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フリーアクセスや医療技術の質、国民の半数超が満足―日本医療政策機構

2018.1.22.(月)

 医療全般に満足している国民は半数を切り、とくに「医療制度決定への参画、プロセスの透明化」について満足度が低い。逆にフリーアクセスや医療技術については半数超の国民が満足している—。

 日本医療政策機構が1月18日に発表した「2017年 日本医療に関する世論調査」結果から、こういった状況が明らかになりました(機構のサイトはこちら)。

政策決定への参画やプロセスの透明性で満足度低いが・・・

日本医療政策機構では、2006年から医療・医療制度への満足度などに関する世論調査を実施。2017年調査は、昨年(2017年)11月に、20歳以上の男女1000名を対象にインターネットで行われたものです。

回答者の年齢構成を見ると、▼20代:11.4%▼30代:14.9%▼40代:17.5%▼50代:15.3%▼60代:17.6%▼70代以上:23.3%—となっています。

まず医療制度に対する全般的な満足度を見ると、「大いに満足」(4.0%)と「やや満足」(43.0%)の合計は47.0%で、半数を切っています。2016年は57%が「大いに満足」または「まあ満足」となっており、2017年には大幅に減少(悪化)しているように見えますが、2017年調査から「分からない」が追加されたため、比較はできません。

詳細を見てみると、満足度が高い(「大いに満足」「やや満足」の合計割合が高い)のは、▼医療機関を自由に選ぶことできる(フリーアクセス):53.7%▼診断・治療などの技術の質:52.9%▼医療の安全性(医療事故防止):48.3%—などで、逆に満足度が低い(「大いに満足」「やや満足」の合計割合が低い)のは、▼制度決定への市民参加の度合い(制度に国民の声が反映されているか):21.0%▼制度決定プロセスの公正さ(制度をつくる過程の透明さ)21.8%▼医療制度の分かりやすさ(制度が複雑すぎないか):24.7%—などです。

医療機関を自由に選べることなどで満足度は高いが、政策決定への参画などの項目で満足度が低い

医療機関を自由に選べることなどで満足度は高いが、政策決定への参画などの項目で満足度が低い

 
日本医療政策機構は、このデータについて「今後も制度決定への国民の参画やプロセスの透明性のさらなる向上が求められる」とコメントしています。ただし、例えば診療報酬改定に対するパブリックコメントの件数を見ると、2016年度には1047件、2014年度には1027件、2012年度には1314件ありますが、そのほとんど(8割程度)は医療関係者の意見です。このため、一般国民がどれほど「政策決定議論に参画したい」と希望しているのか疑問も残ります。まずは、「現在、開かれている扉」(パブリックコメントは誰でも意見を寄せられる)をくぐることが重要でしょう。

 
「医療機関の患者に対するサービス」への満足度(「大いに満足」「やや満足」の合計)は34.0%ですが、細かく見てみると、▼医師の対応(70.9%)▼看護師の対応(56.2%)—などでは満足が高いものの、▼診療時間の長さ(22.1%)▼診療までの待ち時間(32.9%)—などでは満足度が低くなっています。

医療サービスに注目すると、医師・看護師の対応への満足度は高いが、診療時間や待ち時間では満足度は低い

医療サービスに注目すると、医師・看護師の対応への満足度は高いが、診療時間や待ち時間では満足度は低い

セルフメディケーション税制、6割が利用意向あるものの、国民への浸透が課題

ところで、2016年度から「健康の維持増進・疾病予防」に国民自身が取り組むことを奨励するため、「スイッチOTC医薬品」(要指導医薬品・一般用医薬品のうち、医療用から転用された医薬品)を購入した際に、その購入費用について所得控除を受けられる「セルフメディケーション税制」が導入されています。

この制度について、今般の調査では「内容までよく知っている」と答えた人は11.1%にとどまり、「言葉は知っているが意味はよく知らない」33.7%、「知らない」55.2%という状況が分かました。国民への浸透は進んでいないようです。

過半数の人はセルフメディケーション税制を知らない

過半数の人はセルフメディケーション税制を知らない

 
ただし、セルフメディケーション税制の利用意向を見ると、「積極的に利用したい」20.0%、「やや利用したい」42.5%と、6割超が利用に前向きであり、制度が浸透すれば、相当程度普及する可能性があることも分かっています。
セルフメディケーション税制について、肯定的な考えの人が多い

セルフメディケーション税制について、肯定的な考えの人が多い

リフィル処方箋、国民の8割超が導入に肯定的

さらに、中央社会保険医療協議会などでも議論されることのある「リフィル処方箋」(一定期間内に反復使用できる処方箋)については、「賛成」32.2%、「どちらかと言えば賛成」48.2%と、8割超が導入に肯定的な考えであることも分かりました。高齢者ほど肯定的な意見を持っています。

リフィル処方箋には8割の人が導入に肯定的である

リフィル処方箋には8割の人が導入に肯定的である

 
例えば慢性疾患患者で、状態が安定している場合には「定期的に医療機関を受診しなければならないが、同じ薬を処方されるだけである」というケースもあるでしょう。この場合、リフィル処方箋の導入で「医療機関受診の手間が省ける」「再診料や処方料が節約できる」とも思えます。しかし、「ほんとうに状態が安定しているかどうかは医師の診断を待たなければ分からない」との指摘もあり、総合的な検討が必要でしょう(関連記事はこちら)。
高齢になるほどリフィル処方箋には肯定的な人が多くなる

高齢になるほどリフィル処方箋には肯定的な人が多くなる

 
【更新履歴】医療全体への満足度が2016年から17年にかけて「大幅減少」としていましたが、2017年調査から「分からない」という項目を追加したため、単純比較はできず「大幅減少」との見解は誤っておりました。お詫びして、訂正させていただきます。記事は訂正済です。

 

 

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