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GemMed塾 外来機能報告支援サービス

公立病院は2022・23年度中に「経営強化プラン」策定し、地域医療提供体制全体の強靭化図れ―総務省

2022.3.30.(水)

総務省が3月29日に「持続可能な地域医療提供体制を確保するための公立病院経営強化ガイドライン」(本稿では「新ガイドライン」とする)を公表しました(総務省のサイトはこちら(ガイドライン本文)こちら(概要版))。新ガイドラインは、従前の「赤字解消」を目指す、いわば消極的なガイドラインと異なり、公立病院において「経営力の強化」「機能強化」を目指す積極的なものとなっています。

各公立病院では新ガイドラインを踏まえて2022年度・23年度中に「経営強化プラン」(=改革プラン)を策定することが求められます。なお、すでに「自主的に改革プランを策定している病院」などでも、新ガイドラインで要請されている部分に比べて「不足」があれば、その分を追加策定する必要があります。

また、すでに「従前の改革プランに基づいて再編やネットワーク化、経営形態見直しに取り組んでいる病院」でも、現在の取り組み状況や成果を検証し、さらなる経営力強化のために新ガイドラインに沿った経営強化プランを策定することが求められます。

なお、後述するようにGem Medを運営するグローバルヘルスコンサルティング・ジャパンでは公立病院の経営強化プラン作成を支援するサービスを行っています。是非、ご活用ください。

新たな公立病院経営強化ガイドラインの概要

新たな公立病院改革プランは「経営強化」「機能強化」を目指す積極的なもの

公立病院については「経営状況が厳しい」「医療従事者の確保が難しい」などの大きな課題があり、総務省の示す「公立病院改革ガイドライン」に沿って、各病院で改革プラン(公立病院改革プラン)を策定・実行することが求められています。ガイドラインは定期的な見直し(当然、各病院の作成する改革プランも定期的な見直しが必要)が行われています。新型コロナウイルス感染症の蔓延により新たなガイドライン策定が遅れていましたが、今般、新ガイドラインが示されました(関連記事はこちら)。

新ガイドラインの最大のポイントは、従前のガイドラインが「赤字解消」を主目的とするいわば消極的な内容であったのに対し、「経営力強化」「機能強化」を目指す積極的な内容である点です(関連記事はこちら)。新型コロナウイルス感染症対策において公立病院が果たした役割からも、この点の重要性が伺えます。

新ガイドラインでは、公立病院が直面する諸課題のほとんどは「医師・看護師等の不足・偏 在や人口減少・少子高齢化に伴う医療需要の変化に起因する」とし、「医療従事者の確保」「限られた医療資源の効率的活用」が経営強化プランの中で非常に重要になると強調。

あわせて経営強化プラン策定に当たっては、国や都道府県における▼地域医療構想の実現▼地域包括ケアシステムの構築▼医師をはじめとする医療従事者の働き方改革推進▼医師の偏在解消―などの動向を十分に踏まえて進めなければならないことも指摘しています。

経営強化プランには、次のような内容を盛り込むことが求められます。

(1)役割・機能の最適化と連携の強化
(2)医師・看護師等の確保と働き方改革
(3)経営形態の見直し
(4)新興感染症の感染拡大時等に備えた平時からの取組
(5)施設・設備の最適化
(6)経営の効率化等



まず(1)の機能最適化・連携の強化では、▼地域医療構想やコロナ感染症対応経験などを踏まえ、当該病院が地域でどのような機能・役割を果たすか(加えて病床数や病床数の機能も)▼地域包括ケアシステム構築に向けて、当該病院がどのような役割を果たすか▼機能分化・連携の強化をどのように進めるか▼医療機能(救急患者の受け入れ、手術、訪問診療・訪問看護、リハビリ、分娩など)や医療の質(患者満足度、クリニカルパス使用率、在宅復帰率など)、連携の強化(医師派遣、紹介・逆紹介など)、その他(臨床研修医の受け入れなど)に係る数値目標を設定する▼一般会計からの繰り入れをどの程度とするのか▼機能転換などを行う場合に住民の理解をどう得るのか―などを詳細に記すことが求められます。

このうち「機能分化・連携の強化」に関しては、とりわけ▼新設・建替等予定の病院▼病床利用率が特に低水準(2021年度まで過去3年間連続で70%未満)な病院▼経営強化プラン対象期間中に経常黒字化する数値目標の設定が著しく困難な病院▼地域医療構想やコロナ対応を踏まえ「病院間の役割分担と連携強化を検討する」ことが必要な病院▼医師・看護師等の不足により、必要な医療機能を維持していくことが困難な病院―において十分な検討を行うことが求められます。



