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がん患者、透析患者、妊産婦や小児などが新型コロナに感染した場合の医療提供体制を早急に整備―厚労省

2020.4.16.(木)

がん患者や透析患者、妊産婦、小児など、新型コロナウイルスに感染した場合に重症化しやすい患者について、専門家や地域医療関係者等を交えて「新型コロナウイルス感染した場合の医療提供体制」を早急に整え、管下医療機関に医学会情報等を踏まえた周知を十分に行ってほしい―。

厚生労働省は4月14日に事務連絡「新型コロナウイルス感染症に対応したがん患者・透析患者・障害児者・妊産婦・小児に係る医療提供体制について」を示し、都道府県や医療現場に対応を依頼しました(厚労省のサイトはこちら)。

がん治療中の患者が新型コロナに罹患、原則「がん治療を中断」し、新型コロナ対応を

新型コロナウイルス感染症の猛威は衰えるところを知らず、我が国において感染患者数が急増し、残念なことに死亡者も出ています。これまでのデータからは、▼高齢者▼基礎疾患がある者(糖尿病、心疾患または呼吸器疾患を有する者、透析加療中の者など)▼免疫抑制状態である者(免疫抑制剤や抗がん剤を用いている者)▼妊娠している者―などで「重症化しやすい」(ハイリスク)ことが分かっており、特段の注意が必要となります。

今般の事務連絡では、重症化の恐れの高いと考えられる▼がん患者▼透析患者▼障害児者▼妊産婦▼小児―のそれぞれについて、医療提供上の留意点(新型コロナ感染防止策など)が整理されています。

まず「がん患者」への対応については、「がん治療(化学療法など)によって免疫機能が低下しているがん患者は、新型コロナウイルス感染症が重症化しやすい可能性がある」ことを再確認し、次のような医療提供体制を構築・整備することが求められます。

▽「がん治療を受けているがん患者」が新型コロナウイルス感染症に罹患した場合
重症化の可能性を念頭に置き、原則として「がん治療を中断」し、新型コロナウイルス感染症に対応した医療機関への入院(搬送)を行う
→がん治療の術後等で、患者を新型コロナウイルス感染症に対応した医療機関に搬送することが医学的に難しい状態である場合には、当該医療機関で院内感染対策を講じた上での治療を検討する

▽がん患者が「かかりつけでない医療機関に新型コロナウイルス感染症の治療目的で入院」した場合には、患者のがん治療の主治医と連携し治療を行う

▽各都道府県は、日本癌学会・日本癌治療学会・日本臨床腫瘍学会から発出される情報を参考に、各医療機関へ周知を行う

透析患者の新型コロナ罹患を想定し、透析治療行える感染患者受け入れ病院等の設定を

また、「透析患者」が新型コロナウイルスに感染した場合を想定し、各都道府県において次のような医療提供体制整備を進めることが急務となります。

「新型コロナウイルス感染症対策を協議する協議会」に「透析医療の専門家等」の参画を求め、▼透析患者が新型コロナウイルスに感染し、入院治療が必要となった場合▼新型コロナウイルス感染症が重症化した場合―を想定し、「透析治療を行える新型コロナウイルス感染症の入院患者、重症患者を受け入れる医療機関」を設定するなど、病床の確保に努める

▽透析患者の病院搬送が必要となった場合を想定し、都道府県の新型コロナウイルス感染症に係る調整本部等において、各都道府県の「透析治療の専門家」と連携し、当該患者の搬送調整を行う

▽各都道府県は、日本透析医会、日本透析医学会、日本腎臓学会から発出される情報を参考に、各医療機関への周知を行う



一方、障害児者(障害者総合支援法上の障害者および障害児)については、新型コロナウイルスに感染し▼酸素投与等の治療を要し、医療機関等への入院が必要となる場合▼新型コロナウイルス感染症が重症化し、集中治療を要する場合―を想定して、新型コロナウイルス感染症対策を協議する協議会で「障害児者各々の障害特性等を踏まえて、あらかじめ受け入れ医療機関の整備を行う」ことが必要です。

さらに、各都道府県の福祉部局や医療部局、衛生部局等が、各都道府県に設置されている新型コロナウイルス感染症に係る調整本部等と連携して「新型コロナウイルスに感染した障害児者の受け入れ医療機関の調整を行う」ことも求められます。

