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介護事業所等の提出書類を共通化・簡素化し、曖昧な規定も明確化―厚労省・介護文書軽減専門委

2019.8.8.(木)

 介護現場の負担軽減に向け、厚生労働省は社会保障審議会・介護保険部会の下に「介護分野の文書に係る負担軽減に関する専門委員会」(以下、専門委員会)を設置。8月7日に初会合が開かれました。

 届出文書について共通化・簡素化を進めるとともに、介護保険制度における曖昧な部分(解釈の余地が広い部分)について「明確化」を検討していきます。

解釈の余地が広く、自治体が「念のためこの書類も要求しよう」と考えるケースも

 介護保険部会では現在、2021年度からの第8期介護保険事業(支援)計画策定(市町村が事業計画を、都道府県が支援計画を策定する)に向けて、介護保険制度の見直し論議を進めています。

 これまでに、制度横断的事項として(1)介護予防・健康づくりの推進(健康寿命の延伸)(2)保険者機能の強化(地域保険としての地域の繋がり機能・マネジメント機能の強化)(3)地域包括ケアシステムの推進(多様なニーズに対応した介護の提供・整備)(4)認知症「共生」・「予防」の推進(5)持続可能な制度の再構築・介護現場の革新―の5項目を議論(いわゆる第1ラウンド)。秋(2019年秋)から個別サービス見直しに向けた具体的な議論を進め、年内(2019年内)に意見取りまとめを行う見込みです(関連記事はこちらこちらこちらこちらこちら)。

こうした制度横断的事項を議論する中で、介護保険部会委員からは「介護現場では文書作成等の負担が大きい。様式が自治体ごとに異なり、極論すれば全市町村分の書類を準備しなければならず、大きな負担になっている」などの指摘が相次ぎ、厚労省は下部組織として専門委員会を設置しました(関連記事はこちらこちら)。

厚労省老健局総務課の黒田秀郎課長は、「介護保険制度の中で必ずしも明確でない部分があり、それがために自治体側が『念のためにこの点も報告してもらおう』と考えている面もあるようだ。制度の明確化を図り、ステップを踏みながら標準化に向けた合意を得ていきたい」との考えも述べています。なお報酬請求についての明確化は、別途、社会保障審議会・介護給付費分科会で検討することになります。

 
厚労省ではすでに「介護分野における文書量の半減」に取り組んでいます(2020年代初頭目標)。また今年(2019年)5月には「介護保険施設等に対する実地指導の標準化・効率化等の運用指針」を定め、例えば、実地指導においては、原則として▼「標準確認項目」以外の項目の確認は行わない▼「標準確認文書」以外の文書提出は求めない▼事業所の指定有効期間内に1回(6年間に1回)のみの実施を基本とし、過去に「問題なし」と認められた事業所は集団指導のみとすることも可能とする―などの効率化を図っています。
介護文書負担軽減専門委1 190807
 
 
専門委員会では、次のような文書について「さらなる共通化・簡素化」を探るとともに、より広範に「解釈の統一」などを進めることになります。

▼指定申請関連文書(人員・設備基準に該当することを確認する文書等)
▼報酬請求関連文書(加算取得の要件に該当することを確認する文書等)
▼指導監査関連文書(指導監査にあたり提出を求められる文書等)

 例えば、介護福祉士の配置割合が高い訪問入浴介護事業所や通所介護事業所などを評価する【サービス提供体制強化加算】の届け出書類を見ると、▼介護給付費算定に係る体制等状況一覧表▼介護給付費算定に係る体制等に関する届出書▼サービス提供体制強化加算に関する届出書▼有資格者の割合の算出に係る書類▼従業者の勤務の体制および勤務形態一覧表▼研修計画に関わる書類▼会議の開催に関わる書類▼健康診断の実施に関わる書類▼その他―があり、保険者(市町村)によって「どの書類を提出すべきか」がまちまちです。

 また、「有資格者の割合の算出に係る書類」については、▼職員の資格一覧表の提出のみを求める▼常勤換算数の記載も求める(有資格者割合については数式で自動入力される)▼常勤換算数の記載も求める(算出を数式で補助し、有資格者割合についても数式で自動入力される)▼常勤換算数の記載も求める(計算方法のみ示し、エクセルの数式等での補助はしていない)―とさまざまなパターンがあります。
介護文書負担軽減専門委2 190807
 
 こうした「保険者(市町村)によるバラつき」について、「共通化を進められないか」(進められない場合、その課題はどこにあるのか)、「簡素化できないか」などを検討していくことになります。

 
 一方、スタッフへの研修などを行う訪問介護事業所を評価する【特定事業所加算】を取得するためには、「従業者の勤務の体制および勤務形態」の一覧表を提出することが求められます。しかし、そもそも介護保険の指定を受ける際に事業所が申請する際にも「従業者の勤務の体制および勤務形態」の一覧表の提出が求められており、両者はよく似ています。
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この点、加算取得における書類提出を廃止できないかなどを検討していくことになります。

 
 
今後、専門委員会では、事業者団体からのヒアリングなども行った上で議論を行い、年内(2019年内)に一定の結論を出します(中間とりまとめ)。中間とりまとめは介護保険部会に報告され、必要に応じて制度改正にもつなげられます。

 
 

 

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