また(2)の医療従事者確保に関しては、都道府県の医師確保計画などを踏まえて、▼地域医療支援センターや地域医療介護総合確保基金等を通じた取り組み▼医師・看護師等の派遣や派遣受け入れ▼職員採用の柔軟化▼勤務環境の整備など―の取り組みを充実強化するとともに、その内容を経営強化プランに記載することが求められます。具体的には「地域全体での医療提供体制強化」を目指す取り組み内容の記載が必要となります(1病院だけの機能強化では足りない)。

【基幹病院】
▽「今回拡充する地方財政措置も活用し、医師・看護師等を適切に確保する」→「医師等が不足する中小病院等に積極的に医師・看護師等を派遣する」ことで、地域全体で協力・連携して医療提供体制を確保していくための取り組み
▽同じ定住自立圏や連携中枢都市圏の中に中小規模病院が所在する場合には、当該中小規模の病院と積極的に協力・連携して、圏域全体の医療提供体制を確保していくための取り組み

【不採算地区病院をはじめとする中小規模の病院】
▽自ら医師・看護師等を確保するための最大限の努力を行う
▽単独での医師等確保が困難で、医師等の派遣が必要な場合には、「役割・機能の明確化・最適化と派遣元病院との連携強化」を図るとともに、派遣された医師・看護師等の受け入れ環境の整備に関する取り組みを行う

さらに「臨床研修医等の若手医師確保を促進するための取り組み」強化(学会・大学への訪問、指導医の確保、研修プログラムの充実、ICT環境整備など)や「医師働き改革への対応」強化(適切な労務管理の徹底、タスク・シフティングの推進、ICTの活用、地域医師会・クリニックとの連携(夜勤と地域医師で輪番担当してもらうなど))についても経営強化プランに盛り込むことが必要です。



(3)の経営形態見直しを行う場合には、▼地方独立行政法人化(予算・財務・契約、職員定数・人事・給与などの面でより自律的・弾力的な経営が可能となるが、自治体からの職員派遣などを段階縮減していく必要もある)▼地方公営企業法の全部適用(事業管理者に人事・予算等権限が付与されより自律的な経営が可能となるが、地方独法化に比べて自由度等は限定的である)▼指定管理者制度の導入(民間的な経営手法の導入が期待される)▼事業形態の見直し(民間への譲渡、介護施設への転換など)―の各選択肢についてメリット・デメリットを十分に考慮し、「いずれを選択するのか」「いつまでの実施するのか」などを記載することが求められます。



また(4)では、今後も定期的に生じるであろう「新興感染症」に備え、当該公立病院がどういった役割を果たすのか、そのために必要な設備整備をどのように計画的に進めるのかを経営強化プランに記載することが求められます。この事項に限りませんが「1院で決定できる事項」ではなく、「地域の他の医療機関と協議したうえで、各病院の役割・機能を定めるべき事項である」ことは述べるまでもないでしょう。



一方、(5)は(1)で定めた病院の機能・役割を果たすために、施設・設備をどう最適化していくかを明確にするものです。機能転換が必要になれば、相応の「改修や設備入れ替え」が必要になり、「費用はどの程度か」「どの程度の期間で償還可能か」「費用どう抑えていくか」などについても明確化することが求められます。

さらに(6)は、次のような経営指標について数値目標を設定し、効率的な経営に進むことを目指すものです。あわせて「黒字化目標」と「黒字化への道筋」(必要な体制整備、マネジメント・事務局体制の強化、外部アドバイザーの活用)などの明確化も求められます。

収支改善に係るもの:経常収支比率、医業収支比率、修正医業収支比率、不良債務比率、資金不足比率、累積欠損金比率など
収入確保に係るもの:1日当たり入院・外来患者数、入院・外来患者1人1日当たり診療収入、医師(看護師)1人当たり入院・外来診療収入、病床利用率、平均在院日数、DPC機能評価係数など診療報酬に関する指標など
経費削減に係るもの:材料費・薬品費・委託費・職員給与費・減価償却費などの対修正医業収益比率、医薬材料費の一括購入による○%削減、100床当たり職員数、後発医薬品使用割合など
経営の安定性に係るもの:医師・看護師・その他医療従事者数、純資産の額、現金保有残高、企業債残高など

経営強化プランは2022年度・23年度中に策定、すでにプラン策定済の病院も点検を

こうした内容を盛り込んだ「2027年まで」を対象とする経営強化プランを、来年度(2022年度)・再来年度(2023年度)に策定することが必要です。

その際、すでに「自主的に改革プランを策定している病院」などでも、「不足」分を補う追加計画を策定する必要があり、また、すでに「従前の改革プランに基づいて再編やネットワーク化、経営形態見直しに取り組んでいる病院」でも、現在の取り組み状況や成果を検証し、さらなる経営力強化のために新ガイドラインに沿った経営強化プランを策定することが求められます。

