サージカルマスクやゴーグルなどの防護具、洗浄・消毒のうえ同一品を複数患者診察等に再利用可能―厚労省
2020.4.16.(木)
新型コロナウイルス感染症の拡大により医療現場では、サージカルマスクやフェイスシールドなどの防護具ニーズが高まってきており、国による積極的な確保が進められています。
ただし、ニーズの高まりに供給が十分追い付いておらず、「防護具の効率的な利用」が重要となってきています。
そうした中で厚生労働省は4月14日に事務連絡「サージカルマスク、長袖ガウン、ゴーグル及びフェイスシールド、の例外的取扱いについて」を示し、自治体や医療現場に「再利用」や「複数患者に対応する際の継続使用」をはじめとする効率的な使用を求めました(厚労省のサイトはこちら)。
なお、4月10日の事務連絡「N95マスクの例外的取扱いについて」では、N95マスクの滅菌再利用(2回まで)などの効率的利用を求めています(厚労省のサイトはこちら)。
【サージカルマスク】
▽使用機会に優先順位を設け、例えば「サージカルマスクが必要不可欠な処置や手術を行う場合」や「感染可能性のある患者との密接な接触が避けられない場合」などを優先する
▽複数患者を診察・検査等する場合において、次の点に注意したうえで「同一のサージカルマスクを継続使用」する
(注意点)
▼目に見えて汚れた場合や損傷した場合は廃棄する
▼サージカルマスクを外す必要がある場合は、患者のケアエリアから離れる
▼サージカルマスクを外す際には、マスクの外面を内側にして折りたたみ、接触感染を避ける
【長袖ガウン】(アイソレーションガウン・長袖のプラスチックガウン等)
▽使用機会に優先順位を設け、例えば▼血液など体液に触れる可能性のある手技▼エアロゾルが発生するような手技(気道吸引、気管内挿管、下気道検体採取など)▼上気道検体の採取(長袖ガウン不足時は袖のないエプロン可)▼患者の体位交換や車いす移乗など、前腕や上腕が患者に触れるケアを行う時(長袖ガウン不足時は袖のないエプロン可)―などを優先する(袖のないエプロン使用時でも、「手指・前腕の適切な洗浄・消毒」を行うことで感染予防が可能)
▽コホーティングされた複数の患者を診察・検査等する場合には、同一の長袖ガウンの継続使用を検討する。なお、長袖ガウン(袖のないエプロン含む)は、コホーティングされた場所を離れる際に脱ぐ
▽いわゆるサージカルガウンは「手術等の清潔操作時に用いる防護具」であるため、個人防護具の効率的使用の観点から、アイソレーションガウンの代替として用いることは望ましくない
【ゴーグルおよびフェイスシールド】
▽複数の患者を診察する場合には、次の点に注意して「同一のゴーグルやフェイスシールドを継続使用」する
(注意点)
▼目に見えて汚れた場合は、洗浄および消毒を行う
▼一度外した場合には、再度装着の前に洗浄および消毒を行う
▼損傷した場合(ゴーグルやフェイスシールドがしっかりと固定できなくなった場合、視界が妨げられ改善できない場合など)は廃棄する
▼ゴーグルやフェイスシールドを外す必要がある場合は、患者のケアエリアから離れる
▽使い捨てのゴーグルやフェイスシールドについても、次のような適切な洗浄および消毒を確実に行ったうえで再利用する
(洗浄および消毒方法)
▼基本的に、メーカーへ問い合わせ、推奨される消毒方法をする
▼方法が不明な場合は、以下の手順を参考とする
・手袋を装着したまま、ゴーグルやフェイスシールドのまず内側、次いで外側を丁寧に拭く
・「アルコール」または「0.05%の次亜塩素酸」を浸透させたペーパータオルやガーゼ等を使用して、ゴーグルやフェイスシールドの外側を拭く
・「0.05%の次亜塩素酸」で消毒した場合、ゴーグルやフェイスシールドの外側を「水」または「アルコール」で拭き、残留物を取り除く
・清潔な吸収性タオルを用いて吸水することなどにより、良く乾燥させる
・手袋を外した後は、手指の衛生を行う
【防護具がなくなったときの代替品】
▽長袖ガウンの代替:▼体を覆うことができる▼破棄できる▼撥水性のあることが望ましい―もの(雨合羽など)
▽ゴーグルおよびフェイスシールドの代替:▼目を覆うことができる―もの(シュノーケリングマスクなど)
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