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診療報酬改定セミナー2022 診療報酬改定セミナー2022

「後発品割合80%以上」クリア自治体は増加せず、全体での後発品割合も前月より悪化―協会けんぽ

2021.10.22.(金)

協会けんぽにおけるジェネリック医薬品(後発品)の使用割合は、調剤・医科・DPC・歯科分の合計で今年(2021年)6月末には80.5%となり、前月からの低下してしまった。また、都道府県別に見ると「17都府県」において80%以上の新目標値が未達成で、「80%以上をクリア自治体」がなかなか増えていかない―。

協会けんぽを運営する全国健康保険協会が10月18日に公表した医薬品使用状況から、こういった状況が明らかになりました(協会のサイトはこちら)。後発品メーカーの不祥事による「後発品への信頼低下」によるブレーキがかかっている可能性が高く、今後の状況を注視していく必要があります。なお、後発品の欠品に対応するための診療報酬臨時特例が認められています。

協会けんぽ全体の後発品割合(調剤分)、今年(2021年)6月には83.2%と前月からダウン

たとえば医療技術の高度化(例えば脊髄性筋萎縮症の治療薬「ゾルゲンスマ点滴静注」(1億6707万円)白血病等治療薬「キムリア」(3350万円)などの超高額薬剤の保険適用が相次ぎ、さらにキムリアに類似した、やはり超高額な血液がん治療薬も次々に登場)、少子高齢化の進展(来年度(2022年度)から、いわゆる団塊世代が75歳以上の後期高齢者となりはじめ、2025年度には全員が後期高齢者となる。2025年度から2040年度にかけては、高齢者の増加ペース自体は鈍化するものの、現役世代人口が急速に減少する)により、我が国の医療保険財政は厳しさを増していきます。このため「医療費の伸びを、我々国民が負担できる水準に抑える」(医療費適正化)方策が欠かせません。

政府は、▼平均在院日数の短縮による入院医療費の適正化(入院基本料や特定入院料、DPCの包括点数は「1日当たり」の支払い方式であり、在院日数の短縮が入院医療費の縮減に効果的である)▼後発医薬品(ジェネリック医薬品、後発品)の使用促進による薬剤費の圧縮▼病院の機能分化推進と連携の強化▼地域差(ベッド数、外来受療率、平均在院日数など)の是正▼保健事業の充実による健康寿命の延伸―など、さまざまな角度から医療費適正化に向けて取り組んでいます。



主に中小企業の会社員とその家族が加入する「協会けんぽ」(運営者:全国健康保険協会)でも、積極的に後発品使用促進に取り組んでいます。たとえば医療機関を受診し、医薬品を処方された加入者個々人に宛てて「貴方の医薬品を先発品から後発品に切り替えれば、自己負担額が○○円軽減されます」といった通知を発出したり、毎月の後発品使用割合の公表などを行っています(前月の記事はこちら)。

10月18日に公表された今年(2021年)6月末時点の後発品使用割合を見ると、調剤ベースでは83.2%で、前月から0.2ポイントとわずかですが「減少」してしまいました。後発品メーカーの不祥事、それに伴う後発品の欠品などにより「後発品使用推進にブレーキがかかった」可能性が考えられます。今後の動きを注視する必要があります。

調剤分に「医科・DPC・歯科」分を加えた保険診療全体の後発品割合は、▼2020年1月:78.6%▼2月:78.7%▼3月:78.7%▼4月:79.0%▼5月:78.7%▼6月:78.9%▼7月:78.5%▼8月:78.9%▼9月:79.2%▼10月:79.6%▼11月:80.0%▼12月:80.2%▼今年(2021年)1月:80.3%▼2月:80.4%▼3月:80.4%▼4月:80.6%▼5月:80.6%▼6月:80.5%―となりました。こちらも「ブレーキ」がかかっていると考えられます。

後発品割合80%をクリアできていないのは、東京都や大阪府など17都府県と変わらず

また都道府県別の後発品割合を見ると、依然としてバラつきがあります。「調剤・医科・DPC・歯科」分の後発品割合が最も高いのは沖縄県の89.4%(前月から増減なし)、逆に最も低いのは徳島県で73.7%(同0.2ポイント低下)となっています。

徳島県を含めて、「調剤・医科・DPC・歯科」分で後発品割合80%以上をクリアできていないのは、▼奈良県:75.7%(前月から0.3ポイント上昇)▼高知県:76.4%(同0.2ポイント上昇)▼和歌山県:76.4%(同増減なし)▼京都府:77.0%(同0.1ポイント低下)▼香川県:77.2%(同0.1ポイント低下)▼愛媛県:77.4%(同増減なし)▼大阪府:77.6%(同0.1ポイント低下)▼広島県:78.9%(同増減なし)▼岐阜県:79.1%(同0.1ポイント低下)▼三重県:79.1%(同増減なし)▼岡山県:79.1%(同0.2ポイント低下)▼東京都:79.4%(同0.1ポイント低下)▼愛知県:79.5%(同増減なし)▼福井県:79.6%(同0.3ポイント低下)▼兵庫県:79.7%(同0.2ポイント低下)▼茨城県:79.9%(同増減なし)―の17都府県です。自治体数は変わっておらず、なかなか「80%ラインをクリアできる」都府県が増えていきません。

後発品割合80%以上がクリアできていないのは、東京都や大阪府など17都府県と減少せず(協会けんぽの後発品割合(2021年6月)2 211018)



6月18日に閣議決定された骨太方針2021(経済財政運営と改革の基本方針2021)では、「後発医薬品の数量シェアを、2023年度末までに全ての都道府県で80%以上とする」との目標を確認していますが、今の「踊り場状態」が長引けば、新目標値達成にも黄信号がともりかねません。後発品使用促進を強力に支援していくことが重要です。



なお、先に触れたように一部の後発品メーカーの不祥事により「後発品への信頼低下→後発品割合の上昇阻害」が懸念されています。この懸念が現実化している可能性も高く、今後の状況を注視していく必要があります。厚生労働省医政局の経済課長も、事態を重くみて公開の審議会(中央社会保険医療協議会総会)で「後発品の信頼回復に向けて、業界の再編を検討する必要性もある」と異例の踏み込んだ発言も行っています。今後の動向を注視していく必要があります。



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