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看護職員処遇改善評価料の詳細を提示、本年(2022年)10月1日算定開始のためには「10月20日までに届け出」を—厚労省

2022.9.6.(火)

厚生労働省が9月5日、2022年度診療報酬のうち「10月改定分」(オンライン資格確認等システムなどの医療DX推進関連看護職員処遇改善)に関する関係告示の公布・通知の発出を行いました。

本稿では、看護職員処遇改善関連を眺めてみます(オンライン資格確認等システムなどの医療DX推進関連についてはこちらで報じています)。

看護職員処遇改善評価料の詳細(1)

看護職員処遇改善評価料の詳細(2)



●厚労省の2022年度改定に関するサイトはこちら

入院患者が「外泊」し入院料が減額されるケースでも、評価料は満額算定可

昨年(2021年)12月21日に後藤茂之厚生労働大臣と鈴木俊一財務大臣との間で「看護職員について、賃上げ効果が継続される取り組みを行うことを前提として、収入を3%(月額1万2000円)程度引き上げる診療報酬上の対応を行うことが合意されたことを受け、次のような【看護職員処遇改善評価料】が新設されました(関連記事はこちら)。

病院に支払うべき金額は「看護職員数(常勤換算)×1万2000円×1.165(社会保険料相当)」と決まっている一方で、病院ごとに・月ごとに「患者数」は変わるため、「個々の病院に過不足なく、この金額を支払う」方法が模索され、▼「看護職員数・延べ入院患者数」に応じた点数を100種類以上用意する▼病院が自院の状況(看護職員数・延べ入院患者数)にマッチした点数を請求する—という仕組みが設けられました。【看護職員処遇改善評価料】創設に関する議論の記事は以下のとおりです。
【看護職員処遇改善評価料】を答申、病院ごとの看護職員数・入院患者数に応じた点数を設定—中医協総会(2)
【看護職員処遇改善評価料】を新設し、コロナ対応病院に勤務する看護職員等の賃金引き上げを推進—中医協総会(1)
診療報酬による看護職員処遇改善、「看護職員等の処遇が確実に継続的に改善される」ためのルール等設定へ—中医協
看護職員の処遇改善、「病院の必要額>報酬額」となるケースに、どこまで・どのように対応すべきか―入院外来医療分科会(1)
看護職員の処遇改善、外来で対応せず「入院の診療報酬上乗せ」のみのほうが患者に分かりやすいのではないか—中医協(1)
「初再診料への上乗せ」と「入院料への上乗せ」組み合わせ、看護職員処遇改善に対応してはどうか―入院外来医療分科会
「看護職員の処遇改善」に向けた診療報酬、負担増となる患者への合理的かつ納得ゆく説明も極めて重要—中医協(1)
病院ごとに「看護配置と患者数」などの関係を見て、看護職員処遇改善の診療報酬対応検討―入院外来医療分科会
看護職員等の処遇改善、病院の必要額と診療報酬との間に生じる過不足をどう考えていくかが最大論点—中医協総会
10月からの看護職員処遇改善、「看護師数×1万2000円」財源を診療報酬でどう配分すべきか―入院外来医療分科会
看護職員処遇改善のための診療報酬設定論議スタート、まず技術的課題等を分科会で整理―中医協総会



すでに報じている部分もありますが、改めて【看護職員処遇改善評価料】の内容を確認してみましょう。



本年(2022年)10月1日から評価料を算定するためには「本年(2022年)10月20日(必着)までに地方厚生(支)局への届け出」が必要となります(締切日に届け出が集中するため、早期の届け出が求められる)。



(A)【看護職員処遇改善評価料】の概要
▽後述の要件を満たし、看護職員等の賃金改善をルールに沿って行う医療機関では、入院患者について、毎日、各医療機関の看護職員数・入院患者数に応じた【看護職員処遇改善評価料】を算定できる

▽評価料は「最低1点」(評価料1)から「最高340点」(評価料165)に設定され(165種類の評価料(評価料1・評価料2・評価料3・・・・評価料164・評価料165)を設定)、個々の病院が下記(B)の計算方法に則って自院にマッチする評価料を請求する

▽評価料は、各種点数が包括評価された特定入院料のA306【特殊疾患入院医療管理料】、A307【小児入院医療管理料】、A308【回復期リハビリテーション病棟入院料】、A308-3【地域包括ケア病棟入院料】、A309【特殊疾患病棟入院料】、A310【緩和ケア病棟入院料】、A311【精神科救急急性期医療入院料】、A311-2【精神科急性期治療病棟入院料】、A311-3【精神科救急・合併症入院料】、A311-4【児童・思春期精神科入院医療管理料】、A312【精神療養病棟入院料】、A314【認知症治療病棟入院料】、A317【特定一般病棟入院料】、A318【地域移行機能強化病棟入院料】、A319【特定機能病院リハビリテーション病棟入院料】、A400【短期滞在手術等基本料】でも、別に算定可能である

2022年10月から【看護職員処遇改善評価料】を設ける(中医協総会(2)1 220810)



