腔衛生管理体制加算を算定されている者」とする▼経管栄養が実施された者は、介護医療院と同様に「過去1年間に経管栄養が実施されていた者(入所期間1年以上の入所者では当該入所期間中(入所時を含む)に経管栄養が実施されていた者)で、経口維持加算または栄養マネジメント加算を算定されている者」とする―ことを明確にしています。

したがって、例えば「喀痰吸引が実施された者」の割合は、【「現に喀痰吸引を実施している者」と「過去1年間に喀痰吸引が実施されていた者(入所期間1年以上である入所者では、当該入所期間中(入所時を含む)に喀痰吸引が実施されていた者)」であって、「口腔衛生管理加算または口腔衛生管理体制加算を算定されている者」の直近3か月間の延入所者数(入所延べ日数)】÷【当該施設の直近3か月間の延入所者数(入所延べ日数)】で計算することになります。

 

 

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