妊産婦が新型コロナに感染した場合を想定し、周産期医療協議会と連携した体制整備を

また、妊産婦の医療提供体制に関しては、既に示された厚労省事務連絡「新型コロナウイルス感染症に対応した医療体制に関する補足資料の送付について(その7)(3月19日付)において、「既存の地域の周産期協議会や、一般医療機関・地域周産期母子医療センター・総合周産期母子医療センターでの連携体制を活用し、『新型コロナウイルス感染症対策を協議する協議会』と連携しながら、妊産婦の病状(重症度、合併症の有無、妊娠週数等)や新型コロナ感染症の感染の有無を考慮し、地域の実情を加味しながら適切な周産期医療体制(受け入れ医療機関の設定や輪番の構築等の具体的な受け入れ体制を含む)を早急に検討する」こととされています。

さらに、今般の事務連絡では次のような点について早急に検討することも要請されています。

▽周産期医療協議会等において協議を行う事項
▼新型コロナウイルスに感染した妊産婦の状態(合併症の有無、妊娠週数など)や、新型コロナウイルス感染症の重症度を考慮した、受け入れ医療機関の設定や輪番等の構築
▼母体搬送、新生児搬送等が必要となった場合の搬送手段
「妊婦健診や分娩取扱医療機関の医療従事者が新型コロナウイルスに感染し、一時的に当該医療機関における外来診療・入院診療等が困難となった場合」などを想定した、当該医療機関への医療従事者の派遣検討

協議においては、▼「新型コロナウイルス感染症対策を協議する協議会」と連携する▼オンライン等(ビデオ会議システムなど)による協議会開催など、参加者の新型コロナウイルスの感染拡大防止・業務負担軽減に努める▼早急に体制を構築する(協議会での協議以外での方法(関係団体や専門家等との個別の協議など)でも構わない)―ことなどに留意することが必要です。

▽都道府県調整本部に係る事項
▼災害時小児周産期リエゾン、周産期の専門家などに対し、「必要に応じて都道府県調整本部等に参加する」ことを要請する
▼災害時小児周産期リエゾン、周産期の専門家などは、「妊産婦や新生児等の搬送・転院が必要となった場合」は、医療機関間での搬送、転院調整を行う

▽各医療機関へ周知を行う事項
▼「海外渡航歴があることを理由に診察を拒否する」ことがないよう周知を行う
▼各都道府県は、日本産科婦人科学会・日本産婦人科医会・日本産婦人科感染症学会から発出される情報を参考に、各医療機関への周知を行う

小児の新型コロナ患者数、重症者数を試算し、医療提供体制の整備進めよ

さらに小児に関しては、各都道府県で小児感染患者が増加する可能性を踏まえて、「小児集中治療・小児救急医療の専門家」「災害時小児周産期リエゾン」「地元医師会の小児医療担当者」「大学病院や小児専門病院の小児科医師等」に、必要に応じて「新型コロナウイルス感染症対策を協議する協議会」への参加を求め、次のような医療提供体制の整備について検討し、整備しておくことが必要です。

▽以下の計算式(既に示された厚労省事務連絡「国内で患者数が大幅に増えたときに備えた医療提供体制の確保について」(3月6日付)の計算式と同様)に沿い、ピーク時の小児感染患者数等を試算しておく(関連記事はこちら
▼ピーク時の1日当たり「新たに新型コロナウイルス感染症疑いで外来を受診する小児患者数」=(0-14歳人口)×0.18/100
▼ピーク時の1日当たり「新型コロナウイルス感染症で入院治療が必要な小児患者数」=(0-14歳人口)×0.05/100
▼ピーク時の1日当たり「新型コロナウイルス感染症で重症者として治療が必要な小児患者数」=(0-14歳人口)×0.002/100

▽上記試算結果を踏まえ、新型コロナウイルス感染症が疑われる小児の「外来診療」が可能な医療機関を選定する

▽上記試算結果を踏まえ、「入院を要する小児感染患者を受け入れられる医療機関」および「専門性の高い医療従事者を集中的に確保し、地域で新型コロナウイルス感染症の小児患者を重点的に受け入れる医療機関」(小児の重点医療機関)を選定する

▽上記試算結果を踏まえ、「集中治療を要する小児の重症者を優先的に受け入れる医療機関」を選定する

「新型コロナウイルス感染症が疑われる小児の外来診療を原則として行わない」医療機関 (例えば小児がん拠点病院など)を選定する

なお、各都道府県では▼協議会等の開催に関して「オンライン等」(ビデオ会議システムなど)を利用し、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防・業務軽減に努める▼都道府県の調整本部において、新型コロナウイルス感染症の小児患者が発生した場合、上記の小児医療の専門家等と連携して調整を行う▼日本小児科学会、日本小児科医会から発出される情報を参考に、各医療機関への周知を行う―ことが求められます。


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