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感染対策、ICU等の早期離床・リハ加算、MFICUの成育連携支援加算、湿布薬上限など明確化―疑義解釈6【2022年度診療報酬改定】

2022.4.22.(金)

厚生労働省は4月21日に、2022年度の診療報酬改定の疑義解釈(その6)を公表しました(厚労省のサイトはこちら)。

2022年度診療報酬改定を受けた新点数表・施設基準がこの4月から適用されており、細部について医療現場からさまざまな「疑問」(疑義)が出されます。疑義解釈は、こうした医療現場の疑問に厚労省が回答を行うものです。今後も五月雨式に疑義解釈が示されていきます(疑義解釈その1に関する記事はこちら(看護必要度)こちら(感染対策向上加算)こちら(急性期充実体制加算)、疑義解釈その3に関する記事はこちら(地域包括診療料・加算、感染対策向上加算、術後疼痛管理チーム加算、高度難聴指導管理料、外来腫瘍化学療法診療料、バイオ後続品導入初期加算、疑義解釈その4に関する記事はこちら(感染対策向上加算))。

感染対策向上加算、算定要件や施設基準に関する医療現場の疑問解消

今回の疑義解釈6では、(1)外来感染対策向上加算、感染対策向上加算(2)救命救急入院料、特定集中治療室管理料(3)早期離床・リハビリテーション加算(4)成育連携支援加算(5)投薬—の5項目について、医療現場の疑問に答えています。



まず(1)の外来感染対策向上加算、感染対策向上加算は、お伝えしているように、新型コロナウイルス感染症対応を踏まえ「地域で、各医療機関が保健所・医師会調整のもと、リーダー役(加算1病院)・補助役(加算2・3病院、加算クリニック)が緊密に総合連携し『面』で感染症対策を行う」こと目指し、従前の感染防止対策を大幅に拡充したものです(関連記事はこちら)。

感染症対策の重要性がコロナ禍で非常に高まっていること、点数設定水準が高いこと、他の点数(急性期充実体制加算など)の要件に組み込まれていることなど、さまざまな点から注目度が高く、疑義解釈1疑義解釈3疑義解釈4でQ&Aが示されていますが、今般の疑義解釈6でも次のような点が明確にされています。

▽感染対策向上加算3は「入院初日」および「入院期間が90日を超えるごとに1回」算定できる。2022年3月31日以前から継続入院している患者に関しては、本加算について▼入院期間の起算日を入院日とする▼2022年3月31日時点で既に入院期間が90日を超えている場合でも「入院日を基準として90日を超えるごとに算定」する—

▽外来感染対策向上加算、感染対策向上加算では「地域医師会との連携」が求められているが、▼郡市区等医師会▼都道府県医師会—のいずれもが「地域医師会」に該当する

【参考】施設基準の解釈通知より抜粋しGem Med編集部で改変)
▼外来感染対策向上加算
→院内感染管理者は、少なくとも年2回程度、感染対策向上加算1医療機関または「地域の医師会」が定期的に主催する院内感染対策カンファレンスに参加すること

▼感染対策向上加算1
→感染制御チームは、保健所・「地域の医師会」と連携し、感染対策向上加算2・3医療機関と合同で少なくとも年4回程度、定期的に院内感染対策カンファレンスを行い、その内容を記録すること。うちち少なくとも1回は新興感染症の発生等を想定した訓練を実施すること

▼感染対策向上加算3
→院内の抗菌薬適正使用について、連携する感染対策向上加算1医療機関または「地域の医師会」から助言を受けること

▽▼感染対策向上加算1の【指導強化加算】の施設基準における「感染制御チームの専従医師・看護師が過去1年間に4回以上、加算2・3・外来加算医療機関に赴き院内感染対策に関する助言を行う」▼加算2・3・外来加算の【連携強化加算】の施設基準における「加算1医療機関に対し過去1年間に4回以上、感染症の発生状況、抗菌薬の使用状況等について報告を行う」—については2023年3月31日まで「当該基準を満たすものとみなす」との経過措置が設けられている。2023年3月31日までの間に【指導強化加算】【連携強化加算】を届け出る場合は、▼指導強化加算では「感染制御チームの専従医師・看護師が赴いて院内感染対策に関する助言を行った医療機関名」(別添7の様式35の3)▼連携強化加算では「感染症の発生状況等について報告を行った加算1医療機関名」(別添7の様式1の5)—は記入しなくともよい

