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【2022年度診療報酬改定答申15】小入管の加算新設など、小児、新生児等への医療提供充実を診療報酬でサポート

2022.2.22.(火)

Gem Medでは、2月9日の中央社会保険医療協議会・総会でなされた2022年度次期診療報酬改定に関する答申内容を順次お伝えしています(急性期入院医療に関する記事はこちら、高度急性期入院医療に関する記事はこちら、地域包括ケア病棟に関する記事はこちら、回復期リハビリ病棟に関する記事はこちら、医療従事者の働き方改革に関する記事はこちら、受診時定額負担等に関する記事はこちら、かかりつけ医機能に関する記事はこちら、感染症対策に関する記事はこちら、慢性期入院医療に関する記事はこちら、在宅医療に関する記事はこちら、訪問看護に関する記事はこちら、がん対策サポートに関する記事はこちら、適正化・効率化に関する記事はこちら、オンライン診療等に関する記事はこちら)。

●2022年度診療報酬関係の資料(告示内容等)はこちら(中医協資料)

本稿では「小児医療・周産期医療に関する診療報酬サポート」に焦点を合わせます。多数の見直し・手当が行われており「少子化対策」にも一役買うことが期待されます。

小入管に新加算を多数設定し、機能強化を狙う

小児・周産期関連では、例えば次のような見直しが行われます。

(1)小児運動器疾患指導管理料の見直し(対象年齢を「12歳未満」から「20歳未満」に広げる)

(2)診療情報提供料(I)について次の見直しを行う(関連記事はこちら
▽算定要件の1つとなる情報提供先(点数表の注7)に「保育所」などを追加する
▽算定要件の1つとなる情報提供先(点数表の注2)に「児童相談所」を追加する
▽対象患者に「小児慢性特定疾病支援の対象患者」を追加する

(3)【小児入院医療管理料】について次の見直しを行う
▽小児患者にかかる「造血幹細胞移植」では特に厳重な感染予防が必要となることから、【小児療養環境特別加算】を新設して評価を行う
▽小児患者に対して迅速かつ適切な対応が行われるよう、時間外における小児患者の緊急入院の受入体制を整備している医療機関を評価する【時間外受入体制強化加算】を新設する
▽小児慢性特定疾病児・医療的ケア児の退院時に、医師または薬剤師が薬局に対して情報提供することなどを【退院時薬剤情報管理指導連携加算】として新たに評価する
▽不適切な養育等が行われていると疑われる患者に、専任チームで迅速・適切な対応を行うことを【養育支援体制加算】として新たに評価する

(4)【小児特定集中治療室管理料】について次の見直しを行う
▽施設基準に「手術を必要とする先天性心疾患の患者」受け入れ実績を追加する(「または」要件である)
▽「手術を必要とする先天性心疾患を有する新生児」では算定上限日数を「55日」に延伸する(通常は14日)

(5)【新生児特定集中治療室管理料】【総合周産期集中治療室管理料】【新生児治療回復質入院医療管理料】において、「慢性肺疾患を伴う低出生体重児」では算定上限日数を「105日」(出生時体重500g以上750g未満)、「110日」(出生時体重500g未満)に延伸する(通常は21日)

(6)地域周産期母子医療センター等の専門機関との連携体制を構築し、妊産婦に対して適切な分娩管理を実施することを【地域連携分娩管理加算】(3200点、【ハイリスク分娩等管理加算】の1区分)として新たに評価する(関連記事はこちら

(7)胎児が重篤な疾患を有すると診断された妊婦等に対し、多職種(医師、助産師、看護師、社会福祉士、公認心理師など)共同で胎児の疾患や出生後に必要となる治療等に関する適切な情報提供等を行うことを、【総合周産期特定集中治療室管理料】に【成育連携支援加算】(1回1200点)を新設して評価する

(8)【ハイリスク妊産婦連携指導料】の対象患者に、「メンタルスクリーニング検査等により精神科または心療内科の受診が必要」と判断された妊産婦を追加する

(9)医療的ケア児に合わせた薬学的管理・指導を行う薬局を【服薬管理指導料】(薬剤服用歴管理指導料を改組)などの【小児特定加算】(350点)として新たに評価する



このうち(3)は、15歳未満(小児慢性特定疾患児では20歳未満)の小児入院患者受け入れを評価する【小児入院医療管理料】(いわゆる小入管)について新加算を創設し、機能強化を図るものです。

