血液を検体とする【BRCA1/2遺伝子検査】、「HER2陰性の術後薬物療法の適応となる乳がん患者」を対象に追加—厚労省
2022.8.26.(金)
【BRCA1/2遺伝子検査】のうち「血液を検体とするもの」について、「HER2陰性の術後薬物療法の適応となる乳がん患者」について治療法選択(抗がん剤選択)目的に行うケースを保険診療の対象に加える—。
厚生労働省は8月24日に通知「検査料の点数の取扱いについて」を発出し、こうした点を明らかにしました。同日(8月24日)から適用されています(厚労省サイトはこちら)。
HBOC診断に用いる場合の学会ガイドラインが更新された点にも留意を
D006-18【BRCA1/2遺伝子検査】(1腫瘍細胞を検体とするもの:2万200点、2血液を検体とするもの:2万200点)は、一定の施設基準を満たす医療機関において次のように実施した場合に算定が認められています。
(1)「1 腫瘍細胞を検体とするもの」は、▼初発の進行卵巣がん患者▼転移性去勢抵抗性前立腺癌患者—の腫瘍細胞を検体として、次世代シーケンシングにより「抗悪性腫瘍剤による治療法の選択」を目的として行った場合に算定可
(2)「2 血液を検体とするもの」は、▼転移性もしくは再発乳がん患者▼初発の進行卵巣がん患者▼治癒切除不能な膵がん患者▼転移性去勢抵抗性前立腺癌患者▼遺伝性乳がん卵巣がん症候群(HBOC)が疑われる乳がんもしくは卵巣がん患者(関連記事はこちら)—の血液を検体として、PCR法などにより「抗悪性腫瘍剤による治療法の選択」または「HBOCの診断」を目的として行った場合に算定可
(3)「2 血液を検体とするもの」についてHBOC診断を目的として当該検査を実施するに当たっては、厚生労働省がん対策推進総合研究事業研究班作成の「遺伝性乳癌卵巣癌症候群(HBOC)診療の手引き 2017年版」を参照する。また、その医療上の必要性をレセプトの摘要欄に記載する(関連記事はこちら)
今般、この解釈について次のような見直しが行われています。8月24日にから適用されており、乳がん患者には「治療法の拡大」につながる大事な見直しと言えます。
▽上記解釈(2)について、対象患者に「HER2陰性の術後薬物療法の適応となる乳がん患者」を追加する
→対象患者の1つめ「転移性もしくは再発乳がん患者」を「転移性、 再発、もしくはHER2陰性の術後薬物療法の適応となる乳がん患者」と改める
▽上記解釈(3)で参照するとされている診療の手引きを、最新版の「遺伝性乳癌卵巣癌症候群(HBOC)診療の手引き 2021年版」に改める(2021年版は有償販売されている)
【更新履歴】厚労省リンクを付記しました。
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