ICU等の算定日数上限の解釈、MFICUの成育連携支援加算のメンバー要件など明確化

(2)の【救命救急入院料】【特定集中治療室管理料】については、急性血液浄化・体外式心肺補助(ECMO)を必要とする患者、臓器移植を行った患者について、長期間の集中治療管理が必要となる実態を踏まえ、早期から患者回復に向けた取り組みを十分に行っている場合に算定上限日数を延長する(▼急性血液浄化・体外式心肺補助(ECMO)を必要とする患者:14日まで→25日まで▼臓器移植を行った患者:14日まで→30日まで)などの見直しが行われました(関連記事はこちら)。

「早期から患者回復に向けた取り組みを十分に行っている」とは、▼当該治療室で【早期離床・リハビリテーション加算】または【早期栄養介入管理加算】を届け出ている▼当該治療室に入院する患者について関連学会と連携の上で適切な管理等を行っている―ことを意味します。

今般の疑義解釈6では「急性血液浄化・体外式心肺補助(ECMO)を必要とする患者」について、「急性血液浄化(腹膜透析を除く)または体外式心肺補助(ECMO)」を「現に実施している患者」だけでなく、「一連の入院期間中にこれらを実施していた患者」も含まれることが明示されました。



また上述した【早期離床・リハビリテーション加算】(3)は「ICU入室早期から多職種チームでの離床・リハビリに向けた介入を行うことが、早期退室・早期退院につながる」ことを踏まえて2018年度診療報酬改定で創設されたIC等の加算です。今回の2022年度改定では算定対象ユニットをICU以外にも、「救命救急入院料1-4」「ハイケアユニット入院医療管理料1、2」「脳卒中ケアユニット入院医療管理料」「小児特定集中治療室管理料」にも拡大されました(入室した日から起算して14日を限度として500点を入院料に加算、関連記事はこちら)。

この点、今般の疑義解釈6では次のような点を明確にしています。

▽一連の入院期間中に【早期離床・リハビリテーション加算】を算定できる2以上の治療室に患者が入院した場合(例えば、救命救急入院料算定ユニットに入室後、HCUに入室するなど)の算定日数上限は、「それぞれのユニットにおける【早期離床・リハビリテーション加算】の算定日数を合算した日数が14日を超えない」こととする

▽【早期離床・リハビリテーション加算】を算定できる治療室に入院し、退院した後、入院期間が通算される再入院において再度、当該加算を算定できる治療室に入院した場合(例えば、ICU入室→一般病棟→退院→再度、同院のICUといったイメージ)の算定日数上限は「初回の入院期間中の【早期離床・リハビリテーション加算】算定日数と、再入院時の当該加算の算定日数を合算した日数が14日を超えない」こととする

ICU等においてECMO患者等では算定日数上限を延伸。また【早期離床・リハビリテーション加算】の算定ユニットが拡大されている



なお、【総合周産期特定集中治療室管理料】(MFICU)について、今回の2022年度改定で、一定の施設基準を満たす医療機関で、胎児が重篤な状態(疑い含む)と診断された妊婦に対し医師、助産師、看護師、社会福祉士、公認心理師等が共同して必要な支援を行うことを評価する【成育連携支援加算】((4)、入院中1回1200点)が新設されました(関連記事はこちら)。

この加算の施設基準を見ると、▼産科または産婦人科の医師▼小児科の医師▼助産師▼新生児の集中治療業務経験5年以上の専任常勤看護師▼専任の常勤社会福祉士▼専任の常勤公認心理師—で構成される「成育連携チーム」を設けることが求められ、当該チームが上記妊婦に必要な支援を行うことが求められます。

今般の疑義解釈6では、この成育連携チームのメンバーである「専任常勤看護師」および「専任の常勤社会福祉士」が、【入退院支援加算】における「専任の看護師または専任の社会福祉士」との「兼任でも良い」ことが明らかにされました。

また、入退院支援加算において各病棟に専任で配置する「入退院支援および地域連携業務に専従する看護師または社会福祉士」との兼任も可能ですが、この場合は「入退院支援加算に係る入退院支援および地域連携業務ならびに成育連携チームの業務のみ実施可能」である点に留意が必要です。明示されていませんが「専任者」は「業務時間の50%を当該業務に充てる」ことと一般に理解され(専従は80%)ており、「「入退院支援加算に係る入退院支援および地域連携業務」の専任(50%)、「成育連携チームの専任」(50%)以外の業務は理論上不可能であるためです。

