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ポリファーマシー対策、まず「期限切れ処方薬」服用防止に向け、薬剤への期限刻印など考えては―日病協

2019.7.1.(月)

 ポリファーマシー対策の重要性に鑑み、まず「期限切れの処方医薬品」服用を防止するために、薬剤に期限などの刻印を行うことを検討してはどうか。また「既存の医療技術を再評価」するため、国などに新たな組織を設けてはどうか―。

 日本精神科病院協会や日本病院会、全日本病院協会など15の病院団体で構成される「日本病院団体協議会」は、6月28日に代表者会議を開き、こういった議論を行いました。

ただし、既存技術は数だけみても膨大であり、人材の確保・財源の確保など検討すべき課題も少なくありません。

6月28日の日本病院団体協議会・代表者会議後に記者会見に臨んだ、長瀬輝諠議長(日本精神科病院協会副会長、向かって右)と相澤孝夫副議長(日本病院会会長、向かって左)

6月28日の日本病院団体協議会・代表者会議後に記者会見に臨んだ、長瀬輝諠議長(日本精神科病院協会副会長、向かって右)と相澤孝夫副議長(日本病院会会長、向かって左)

 

フォーミュラリの活用、病院団体は「診療報酬での評価に馴染まない」点を確認

 2020年度の次期診療報酬改定に向けて、中央社会保険医療協議会・総会では、「年代別・世代別」「最近の医療と関連の深いテーマ」というこれまでにない切り口で総論論議を進めています。

6月12日には「科学的な根拠に基づく医療技術の評価の在り方」などを、6月26日には「医薬品・医療機器等の効率的かつ有効・安全な利用」などをテーマに議論。

後者の医薬品について中医協では「ポリファーマシー対策」や「フォーミュラリの活用」などが重要検討テーマにあがっています(関連記事はこちらこちら)。

ポリファーマシーとは、「多剤投与の中でも害を伴うもの」と定義されます。高齢になれば、どうしても複数の傷病を抱え、各傷病治療のために「多剤投与」が行われがちです。他方、高齢になると、▼細胞内水分の減少▼血清アルブミンの低下▼肝血流や肝細胞機能の低下▼腎血流の低下―といった生理機能の低下が生じますが、薬物吸収能には大きな変化がないことから「医薬品が効き過ぎる」、つまりポリファーマシーが生じやすくなり、その対策が極めて重要になってくるのです。

この点について日病協代表者会議では、「高齢者では重複投薬が行われがちで、患者の手元に相当程度の残薬が生じ、期限切れとなることもある。こうした期限切れの薬剤服用(例えば、以前に調剤された薬剤を、「同じような症状だ」と患者が自分勝手に判断し、服用してしまうケースは少なくない)はポリファーマシーの大きな原因となる。そこで、期限切れであることが容易に判断できるよう、刻印(期限など)を行ってはどうか」といった旨の提案がなされていることが、代表者会議後の記者会見で長瀬輝諠議長(日本精神科病院協会副会長)から報告されました。少なくとも「期限切れ」の医薬品服用が一定程度防止できると期待されます。もっとも、「重複投薬」が行われないよう、かかりつけ医やかかりつけ薬局・薬剤師による「医薬品の一元的管理」を充実していくことが最も重要です。この点、患者の受診状況や処方薬剤状況などをリアルタイムで把握できるようなシステムの構築・運用も重要な検討テーマとなってきます。

 またフォーミュラリとは、医療機関等において作成した「医学的妥当性や経済性などを踏まえた医薬品使用方針」(「●●疾患には原則としてA医薬品(特定の銘柄や成分)を使用する」といったリスト)です。

安全性・有効性の確保に向けて、フォーミュラリに沿った医薬品使用が重視されてきていますが(さらに医療機関等の経営という「経済性」確保でも重要な視点となる)、中医協では診療側・支払側双方から「診療報酬点数での評価には馴染まないのではないか」との意見が出ています。6月28日の日病協代表者会議でも、中医協委員である猪口雄二・全日本病院協会会長らから同様の見解が示され、これに反対する意見は出ていないようです。

 
 
一方、前者の医療技術に関しては、厚生労働省保険局医療課の古元重和企画官から、例えば▼新技術の有効性・安全性が既存技術と同等であった場合には、既存技術と同等の評価を行う▼既存技術について「有効性・安全性に関する新しいエビデンス」を構築し、再評価を行うために、「レジストリ」への登録を算定要件や施設基準などに盛り込む、また「中立的な立場から行われた専門家の評価を活用する―などの論点が示されています(関連記事はこちら)。

この点、「既存技術の評価」に関して、日病協の代表者会議では、「膨大な技術を現在の組織(例えば医療技術評価分科会)で再評価することは困難なため、新たな組織の設置を求めてはどうか」との意見が出ています。中立的かつ専門的な知見を持つ有識者の参集を募り、最新データをもとに「既存技術の評価(点数や算定要件など)の妥当性」を1つ1つ検証していくイメージです。

非常に魅力的な提案ですが、全日病の猪口会長からは「人的・財源的な課題がある」との現実的な意見も出ているようです。たしかに、膨大な技術を評価・検証するには、広範な分野の専門家に数多く参集してもらうことが必要となります。日病協では「直ちに新組織の設置を求める」のではなく、将来の課題として慎重かつ積極的に検討を進める構えです。

 

 

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