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GemMed塾 「看護必要度」新制度シミュ―レーション

「看護職員の処遇改善」に向けた診療報酬対応、「消費税対応の二の舞」となることを懸念―日病協

2022.4.25.(月)

今年(2022年)10月からの「看護職員の処遇改善」に向けた診療報酬に関する議論が始まったが、非常に難しい問題を抱えており、「消費税対応の二の舞」となることを懸念しており、十分な工夫が求められる―。

4月22日に開催された日本病院団体協議会の代表者会議でこういった問題意識を共有したことが、小山信彌議長(日本私立医科大学協会会業務執行理事)と山本修一副議長(地域医療機能推進機構理事長)から明らかにされました。

消費税対応改定では「病院間の不公平・過不足」を解消できていない

「看護職員の処遇改善を診療報酬でどう行えばよいか」—。こういう議論が中央社会保険医療協議会で始まっています。

昨年(2021年)11月19日に閣議決定された新たな「コロナ克服・新時代開拓のための経済対策」、12月20日に成立した2021年度補正予算において、「看護職員について、賃上げ効果が継続される取り組みを行うことを前提として、収入を1%程度(月額4000円)引き上げるための措置(補助金交付)を今年2月(2022年2月)から9月まで実施する」ことが決まりました。

看護職員等処遇改善補助金の概要



また昨年12月22日の後藤茂之厚生労働大臣・鈴木俊一財務大臣合意において、「10月以降は診療報酬で同様の処遇改善(看護職員の収入を3%程度改善できる処遇改善)を行う」方針も決まりました(関連記事はこちら)。

後者の「看護職員の処遇改善」のための診療報酬措置については、他の2022年度診療報酬改定内容(急性期充実体制加算の新設や、重症度、医療・看護必要度の見直しなど)と切り離して議論することとされ(関連記事はこちら)、入院外来医療分科会で調査分析・技術的検討が始まり、その後に中医協で具体的な制度設計(点数・要件の設定)を行うことになっています(関連記事はこちら)。

処遇改善の大枠は「病院に財源(診療報酬)を渡し、病院でその財源を柔軟に配分する」というものです。

病院に渡される財源は「看護師数(常勤換算)×1万2000円」と決まっていますが、これを「診療報酬でどう過不足なく個々の病院に配分するのか」を考えていくという難しい議論になります。

例えば「入院患者1人・1日当たり〇点の算定を可能とする」という仕組みにした場合、病院が得られる財源は「延べ入院患者数×〇点×10円」になります。これが「当該病院の看護師数×1万2000円」とぴったり合うように「〇点」を設定しなければなりませんが、病院によって患者数は全くことなるため、「すべての病院にぴったり合うような〇点」を設定することは「不可能」に近いのです(関連記事はこちら)。

日本私立医科大学協会や地域医療機能推進機構、日本病院会など15の病院団体で構成される日本病院団体協議会(日病協)でも、この問題に頭を悩ませており、4月22日の代表者会議でも▼消費税の二の舞になるような事態は避けるべき▼新型コロナウイルス感染症対策の一環という側面もあるが、コロナ感染症が収束した暁には引きはがされてしまわないか▼急性期病院(救急医療管理加算を算定する、救急搬送件数が年200台以上の医療機関および三次救急を担う医療機関)以外の慢性期病院や精神科病院は対象外であるが、看護師を二分することになってしまう―などの懸念の声が多数でていることが小山議長・山本副議長から報告されています。

消費税については、税率引き上げに伴うコスト増に対応するために「初・再診料」や「入院基本料」の引き上げを行われていますが、個々の病院で診療報酬の算定状況は全くことなるため、「消費増税によるコスト増 > 診療報酬の増点」(この場合、補填不足が生じる)や「消費増税によるコスト増 < 診療報酬の増点」(この場合、過重補填となる)がどうしても生じてしまうのです(関連記事はこちら)。今般の「看護職員処遇改善」を診療報酬で行う場合にも、こうした不公平・過不足が生じることを病院サイドは心配しています。

また、「看護職員処遇改善」を恒久的に行う(基本給の引き上げなど)ことが要件として求められますが、「コロナ感染症が収束した後に加算が引きはがされる」恐れがあれば、病院サイドは「基本給引き上げなどに躊躇してしまう」という側面もあります。



具体的な内容は今後の議論を待たなければなりませんが、日病協でも「診療報酬で上手に対応する方法」を見いだせておらず、不安が増している状況です。今後、入院医療分科会や中医協でどういったデータが示され、どういった素案が厚生労働省から提示されるのか注目を集めます。



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