総合周産期特定集中治療室管理料(MFICU)に【成育連携支援加算】が新設された

湿布の上限枚数、「種類ごと」でなく「1処方当たりの全湿布薬」の上限である

また、2022年度診療報酬改定では、医薬品給付の適正化(医療保険制度を維持するため)の一環として「外来患者に対して保険給付の範囲内で処方できる湿布薬の上限枚数」を、従前の「70枚/処方」から「63枚/処方」に引き下げる(医師が医学的必要性を認めた場合を除く)との見直しも行われました((5)、関連記事はこちら)。

この点、今般の疑義解釈では、63枚の上限は「湿布薬の種類ごとの上限枚数」ではなく、「1処方における全ての種類の湿布薬の合計の上限枚数」である点を明確化しています。



Gem Medではオンラインによる改定セミナーも開催しております。是非、あわせてご活用ください。

【これまでの2022年度改定関連記事】
◆議論の整理(改定項目一覧)に関する記事はこちら
◆入院医療の全体に関する記事はこちら(入院医療分科会の最終とりまとめ)こちら(入院医療分科会の中間とりまとめを受けた中医協論議)こちら(入院医療分科会の中間とりまとめ)こちら(入院総論)
◆急性期入院医療に関する記事はこちら(看護必要度に関する疑義解釈1)こちら(急性期充実体制加算に関する疑義解釈1)こちら(告示関連)こちら(答申)こちら(新指標5ほか)こちら(看護必要度8)こちら(看護必要度7)こちら(看護必要度6)こちら(新指標4)こちら(新指標3、重症患者対応)こちら(看護必要度5)こちら(看護必要度4)こちら(看護必要度3)こちら(新入院指標2)こちら(看護必要度2)こちら(看護必要度1)こちら(新入院指標1)
◆DPCに関する記事はこちら(係数告示)こちら(告示関連)こちらこちらこちら
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◆地域包括ケア病棟に関する記事はこちら(告示)こちらこちらこちらこちらこちら
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在宅医療の質向上のための在支診・在支病の施設基準、裾野拡大に向けた継続診療加算をどう見直していくか―中医協総会(1)
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顔面熱傷は救急医療管理加算の広範囲熱傷でないが手厚い全身管理が不可欠、加算算定要件の見直しを―入院医療分科会(5)
ICU用の看護必要度B項目廃止、救命救急入院料1・3の評価票見直し(HCU用へ)など検討へ―入院医療分科会(4)
DPC外れ値病院、当面は「退出ルール」設定でなく、「診断群分類を分ける」等の対応検討しては―入院医療分科会(3)
心電図モニター等を除外して試算し、中医協で「看護必要度から除外すべきか否か」決すべき―入院医療分科会(2)
2022年度改定で、どのように「ICU等設置、手術件数等に着目した急性期入院医療の新たな評価」をなすべきか―入院医療分科会(1)
2022年度の入院医療改革、例えば救急医療管理加算の基準定量化に踏み込むべきか、データ集積にとどめるべきか―中医協
看護必要度等の経過措置、今後のコロナ拡大状況を踏まえて、必要があれば拡大等の検討も―中医協総会(2)
看護必要度やリハビリ実績指数などの経過措置、コロナ対応病院で来年(2022年)3末まで延長―中医協・総会(1)
看護必要度見直し、急性期入院の新評価指標、救急医療管理加算の基準定量化など2022改定で検討せよ―入院医療分科会
回リハ病棟ごとにADL改善度合いに差、「リハの質に差」か?「不適切な操作」か?―入院医療分科会(5)
心電図モニター管理や点滴ライン3本以上管理など「急性期入院医療の評価指標」として相応しいか―入院医療分科会(4)
一部のDPC病棟は「回復期病棟へ入棟する前の待機場所」等として活用、除外を検討すべきか―入院医療分科会(3)
ICUの看護必要度においてB項目は妥当か、ICU算定日数を診療実態を踏まえて延長してはどうか―入院医療分科会(2)
救急医療管理加算、加算1・加算2それぞれの役割を踏まえながら「対象患者要件」の明確化・厳格化など検討していくべき―入院医療分科会(1)
高齢化・コロナ感染症で在宅医療ニーズは増大、量と質のバランスをとり在宅医療提供を推進―中医協総会(2)
コロナ禍の医療現場負担考え小幅改定とすべきか、2025年度の地域医療構想実現に向け大胆な改定とすべきか―中医協総会(1)
1泊2日手術等の「短手2」、4泊5日手術等の「短手3」、診療実態にマッチした報酬へ―入院医療分科会(3)
【経過措置】の療養病棟、あたかも「ミニ回リハ」のような使われ方だが、それは好ましいのか―入院医療分科会(2)
入退院支援加算等の最大のハードルは「専従の看護師等確保」、人材確保が進まない背景・理由も勘案を―入院医療分科会(1)

