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カリキュラム制での新専門医研修、必要な単位数と経験症例を基本領域学会で設定―日本専門医機構

2019.1.22.(火)

 今年度(2018年度)から全面スタートした新専門医研修は、「プログラム制」が原則となっていますが、専攻医の状況を踏まえて「カリキュラム制」(単位制)での研修も可能とされています。

 ここで言う「プログラム制」とは、「年次ごとに定められた研修プログラムに則って研修を行う仕組み」で、基幹施設と連携施設で研修施設群を作り循環型の研修が行われます。プログラム制を原則としている理由について、日本専門医機構では、これまでに「初めての基本領域の研修では、集中的に必要な標準治療を学ぶ必要がある」と説明。「国民に分かりやすく、質の高い専門医を養成する」という新専門医制度の基本理念に則ったものと言えるでしょう(関連記事はこちら)。

ただし、医師免許取得後に定められた医療機関での勤務が求められる自治医大出身の医師や、出産・育児・介護などで一時休職しなければならない医師では、このプログラム制に沿った研修が困難となります。厚生労働省の「今後の医師養成の在り方と地域医療に関する検討会」では、こうした医師でも新専門医資格を取得できるよう、「カリキュラム制」(単位制)による研修も可能とすることを強く要望していました(関連記事はこちら)(後に「医道審議会・医師分科会・医師専門研修部会」でも要望、関連記事はこちら)。ここで言う「カリキュラム制」(単位制)とは、期限の定めを設けずに研修を受け、基準を充足した時点で専門医資格取得を可能とする仕組みのことです。

日本専門医機構では、この要望等を踏まえ「カリキュラム制」(単位制)による研修も可能であることを、新専門医制度の根幹規定である「新整備指針」に明記(関連記事はこちらこちら)。ただし、カリキュラム制(単位制)研修の仕組みが明確でなかったため、1月18日の理事会で「考え方」を決定。この「考え方」に沿って、各基本領域学会で「カリキュラム制(単位制)の詳細を定める」ことになりました。

1月21日に記者会見を行った日本専門医機構の寺本民生理事長は、「カリキュラム制(単位制)の考え方」について、次のように説明しました。

1月21日の定例記者会見に臨んだ、日本専門医機構の寺本民生理事長(帝京大学・臨床研究センター長)

1月21日の定例記者会見に臨んだ、日本専門医機構の寺本民生理事長(帝京大学・臨床研究センター長)

 
【カリキュラム制(単位制)の概要】
(1)基本領域学会が専門医資格取得に必要な「単位数」「経験すべき症例」を決める
(2)専攻医は「必要な単位」を、期間を定めず取得できる
(3)専攻医が「必要な単位」を取得し、症例を経験をした時点で当該基本領域学会と日本専門医機構が、「研修修了」の旨と「新専門医の受験資格」を認定する
(4)(3)の認定を受けた専攻医はプログラム制の専攻医と同様に、新専門医の筆記・面積試験を受験する

 このうち(1)の「単位」については、「フルタイムで換算した1か月間の医療機関勤務」を「1単位」とカウントすることが決まりました。「3年間」の研修プログラムを設定している基本領域では(3年間が最も多い)、カリキュラム制(単位制)を選択した場合、「36単位以上」(フルタイムで換算して36か月(=3年間)以上)の医療機関勤務が必要となります。育児等でフルタイムでの勤務が難しい場合、例えば「半日勤務」が続く場合には、フルタイムに換算した場合には「2か月」間の医療機関勤務が「1単位」となります。このため、カリキュラム制(単位制)での研修は比較的長期間になると想定されます。この点、「カリキュラム制(単位制)では研修の期限を定めない」こととなっているものの、日本専門医機構では「10年、20年といった長期間の研修は好ましくない(医療技術、標準治療のあり方が大きく変化してしまう)。常識的な範囲(5年、6年程度)で研修を終えてもらうことが必要」との考えも示しています。

 また(1)の「経験すべき症例」の詳細なども、各基本領域学会で定めることになります。

 
【カリキュラム制(単位制)の対象】
▽義務年限を有する医科大卒業生(自治医科大学卒業生など)
▽地域枠等の出身医師(やはり地域の医療機関での勤務が求められる)
▽出産・育児・介護等で休職離職する医師
▽ダブルボード(2つ目以上の新専門医資格を取得する)を希望する医師(すでに1つ目の新専門医資格取得において原則プログラム制での研修を受けている)
▽留学を希望する医師
▽その他、相当の合理的理由あると認められる場合(例えば、パワーハラスメントなどの被害を受けているなど、日本専門医機構と各基本領域学会に相談することになる)

 地域枠出身者や、既に妊娠し出産予定のある医師などは、「初めからカリキュラム制(単位制)を選択する」ことになりますが、研修の途中でカリキュラム制(単位制)へ移行することも可能です。前者については専攻医の登録システムの中で把握可能ですが、後者は現行システムでの把握が困難であり、現時点で「カリキュラム制(単位制)の希望者」がどの程度になるかは未知数です。今後、システム改修なども検討される見込みです。

 
寺本理事長は、カリキュラム制(単位制)の概要等について、「新整備指針」の改訂も視野に、関連規定に組み込むことも考えています。

なお、すでにカリキュラム制(単位制)での研修を受けている専攻医についても、可能な限り「考え方」に沿った研修を受けることが求められます。

 
 

 

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