まず、【無菌治療管理加算】は、小児患者に係る造血幹細胞移植においては「特に厳重な感染予防が必要となること」などを踏まえたもので次のように点数設定が行われます。実際に無菌治療室管理を行った患者に対して90日間を上限に下記の区分に応じて加算を算定することができます。

(新)【無菌治療管理加算1】:1日につき2000点(室内を無菌状態に保つために十分な体制が整備されていること)
(新)【無菌治療管理加算2】:1日につき1500点(室内を無菌状態に保つために適切な体制が整備されていること)

ここで言う「十分な体制」「適切な体制」として具体的に何が求められるのかは、3月上旬から示される告示・通知・疑義解釈などを待たなければなりません。



また【時間外受入体制強化加算】は、当該医療機関の標榜時間外、休日、深夜において「緊急に入院を必要とする患者」を受け入れられる体制を確保する場合、【小入管1・2】を算定するすべての患者について、入院初日に次の区分の従って加算の算定が可能となります。

(新)【時間外受入体制強化加算1】:入院初日に300点(時間外・休日・深夜における当該病棟での緊急入院患者を受け入れ実績を十分に持ち、看護職員の負担軽減・処遇改善体制を整えていること)
(新)【時間外受入体制強化加算2】:入院初日に180点(時間外・休日・深夜における当該病棟での緊急入院患者を受け入れ実績を相当程度に持ち、看護職員の負担軽減・処遇改善体制を整えていること)

ここでも「十分な実績」「相当の実績」とありますが、「受け入れ件数が〇月に●件」などの具体的な基準は告示・通知・事務連絡(3月上旬以降に示される)を待つ必要があります。



一方、【退院時薬剤情報管理指導連携加算】は、小児慢性特定疾患児などが小入管算定病棟から退院する際、当該医療機関の医師または医師の指示を受けた薬剤師が▼患者・家族等に他院後の薬剤服用に関する指導を行う▼患者・家族等の同意を得て調剤に必要な情報を部署で提供する―ことを評価するものです。退院日に1回、150点が上乗せ算定可能です。



さらに、【養育支援体制加算】は、虐待などの不適切な養育が行われていると疑われる患者に対し、多職種で構成される専門チームが福祉・保険・警察・司法・教育機関などと連携して支援を行える体制を敷く場合に、小入管算定病棟に入院するすべての患者について、入院初日に「300点」の上乗せ算定を認めるものです。

小児、新生児のICUで診療実態を踏まえた「算定日数」の延伸を行う

また(4)では、【小児特定集中治療室管理料】において「手術を必要とする先天性心疾患患者」の受け入れ促進を狙うものです。

まず、施設基準について次のような見直しが行われます。

(現行)
他の保険医療機関において▼救命救急入院料▼特定集中治療室管理料▼救急搬送診療料―の算定患者受け入れ合計数が一定以上(通知では年間20名以上)

(見直し後)
他の保険医療機関において▼救命救急入院料▼特定集中治療室管理料▼救急搬送診療料▼手術を必要とする先天性心疾患―の算定患者受け入れ合計数が一定以上(通知でどうなるかは未定)

あわせて、「手術を必要とする先天性心疾患」の算定上限日数が診療実態を踏まえて延伸(14日→55日)されます。



他方、(5)では「慢性肺疾患を伴う低出生体重児」について、NICU等の算定上限日数を診療実態を踏まえて延伸することになります。



これらの診療報酬上のサポートを活用して、小児や新生児、妊産婦等に必要かつ十分な医療提供が行われることに期待が集まります。



なおGem Medではオンラインによる改定セミナーも開催しております。是非、あわせてご活用ください。



【これまでの2022年度改定関連記事】
◆議論の整理(改定項目一覧)に関する記事はこちら
◆入院医療の全体に関する記事はこちら(入院医療分科会の最終とりまとめ)こちら(入院医療分科会の中間とりまとめを受けた中医協論議)こちら(入院医療分科会の中間とりまとめ)こちら(入院総論)
◆急性期入院医療に関する記事はこちら(答申)こちら(新指標5ほか)こちら(看護必要度8)こちら(看護必要度7)こちら(看護必要度6)こちら(新指標4)こちら(新指標3、重症患者対応)こちら(看護必要度5)こちら(看護必要度4)こちら(看護必要度3)こちら(新入院指標2)こちら(看護必要度2)こちら(看護必要度1)こちら(新入院指標1)
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●薬価制度改革に関する記事はこちらこちらこちらこちらこちらこちらこちらこちら
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●費用対効果評価制度改革に関する記事はこちらこちらこちらこちらこちらこちらこちら
●公聴会に関する記事はこちら



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