後発品の信頼性が低下する中でどう使用促進を図るべきか、不妊治療技術ごとに保険適用を検討―中医協総会(2)
医療従事者の働き方改革、地域医療体制確保加算の効果など検証しながら、診療報酬でのサポートを推進―中医協総会(1)
かかりつけ薬剤師機能、ポリファーマシー対策などを調剤報酬でどうサポートすべきか―中医協総会
回リハ病棟でのADL評価が不適切に行われていないか、心臓リハの実施推進策を検討してはどうか―入院医療分科会(2)
入院料減額されても、なお「自院の急性期後患者」受け入れ機能に偏る地域包括ケア病棟が少なくない―入院医療分科会(1)
かかりつけ医機能・外来機能分化を進めるための診療報酬、初診からのオンライン診療の評価などを検討―中医協総会(2)
感染症対応とる医療機関を広範に支援する【感染対策実施加算】を恒久化すべきか―中医協総会(1)
2020年度改定で設けた看護必要度IとIIの基準値の差は妥当、「心電図モニター管理」を含め患者像を明確に―入院医療分科会(2)
急性期入院の評価指標、看護必要度に加え「救急搬送や手術の件数」「ICU設置」等を組み合わせてはどうか―入院医療分科会(1)
2022年度診療報酬改定に向け「入院医療改革」で早くも舌戦、「看護必要度」などどう考えるか―中医協総会
大病院の地ケアでpost acute受入特化は是正されているか、回リハ病棟で効果的リハ提供進む―入院医療分科会(3)
適切なDPC制度に向け、著しく「医療資源投入量が少ない」「自院の他病棟への転棟が多い」病院からヒアリング―入院医療分科会(2)
看護必要度II病院で重症患者割合が増、コロナ対応病院よりも「未対応」病院で重症患者割合増が顕著―入院医療分科会(1)
不妊治療の方法・費用に大きなバラつき、学会ガイドライン踏まえ「保険適用すべき不妊治療技術」議論へ―中医協総会(3)
2022年度診療報酬改定論議、コロナ感染症の影響など見据え7・8月に論点整理―中医協総会(1)

医療部会も2022年度改定基本方針案を了承、12月10日の中医協に報告されるが正式諮問は年明けに—社保審・医療部会(1)
2022年度改定基本方針を了承、医療提供体制改革・医師働き方改革が重点課題—社保審・医療保険部会
2022年度診療報酬改定の基本方針策定は目前、オンライン資格確認稼働から1か月間の状況は―社保審・医療保険部会
2022年度診療報酬改定、「強固な医療提供体制の構築」「医療従事者の働き方改革」が重点課題―社保審・医療部会
かかりつけ医制度化を検討すべきか、感染症対策と医療提供体制改革はセットで検討を―社保審・医療保険部会(1)
平時に余裕のない医療提供体制では有事に対応しきれない、2022年度診療報酬改定での対応検討を―社保審・医療部会(1)
コロナ感染症等に対応可能な医療体制構築に向け、2022年度診療報酬改定でもアプローチ―社保審・医療保険部会(2)
「平時の診療報酬」と「感染症蔓延時などの有事の診療報酬」を切り分けるべきではないか―社保審・医療部会
診療報酬で医療提供体制改革にどうアプローチし、医師働き方改革をどうサポートするか―社保審・医療保険部会(1)

中小規模医療機関の標準準拠電子カルテ導入、基金や診療報酬活用して支援へ―医療情報ネットワーク基盤WG