事務連絡「看護職員処遇改善評価料の取扱いに関する疑義解釈資料の送付について(その1)」では、「入院患者が外泊期間中で、入院基本料の基本点数・特定入院料の減算が行われる日でも『評価料の算定は可能』である」ことが明らかにされました。▼評価料の計算式▼決まった額(処遇改善に必要な額)を毎月医療機関に交付する必要性—から当然に導かれるものと言えます。

延べ入院患者には「自由診療」患者は含めないが、労災患者等は含める

(B)【看護職員処遇改善評価料】の計算方法
▽各病院で、「看護職員等の賃上げ必要額」(当該医療機関の看護職員等数×1万2000円×1.165(社会保険料相当))÷「当該保険医療機関の延べ入院患者数×10 円」で計算した値【A】をもとに、165種類の評価料の中から「自院にマッチする評価料」を選択し、請求する(看護職員数・延べ患者数などは申請が必要であるが、根拠資料は「適切に院内に3年間保管」していればよく提示までは求められない)

(a)「看護職員等の数」は、直近3か月の各月1日時点における看護職員数の平均値とする

(b)「延べ入院患者数」は、直近3か月の1か月あたりの延べ入院患者数の平均値とする

(c)毎年3、6、9、12月に上記計算式で算出し、区分に変更がある場合は地方厚生局長等に届け出る

(d)ただし、前回届け出時点と比較して、直近3か月の「看護職員等の数」、「延べ入院患者数」、「計算結果」のいずれの変化も1割以内である場合には、区分の変更を行わない

【看護職員処遇改善評価料】の計算方法と、点数選択基準(中医協総会(2)2 220810)



事務連絡「看護職員処遇改善評価料の取扱いに関する疑義解釈資料の送付について(その1)」では次のような点が明らかにされています。

【「看護職員等の数(保健師、助産師、看護師及び准看護師の常勤換算の数)」について】
▽▼看護部長等(専ら病院全体の看護管理に従事する者)▼外来勤務の看護師等▼手術室勤務の看護師等▼中央材料室勤務等の看護師等—も含む

▽「派遣職員など、当該医療機関に直接雇用されていない保健師、助産師、看護師および准看護師」を含めることが可能であるが、その場合には「賃金改善を行う方法等について派遣元と相談し、賃金改善計画書や賃金改善実績報告書を、象とする派遣労働者を含めて作成する」ことが求められる

▽育児・介護休業法の規定で所定労働時間が短縮された者であっても、「週30時間以上勤務」であれば常勤とみなす

▽看護職員等(保健師、助産師、看護師及び准看護師)以外の職種を賃金改善対象に加える場合でも、当該看護職員等以外の職員を「看護職員等の数」に計上することは認められない

【延べ入院患者数について】
▽▼入院基本料▼特定入院料▼短期滞在手術等基本料(基本料1を除く)—を算定している患者を対象に「毎日24時現在で当該医療機関に入院していた患者」の延べ数を計上する

▽退院日は延べ入院患者数に含める

▽入院日に退院または死亡した患者も延べ入院患者数に含める

▽救急患者として受け入れた患者が処置室、手術室等で死亡した場合も延べ入院患者数に含める

▽自由診療の患者は計上しない

▽公費負担医療や労災保険制度など「診療報酬点数表に従って医療費が算定される」患者は計上する

看護師などを含めない処遇改善は不可、薬剤師は処遇改善に含めてはならない

(C)対象医療機関(施設基準)
(a)次のいずれかに該当する
(i)【救急医療管理加算】を届け出ているおり、救急搬送件数が年間200件以上(賃金改善を行う期間を含む年度の「前々年度」実績)である(X)。ただし、次の規定に留意すること

▽新規届出を行う病院については、新規届出を行った年度に限り「賃金改善実施年度の前年度1年間」における実績とする(Y)
→例えば、来年(2023年)10月1日から評価料算定を行う場合には、「前年度1年間」(2022年4月1日-2023年4月1日)の救急搬送実績が200件以上であることが求められる(Y)
→継続して2024年4月1日から2025年3月31日まで評価料を取得する場合には、実績は「前々年度」(2022年4月1日-2023年4月1日)のものとする(X)
→→継続して2025年4月1日から2026年3月31日まで評価料を取得する場合には、実績は「前々年度」(2023年4月1日-2024年4月1日)のものとする(X)



▽本年度(2022年度)中に新規届出を行う「看護職員等処遇改善事業補助金」(2022年2-9月)が交付された病院については、「2020年度」における実績とする

▽現に看護職員処遇改善評価料を算定している病院では、賃金改善実施年度の前々年度1年間の救急搬送実績が上記(200ねん)を満たさずとも、「賃金改善実施年度の前年度のうち連続する6か月間における救急搬送実績が100件以上」の場合には基準を満たすと見做す

