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肺がんのKRAS遺伝子変異(G12C)検査、MRAや百日咳の診断補助する検査などを保険適用—厚労省

2022.6.2.(木)

肺がんにおける「KRAS遺伝子変異(G12C)検査」を、D004-2【悪性腫瘍組織検査】の「イ 処理が容易なもの」のうち「(1)医薬品の適応判定の補助等に用いるもの」に位置付け、2500点の算定を可能とする—。

MRSA診断を補助する「黄色ブドウ球菌ペニシリン結合蛋白2’(PBP2’)検出」をD012【感染症免疫学的検査】に位置付け、291点の算定を認める—。

▼腟トリコモナス感染またはマイコプラズマ・ジェニタリウム感染」の診断を補助する【腟トリコモナス核酸及びマイコプラズマ・ジェニタリウム同時核酸検出】▼「百日咳」の診断を補助する【百日咳菌・パラ百日咳菌核酸同時検出】—を、それぞれD023【微生物核酸同定・定量検査】に位置付け、前者は350点、後者は360点の算定を認める—。

厚生労働省は5月31日に通知「検査料の点数の取扱いについて」を発出し、こうした点を明らかにしました。6月1日から適用されています(厚労省のサイトはこちら)。

肺がんG12C遺伝子異検査、「医薬品の適応判定補助」検査に位置付け2500点算定可

今般の通知では、まずD004-2【悪性腫瘍組織検査】に新検査方法を追加しています。

D004-2【悪性腫瘍組織検査】は、がん患者に対し適切な抗がん剤選択を行うために実施する遺伝子検査などを評価するものです。「特定の遺伝子変異がある場合に、特定の抗がん剤等が奏効する」といった治験が集積されてきたことを受けた点数項目で、次のように複雑な点数設定がなされています。

1 悪性腫瘍遺伝子検査
イ 処理が容易なもの
(1)医薬品の適応判定の補助等に用いるもの:2500点
(2)その他のもの:2100点
ロ 処理が複雑なもの:5000点
2 抗悪性腫瘍剤感受性検査 2,500点

▽注1 患者から1回に採取した組織等を用いて同一がん種に対して「1のイ」の検査を複数実施した場合は、検査の項目数に応じて次の点数を算定する
イ 2項目:4000点
ロ 3項目:6000点
ハ 4項目以上:8000点

▽注2 患者から1回に採取した組織等を用いて同一がん種に対して「1のロ」の検査を複数実施した場合は、検査の項目数に応じて次の点数を算定する
イ 2項目:8000点
ロ 3項目以上:1万2000点



点数表の解釈通知では、上記の各項目にどういった検査が該当するのかなどを詳細に示しており、「1 悪性腫瘍遺伝子検査」の「イ 処理が複雑なもの」のうち「(1) 医薬品の適応判定の補助等に用いるもの」とは、以下の遺伝子検査を「医薬品の適応判定補助等に用いることが薬事承認・認証されている体外診断用医薬品・医療機器を用いて▼リアルタイムPCR法▼PCR-rSSO法▼マルチプレックスPCRフラグメント解析法▼次世代シーンシング—で行う」場合に算定できるとされています。

(ア)肺がんにおけるEGFR遺伝子検査、ROS1融合遺伝子検査、ALK融合遺伝子検査、BRAF遺伝子検査(次世代シーケンシングを除く)、METex14遺伝子検査(次世代シーケンシングを除く)
(イ)大腸がんにおけるRAS遺伝子検査、BRAF遺伝子検査
(ウ)乳がんにおけるHER2遺伝子検査
(エ)固形がんにおけるマイクロサテライト不安定性検査
(オ)濾胞性リンパ腫におけるEZH2遺伝子検査

今般の通知では、(ア)の肺がん検査について、新たに「KRAS遺伝子変異(G12C)検査」を追加しています。その結果、(ア)の肺がん検査は次のようになります。
【見直し後】
(ア)肺がんにおけるEGFR遺伝子検査、ROS1融合遺伝子検査、ALK融合遺伝子検査、BRAF遺伝子検査(次世代シーケンシングを除く)、METex14遺伝子検査(次世代シーケンシングを除く)、KRAS遺伝子変異(G12C)検査

新たな検査法が保険適用され、肺がんと闘う患者・家族、肺がん治療に携わる医師には朗報と言えるでしょう。

MRSA診断を補助する「黄色ブドウ球菌ペニシリン結合蛋白2’(PBP2’)検出」を保険適用

また、D012【感染症免疫学的検査】において、新たな検査項目として「黄色ブドウ球菌ペニシリン結合蛋白2’(PBP2’)検出」が追加されます。医療現場では依然として「メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)感染症」の院内感染が大きな問題となっており、5月18日の中央社会保険医療協議会・総会で、MRSAの診断補助を迅速かつ勘弁に行える新検査手法の保険適用が承認されたことを踏まえたものです。

具体的には、次の2つのケースについて「黄色ブドウ球菌ペニシリン結合蛋白2’(PBP2’)」を、イムノクロマト法を用いて測定した場合に「291点」の算定が認められます(D012【感染症免疫学的検査】の「53 結核菌群抗原定性」の点数を準用)。
▽血液培養により黄色ブドウ球菌が検出された患者
▽免疫不全状態でMRSA感染症が強く疑われる患者

なお、▼本検査は、D023【微生物核酸同定・定量検査】の「16 ブドウ球菌メチシリン耐性遺伝子検出」(450点)が実施できない場合に限り算定する▼本検査を実施した場合の検体検査判断では、D026【検体検査判断料】の「7 微生物学的検査判断料」(150点)を算定する—ことになります。

百日咳の診断補助する新検査法などを新たに保険適用し、算定ルールを示す

5月18日の中医協総会では、▼腟トリコモナス感染またはマイコプラズマ・ジェニタリウム感染」の診断を補助する新検査手法▼「百日咳」の診断を補助する新検査手法—を保険適用することも承認されました。

これを受け、今般の通知ではD023【微生物核酸同定・定量検査】において、次の2点の見直し(新項目の解釈追加)も行われています。

【腟トリコモナス核酸及びマイコプラズマ・ジェニタリウム同時核酸検出】
→以下のケースについてリアルタイムPCR法により測定した場合に「350点」を算定できる(D023【微生物核酸同定・定量検査】の「10 HPV核酸検出」の所定点数を準用)
▽▼腟トリコモナス感染症が疑われ、鏡検が陰性または実施できない患者▼マイコプラズマ・ジェニタリウム感染症を疑う患者—に対し「治療法選択」のために実施した場合
▽▼腟トリコモナス感染症▼マイコプラズマ・ジェニタリウム感染症—の患者に対して「治療効果判定のために実施した場合

【百日咳菌・パラ百日咳菌核酸同時検出】
→関連学会が定めるガイドラインの百日咳診断基準における臨床判断例の定義を満たす患者に対し、PCR法により測定した場合に「360点」を算定できる(D023【微生物核酸同定・定量検査】の「12 百日咳菌核 酸検出、肺炎クラミジア核酸検出」の所定点数を準用)



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