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鎮静のための注射薬、「医師立ち会い」下で投与し、投与後の観察を確実に実施せよ―医療機能評価機構

2019.11.18.(月)

検査・治療時の鎮静に使用する注射薬の指示が適切に伝わらず、タイミングや投与量を誤ってしまった―。

日本医療機能評価機構が11月15日に公表した「医療安全情報 No.156」から、こうした事例が2015年1月1日から2019年9月31日の間に3件報告されていることが分かりました(機構のサイトはこちら)。

「医師が鎮静薬の投与量を決め、投与する」旨の指示が適切に伝わっていないことも

日本医療機能評価機構は、全国の医療機関(国立病院や特定機能病院等では義務)から医療事故やヒヤリ・ハット事例(事故に至る前に防いだものの「ヒヤリとした、ハッとした」事例)の報告を受け、その内容や背景を詳しく分析したうえで、事故等の再発防止に向けた提言等を定期的に行っています(医療事故情報収集等事業、関連記事はこちら)。

あわせて事故事例などの中から、とくに留意すべき事例を毎月ピックアップし、内容を簡潔に整理して「医療安全情報」として公表。医療現場に特段の注意を払うよう強く呼びかけています(最近の情報はこちら(小児用ベッドから転落事例)こちら(電子カルテの誤入力)こちら(ガーゼの体内残存2)こちら(ガーゼの体内残存1))。11月15日に公表された「No.156」では「鎮静に使用する注射薬の誤投与」がテーマとなりました。

ある病院では、医師が気管支鏡検査のため「ミダゾラム注射液10mg」1Aと「生理食塩液」20mLをオーダした際に、「気管支鏡検査室に持参」とのコメントを入れ忘れてしまいました。その後、検査室から連絡があり、看護師は注射指示を確認して検査前投薬と思い「ミダゾラム1A+生理食塩液20mL」を調製しました。病室で「全量」を投与したところ患者の自発呼吸が停止してしまいました。

また別の病院では、16時に患児の胆道シンチグラフィを予定。14時30分頃、検査室から連絡があり、看護師は医師に伝えず患児を検査室に連れて行きました。10分後、検査室から鎮静が必要と連絡があり、看護師は医師のオーダを確認した上、病棟に届いていた「イソゾール注射用0.5g」1Vを注射用水20mLで溶解して「全量」を「生理食塩液」100mLに混注し、検査室に持って行き、投与を開始しました。16時前に医師が検査の状況を聞いた際、看護師は「検査室に行きイソゾールを投与している」と答えたため、医師が急いで検査室に行ったところ患児の自発呼吸は微弱となっていました。

いずれの事例でも、「医師が投与量を決め、注射薬を投与する」予定でしたが、そうした点に関する指示が適切に伝わっておらず、看護師がタイミングや投与量を誤って投与しまったものです。機構では、こうしたミスは患者の生命に関わる非常に重大な事故と捉え、「鎮静に使用する注射薬は、医師の立ち会いのもとで投与し、投与後の観察を確実に実施する」よう強く要請しています。

医療安全情報No.156 191115



鎮静剤については「反応に大きな個人差」があることも知られており、添付文書でもこの点を留意するよう強調されています。例えば「ミダゾラム」では、「本剤への反応は個人差があり、患者の▼年齢▼感受性▼全身状態▼目標鎮静レベル▼併用薬―などを考慮して、過度の鎮静を避けるべく投与量を決定する。特に、高齢者、衰弱患者、心不全患者、麻酔薬・鎮痛薬(麻薬性および非麻薬性鎮痛薬)・局所麻酔薬・中枢神経系抑制薬等を併用する場合は投与量を減じる」「▼無呼吸▼呼吸抑制▼舌根沈下▼血圧低下―などが現れることがあるため、呼吸・循環の管理に注意し、術後は患者が完全に回復するまで管理下に置く」旨などが記載されており、こうした点について、薬剤部から看護師に十分に情報提供することも重要と言えます。

 
 

 

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