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地域医療構想の実現に向け、都道府県単位の調整会議を設置せよ―厚労省

2018.7.2.(月)

 各都道府県において「都道府県単位の地域医療構想調整会議」を設置し、学識者を「地域医療構想アドバイザー」として推薦してほしい―。

 厚生労働省は6月22日に通知「地域医療構想調整会議の活性化に向けた方策について」を、6月26日に事務連絡「『地域医療構想アドバイザー』の推薦について」を発出し、都道府県にこういった点を要請しました。

調整会議メンバーに助言を行う地域医療構想アドバイザーの推薦を

 いわゆる団塊の世代が2025年にはすべて後期高齢者となるため、今後、医療・介護ニーズが飛躍的に増加していきます。この増大するニーズに的確に応え、効果的・効率的な医療・介護サービスを提供できる体制を再構築するために、例えば「地域医療構想の実現」が求められています。骨太方針2017(経済財政運営と改革の基本方針2017―人材への投資を通じた生産性向上―)では、「個別の病院名・病床数を明らかにし、機能転換に向けた具体的対応方針を速やかに策定するため、2017・18年度の2年間程度で集中的な検討を促進する」旨が指示されました(関連記事はこちら)。

 病院・病床の機能転換は「調整会議の議論などを踏まえて、医療機関が自主的に進める」ことが基本です。このため調整会議の議論を活性化することが、早急に求められ、厚労省の「地域医療構想ワーキンググループ」(「医療計画の見直し等に関する検討会」の下部組織、以下、ワーキング)で、(1)都道府県単位の調整会議を設定する(2)都道府県主催の研修会を設ける(3)学識者を「地域医療構想アドバイザー」とし、調整会議を支援してもらう―といった方針が固められました(関連記事はこちらこちらこちらこちら)。

厚労省は、この方針を具体化し通知・事務連絡を行ったものです。

まず(1)の「都道府県単位の調整会議」は、▼各構想区域の調整会議の運用(協議事項や年間スケジュールなど)▼各構想区域の調整会議の進捗状況(具体的対応方針の合意状況、再編統合論議の状況など)▼各構想区域の調整会議が抱える課題解決(参考事例の共有など)▼病床機能報告等から得られるデータ分析(定量的基準など)▼構想区域を超えた広域での調整が必要な事項(高度急性期の提供体制など)—に関する事項を協議するために設置されます(関連記事はこちらこちら)。

いわば「都道府県内の各調整会議が足並みを揃える」ための会議と言えるでしょう。したがって「各構想区域の調整会議の議長」が全員参加することが必要で、ほかに「診療に関する学識経験者の団体、その他の医療関係者」「医療保険者」などが参加することになります。もっとも、要職につく方々ばかりであり、日程調整等が難しくなることから、「既存の会議体などを活用し効率的に運用する」ことが可能です。

 
また(2)の「都道府県研修会」は、調整会議のメンバー等が地域医療構想の進め方について認識を共有するために行うものです。厚労省は定期的に都道府県の担当者や都道府県医師会・病院団体の関係者向けの研修会を開催しており、そこではワーキング等の議論の状況に関する情報提供、先進的事例の共有、グループワークなどが行われます(関連記事はこちら)。こうした研修を都道府県が、地域の関係者(調整会議のメンバーなど)向けに実施することになりますが、厚労省に講師派遣を求めることも可能です。

 
さらに(3)は、調整会議に参加し、助言等を行う「地域医療構想アドバイザー」を厚労省で養成するものです。都道府県から▼医療計画・地域医療構想を理解している▼医療政策・病院経営に関する知見を有する▼各種統計や病床機能報告などに基づいたアセスメントを行える▼都道府県医師会等の関係者と連携がとれる▼都道府県内に活動拠点を持つ―人材の推薦を受け、厚労省でアドバイザーとして選出し、研修の実施・データ提供などを行います。地域医療構想ワーキングでは、例えば「地元大学医学部の公衆衛生学研究者」などがアドバイザー候補としてあげられました(関連記事はこちら)。

各都道府県はアドバイザー候補者を7月27日までに、厚労省に宛てて推薦することになります(アドバイザーの任期は原則1年間)。

 
このほか厚労省は、今年度末(2018年3月31日)までに「すべての医療機関」について調整会議で協議を開始することを要請。まだ協議を開始していない医療機関については、2017年度の病床機能報告データ(6年後および2025年における各病棟の機能)を調整会議で共有し、協議を始めるよう指示していいます。
 
 
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