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外来診療 経営改善のポイント 看護必要度シミュレーションリリース

消化器内視鏡など23学会・領域のサブスペ認定に理解を求める、専攻医は安心して連動研修実施を―日本専門医機構

2019.3.18.(月)

 新専門医制度における「サブスペシャリティ領域」(2階部分)について、内科・外科・放射線科の各基本領域から「サブスペシャリティ領域とすべき」とされた23学会・領域(後述)は、日本専門医機構がすでに「認定済」である。今後、医道審議会・医師分科会の「医師専門研修部会」で追認してもらうべく、各学会・領域の社会的意義などについて説明し、理解を得られるよう努力する―。

 日本専門医機構の寺本民生理事長は3月18日の定例記者会見で、このような考えを述べました。

 なお万が一、医師専門研修部会での追認に遅れが生じたとしても、「遡及追認」などにより専攻医の研修に影響が出ないような対応が図られる見込みであり、寺本理事長はメディ・ウォッチらに対し「安心して連動研修に臨んでほしい」と強調しています。

3月18日の定例記者会見に臨んだ、日本専門医機構の寺本民生理事長(帝京大学・臨床研究センター長)

3月18日の定例記者会見に臨んだ、日本専門医機構の寺本民生理事長(帝京大学・臨床研究センター長)

 

機構がすでに認定した23サブスペ学会・領域、社会的意義を改めて医道審に報告

 新専門医制度は、「専門医の質の担保」と「国民への分かりやすさ」を基本理念として今年度(2018年度)から全面スタートしました。以下の19「基本領域」(1階部分)と「サブスペシャリティ領域」(2階部分)の2層構造となっています。

【基本領域】(1)内科(2)外科(3)小児科(4)産婦人科(5)精神科(6)皮膚科(7)眼科(8)耳鼻咽喉科(9)泌尿器科(10)整形外科(11)脳神経外科(12)形成外科(13)救急科(14)麻酔科(15)放射線科(16)リハビリテーション科(17)病理(18)臨床検査(19)総合診療—の19領域

 サブスペシャリティ領域については、「国民への分かりやすさ」という基本理念を踏まえ、日本専門医機構と基本領域学会とで「認定する基準」(整備基準)を設け、その基準に合致する学会・領域のみを認定することとなっています(例えば、地方の中核的病院で標榜されている診療科や、国民の「どこに専門医がいるのか知りたい」とのニーズの強い診療科など)(関連記事はこちらこちら)。

 ところで、内科・外科・放射線科の各基本領域では、一部の学会・領域を「サブスペシャリティ領域とすべき」と推し、すでに日本専門医機構で「サブスペシャリティ領域とする」との認定を行っています。具体的には、以下の23学会・領域で、例えば、「消化器病」では、基本領域の「内科」と連動した研修(内科・消化器のいずれの領域でも重症な症例を経験した場合、内科と消化器病のいずれにおいても「経験済」とカウントするなど)を実施することで、より効率的な研修が可能となり、より早期に専門医資格を取得し、優れた医療を国民に提供できるようになると期待されています(連動研修はこの4月(2019年4月)からスターとします)。

【内科領域】
▼消化器病▼循環器▼呼吸器▼血液▼内分泌代謝▼糖尿病▼腎臓▼肝臓▼アレルギー▼感染症▼老年病▼神経内科▼リウマチ▼消化器内視鏡▼がん薬物療法―

【外科領域】
▼消化器外科▼呼吸器外科▼心臓血管外科▼小児外科▼乳腺▼内分泌外科―

【放射線領域】
▼放射線治療▼放射線診断―
医師専門研修部会1 190222
 
 
しかし、2月22日に開催された医師専門研修部会では、この認定済の23学会・領域に対し「一部(消化器内視鏡など)、国民にとって分かりにくいものがあるのではないか」「整備基準(サブスペシャリティ領域として認定するための基準)をまず策定し、その上で認定を行うべきではないか」との意見が出されました(いわば「待った」がかかった)(関連記事はこちら)。

こうした意見を踏まえて寺本理事長は、23学会・領域の社会的意義を改めて整理し、3月22日開催予定の医師専門研修部会で「23学会・領域をサブスペシャリティ領域として認めることの必要性・重要性・妥当性」を説き、理解を得たいとの考えを強調しています(追認を求める)。

なお、これら23学会・領域については、すでに機構において「サブスペシャリティ領域」としての認定を受けています。新専門医制度では「プロフェッショナルオートノミー」の下に制度が構築され、ただし「地域医療に悪影響がある」ような場合には、厚生労働大臣の意見を踏まえて制度の見直しを行うことになり、医師専門研修部会で「まだ追認について結論を出せない」との見解が示される可能性もゼロではありません。

この場合、これら学会・領域の研修がどうなるのか気になりますが、23学会・領域の各研修プログラムは連動研修を念頭に置いて組まれていることから、仮に「未確定」であっても4月から連動研修をスタートし、後に「遡及して追認する」など、専攻医に不利益が生じないような対応が図られることになるでしょう。寺本理事長は、メディ・ウォッチらに対し、「23学会・領域で研修を受けている専攻医も、安心して研修に臨んでほしい」とのメッセージを述べています。

 
なお、新専門医制度において、初めての基本領域の研修は、基幹病院と連携施設とで、年次ごとに定められた研修プログラムに則って研修を受ける「プログラム制」が原則とされています。

しかし、地域枠出身の医師(勤務地が限定される)や、出産・育児・介護などのライフイベントによって定められた年次の研修を受けられない医師、パワーハラスメントなどを受け別の施設での研修が必要となる医師などでは、期限の定めを設けずに研修を受け、基準を充足した時点で専門医試験の受験資格を認める「カリキュラム制」の研修を選択することも可能で、2019年度には、80名程度の専攻医が当初からカリキュラム制を選択すると見られています。
医師専門研修部会2 190222
 
日本専門医機構では、すでに「1か月フルタイムでの勤務を1単位とし、プログラム制研修と同等以上の単位取得等を新専門医資格取得試験の要件とする」などの方針を固めていますが(関連記事はこちら)、基本領域学会では「カリキュラム制研修の整備基準」がまだ整っていません。この点について寺本理事長は、各学会の整備基準策定は「6月頃になる」(2019年6月頃)になるとの見通しを明らかにしました。カリキュラム制の専攻医も4月から各病院研修をスタートし、「整備基準の策定後に、4月に遡って単位が認定される」(4月から整備基準策定までに経験した症例などは、すべて認定される)ことになる見込みです。

 
 
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