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診療報酬改定セミナー2024 新制度シミュレーションリリース

悪性腫瘍遺伝子検査の「複雑なもの」に「甲状腺がんにおけるRET融合遺伝子検査」を追加し、高点数算定可—厚労省

2022.5.4.(水)

悪性腫瘍遺伝子検査の「処理が複雑なもの」に、新たに▼甲状腺がんにおけるRET融合遺伝子検査▼甲状腺髄様がんにおけるRET遺伝子変異検査—を追加。次世代シーケンシング等により行うことで、それぞれ5000点の高点数算定を可能とする—。

厚生労働省は4月28日に通知「『診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について』等の一部改正について」を発出し、こうした点を明らかにしました(厚労省のサイトはこちら)。この5月1日から適用されています。

甲状腺がん・甲状腺髄様がんにおいて、最適な治療法選択が可能な環境整える

今回の通知では、次の3本の診療報酬関連通知が改正されました。
(a)診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について(2022年3月4日付、保医発0304第1号)
(b)特定保険医療材料及びその材料価格(材料価格基準)の一部改正に伴う特定保険医療材料(使用歯科材料料)の算定について(2022年3月4日付、保医発0304第10号)
(c)特定保険医療材料の定義について(2022年3月4日付、保医発0304第12号)



このうち(a)に関しては、D004-2【悪性腫瘍組織検査】の解釈を見直しています。

D004-2【悪性腫瘍組織検査】は、がん患者に対し適切な抗がん剤選択を行うために実施する遺伝子検査などを評価するものです。「特定の遺伝子変異がある場合に、特定の抗がん剤等が奏効する」といった治験が集積されてきたことを受けた点数項目で、次のように複雑な点数設定がなされています。

1 悪性腫瘍遺伝子検査
イ 処理が容易なもの
(1)医薬品の適応判定の補助等に用いるもの:2500点
(2)その他のもの:2100点
ロ 処理が複雑なもの:5000点
2 抗悪性腫瘍剤感受性検査 2,500点

▽注1 患者から1回に採取した組織等を用いて同一がん種に対して「1のイ」の検査を複数実施した場合は、検査の項目数に応じて次の点数を算定する
イ 2項目:4000点
ロ 3項目:6000点
ハ 4項目以上:8000点

▽注2 患者から1回に採取した組織等を用いて同一がん種に対して「1のロ」の検査を複数実施した場合は、検査の項目数に応じて次の点数を算定する
イ 2項目:8000点
ロ 3項目以上:1万2000点



点数表の解釈通知では、上記の各項目にどういった検査が該当するのかなどを詳細に示しています。

例えば、「1 悪性腫瘍遺伝子検査」の「ロ 処理が複雑なもの」とは、以下の遺伝子検査を、「医薬品の適応を判定するための補助等に用いるものとして薬事承認・認証を得ている体外診断用医薬品・医療機器を用いて次世代シーケンシング等により行う」場合に算定できるとされています。
(ア)肺がんにおけるBRAF遺伝子検査(次世代シーケンシング)、METex14遺伝子検査 (次世代シーケンシング)、RET融合遺伝子検査
(イ)悪性黒色腫におけるBRAF遺伝子検査(リアルタイムPCR法)
(ウ)固形がんにおけるNTRK融合遺伝子検査、腫瘍遺伝子変異量検査
(エ)胆道がんにおけるFGFR2融合遺伝子検査

今般の通知では、新たに次の2種類の検査を「1 悪性腫瘍遺伝子検査」の「ロ 処理が複雑なもの」に追加することが明らかにされました。もちろん、「医薬品の適応を判定するための補助等に用いるものとして薬事承認・認証を得ている体外診断用医薬品・医療機器を用いて次世代シーケンシング等により行う」場合にのみ点数算定できる点に変わりはありません。

▽(オ)甲状腺がんにおけるRET融合遺伝子検査
▽(カ)甲状腺髄様がんにおけるRET遺伝子変異検査

甲状腺がん・甲状腺髄様がんに対する検査が高点数で評価されることになり、「最適な治療法」選択のための環境が整えられてきています。



また(b)の通知に関しては歯科用貴金属の価格高騰を踏まえた償還価格見直しを、(c)の通知に関しては▼血管造影用ガイドワイヤー▼経皮的カテーテル心筋焼灼術用カテーテル—について定義見直しを行っています。



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