したがって、すべての公立病院において現時点の状況を洗い直し「新ガイドラインで求められている事項」に不足などがないかを確認することが求められると言えます。経営強化プランの策定は「総務省に命じられて、しぶしぶ作成する」ものではなく、「誰に言われなくても、地域医療提供体制、自院を強化するために積極的に作成し、バージョンアップしていく」ものであるとの意識改革も重要です。



また、上述したとおり、1つ1つの公立病院の「経営強化」「機能強化」にとどまらず、「地域において医療提供体制を強化し、強靭なものにしていく」という視点が極めて重要です。従前の「赤字解消」を目的としたプラン作成とは、この点でも大きく異なっています。

例えば感染症対策を進めるうえで、例えば医療機能の見直しを進めるうえで、「他院との連携」がどれほど重要になるかは、今般のコロナ感染症対応の中で強く認識されたことでしょう。例えば、A県立病院が「高度急性期機能を強化」したとして、回復患者を受け入れてくれる回復期・慢性期の病院、さらには介護保険施設や、在宅医療を提供するクリニックなどとの連携が十分になされなければ、「回復患者を退院させられず、高度急性期機能が回らなくなる」事態が生じえます(コロナ対応では、こうした問題が実体化し、対応策が設けられた)。また、自院の高度急性期機能を維持するために、場合によっては「かかりつけ医機能や回復期・慢性期機能を持つ中小規模の病院」について支援を行う(医療従事者の派遣など)ことも重要になってくるでしょう。

このため経営強化プラン策定にあたっては「地域の医療機関との協議を行い、地域全体で納得できる内容とする」ことが非常に重要です。そこでは、地域医療提供体制の責任者となる都道府県との連携も重要になることは当然です。



さらに、経営強化プランは「策定して終わり」ではいけません。定期的に(概ね年1回以上)点検評価を行い、また住民の意見なども踏まえ、必要に応じて改善していくことも重要です。

なお、経営強化プランの策定・実現に向けて、総務省は次のような財政措置(財政支援)を行うことも明示しています。

▽経営強化プランの策定等
→2022・23年度の経営強化プランの策定、その後の実施状況の点検・評価等に要する経費を地方交付税により措置する

▽機能分化・連携強化に伴う施設・設備の整備等
→病院事業債(特別分)を充当することとし、その対象経費等を以下のとおり拡充する
(1)病院の整備費全体を対象経費とする要件の見直し:複数病院を統合する場合のほか、「複数病院の相互の医療機能を見直し、かつ、基幹病院が医師派遣の増加等の支援を強化し、救急医療等の地域で必要とされる不採算地区病院の機能を維持する場合」にも、新基幹病院の整備費全体を対象経費とする
(2)システム関係の対象経費の拡充:経営統合に伴うシステム統合をする場合のほか、「関係病院等間の医療情報の共有」や「医師等の働き方改革に必要となる情報システム」などの整備費を対象経費に追加する

▽医師派遣等
→医師派遣等に係る特別交付税措置について、「看護師等医療従事者の派遣」や「診療所への派遣」を対象に追加し、派遣元に対する措置を拡充する

GHCが緻密なデータ分析などもとに公立病院の経営強化プラン策定を支援

Gem Medを運営するグローバルヘルスコンサルティング・ジャパン(GHC)では、こうした経営強化プランを策定する公立病院を支援するサービスメニューも準備しています。

GHCが「先行して新公立病院改革プラン改訂を行った病院」(市立輪島病院:石川県輪島市)を支援したところ、「入院単価の向上」「戦略的な病床機能強化の推進」などが実現されています。「経営強化」「機能強化」を先取りして実現している格好です。

2022年度の診療報酬改定では、「重症度、医療・看護必要度の見直し」(たとえば「心電図モニター管理の削除など」により「重症患者割合が低下し、急性期一般1の要件クリアが厳しくなってきた」という病院もあるでしょう。また、地域包括ケア病棟や回復期リハビリテーション病棟の施設基準も厳格化されており、「回復期に転換する」ことも、それほど安易にはできなくなってきています。

従前より「地域単位での医療提供体制見直し」に着目してコンサルティングを行っているGHCアソシエイトマネジャーの岩瀬英一郎は「従来通りの考えにとどまらず、より緻密な分析を行い、戦略をもった検討をベースとして『地域に必要とされる公立病院の姿』を個々の病院の実情に合わせて検討する必要がある」と強調しています。

上述のとおり新ガイドラインでは「外部アドバイザーの活用も有効である」と明示していますが、コンサルティング会社も玉石混交で「紋切り型の一律の改革プランしかつくれない」ところも少なくありません。この点、GHCでは「膨大なデータとノウハウ」「医療政策に関する正確かつ最新の知識」をベースに「真に地域で求められる公立病院となるための経営強化プラン」策定が可能です。

●GHCのサービス詳細はこちら



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