(ii)「救命救急センター」、「高度救命救急センター」、「小児救命救急センター」のいずれかを設置している



(D)算定要件(賃金改善ルール)
(a)当該医療機関に勤務する看護職員等(保健師、助産師、看護師、准看護師(非常勤職員を含む)をさす、以下同)に対して、【看護職員処遇改善評価料】算定額に相当する賃金(基本給、手当、賞与等(退職手当を除く)を含む。以下同)の改善を行う
賃金改善は、基本給、手当、賞与等のうち対象を特定して行うとともに、特定した項目以外の賃金項目(業績等に応じて変動するものを除く)の水準を低下させてはならない

(b)賃金の改善措置の対象者は、当該保険医療機関に勤務する看護職員等のほか、視能訓練士、言語聴覚士などのメディカルスタッフ(補助金と同様に規定)も職種も対象に加えることができる

(c)安定的な賃金改善を確保する観点から、【看護職員処遇改善評価料】による「賃金改善合計額の3分の2以上」は、基本給または決まって毎月支払われる手当の引き上げにより改善を図る(一時金は3分の1未満としなければならない)
→ただし、「看護職員等処遇改善事業補助金」(2022年2-9月)が交付された病院については、「本年度(2022年度)中は、同補助金に基づくベースアップ等水準を維持する」ことで足りる

(d)【看護職員処遇改善評価料】の見込額、賃金改善の見込額、賃金改善実施期間、賃金改善を行う賃金項目、方法などを記載した「賃金改善計画書」を毎年4月に作成し、毎年7月に地方厚生局長等に提出する

(e)毎年7月に、前年度の取り組み状況を評価するため「賃金改善実績報告書」を作成し、地方厚生局長等に報告する



このほか、▼加算取得のために労働法規を遵守する(賃金改善を行うための就業規則等の変更について労働者の過半数を代表する者の意見を聴くこと、正当理由なく差別的な取扱いをしないことなど)▼スタッフに対して「賃金改善の方法や内容」を賃金改善計画書や就業規則などを用いて周知する—ことなども求められます。



事務連絡「看護職員処遇改善評価料の取扱いに関する疑義解釈資料の送付について(その1)」では次のような点が明らかにされています。

【処遇改善の対象者について】
▽▼保健師▼助産師▼看護師▼准看護師—は「必ず」処遇改善対象に含める

▽▼診療放射線技師▼衛生検査技師▼メディカルソーシャルワーカー▼医療社会事業従事者▼介護支援専門員▼医師事務作業補助者等は対象に含まれる(「その他医療サービスを患者に直接提供している職種」

▽医療サービスを患者に直接提供していない一般の事務職員は対象とならない

▽薬剤師は対象とならない(評価料によらずに賃金改善を行う場合には、賃金改善計画書・賃金改善実績報告書の賃金改善の見込額・実績額に計上してはならない)

【処遇改善の内容・方法について】
▽賃金改善は「評価料の算定開始月から実施する」必要がある

▽、賃金改善を行うための具体的な方法については「労使で適切に話し合った上で決定する」ことが望ましい

▽基本給等について▼常勤職員へは当月払い▼非常勤職員へは翌月払い—となっている医療機関では、いずれについても「基本給等の支払われた月」ではなく、「対象となった月」で処遇改善の内容を判断する

▽「評価料収入は、賃金改善実施期間内に看護職員等の賃金の改善に充てる」ことが原則だが、想定を上回る収入が生じたなど、やむを得ない場合には「当該差分を翌年度7月に賃金改善実績報告書提出までに賃金改善に充てる」ことでも良い

▽ベースアップ等による賃金改善開始後に、評価料収入が計画書作成時の見込額を上回ったために「ベースアップ等に3分の2以上を充てる」要件を満たせない場合には、再度就業規則等を改正し、基本給・決まって毎月支払われる手当を「更に引き上げる」必要がある

▽賃金改善の具体的方法(金額・割合等)について「職員に応じて区分する」ことが可能である(医療機関の実情に応じて賃金の改善方法を決定できる)が、その場合であっても、「看護職員等の数」は当該保険医療機関に勤務する全ての保健師、助産師、看護師および准看護師を対象とする

▽賃金改善実績額を算出するにあたり、「定期昇給」や「人事院勧告」などに伴う給与変動については、「評価料による賃金の改善措置が実施されなかった場合の賃金総額」「評価料を取得し賃金の改善措置が実施された場合の賃金総額」の双方において考慮する(これらは評価料にかかわらず措置され、賃金改善実施額に含まれない)

▽賃金改善に伴い増加する賞与、時間外勤務手当等、法定福利費等の「事業者負担分」「退 職手当」(健康保険料、介護保険料、厚生年金保険料、児童手当拠出金、雇用保険料、労災保険料等の事業者負担増加分、退職手当共済制度等における掛金等増加分)について、基本給等の引き上げにより増加した分については「賃金改善実績額に含める」ことを認めるが、ベースアップ等には含めない(退職手当の増加分は、評価料による賃金改善実施期間に退職した者に係るものに限る)

▽「決まって毎月支払われる手当」を、評価料をもとに増額する場合、割増賃金(超過勤務手当には増額分を反映させる必要がある。賞与に反映されるかどうかは各医療機関で判断する



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