画期的な抗がん剤キイトルーダに劇症肝炎・肝不全の、乾癬等治療薬のトルツに間質性肺炎の副作用―厚労省
2021.6.17.(木)
画期的な抗がん剤である「キイトルーダ点滴静注」に、新たに▼劇症肝炎▼肝不全—の重大な副作用のあることが判明した。このため、定期的に、また腎細胞がん治療に用いる「インライタ錠」を併用する場合には頻回に、「肝機能検査」を行い、患者の状態を十分に観察することが求められる―。
また乾癬や脊椎炎の治療に用いる「トルツ皮下注」に、新たに間質性肺炎の重大な副作用が判明しており、▼咳嗽▼呼吸困難▼発熱—などが認められた場合には、速やかに胸部X線、胸部CT、血清マーカーなどの検査を実施し、間質性肺炎が疑われた場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤投与などの適切な処置を行う必要がある―。
厚生労働省は6月15日に通知「『使用上の注意』の改訂について」を発出し、こうした点について製薬メーカーに改訂を指示するとともに、医療現場に対し注意喚起を行いました(厚労省のサイトはこちら)。
(1)既存治療で効果不十分な▼尋常性乾癬▼関節症性乾癬▼膿疱性乾癬▼乾癬性紅皮症▼▼強直性脊椎炎▼X線基準を満たさない体軸性脊椎関節炎—の治療に用いる「イキセキズマブ(遺伝子組換え)」(販売名:トルツ皮下注80mgオートインジェクター、トルツ皮下注80mgシリンジ)
▽新たな【重大な副作用】:間質性肺炎(▼咳嗽▼呼吸困難▼発熱—などが認められた場合には、速やかに胸部X線、胸部CT、血清マーカーなどの検査を実施する。間質性肺炎が疑われた場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与などの適切な処置を行う)
(2)▼悪性黒色腫▼切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん▼再発・難治性の古典的ホジキンリンパ腫▼がん化学療法後に増悪した根治切除不能な尿路上皮がん▼がん化学療法後に増悪した進行・再発の高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-High)を有する固形がん(標準的治療が困難な場合のみ)▼根治切除不能・転移性の腎細胞がん▼再発・遠隔転移を有する頭頸部がん▼がん化学療法後に増悪したPD-L1陽性の根治切除不能な進行・再発の食道扁平上皮がん―の治療に用いる「ペムブロリズマブ(遺伝子組換え)」(販売名:キイトルーダ点滴静注100mg)
▽【重要な基本的事項】に、新たに「▼劇症肝炎▼肝不全—が現れることがある」旨を追記する。このため「▼劇症肝炎▼肝不全▼肝機能障害▼硬化性胆管炎—が現れることがあるので、肝機能検査を定期的(特に腎細胞がん治療に用いるアキシチニブ(販売名:インライタ錠1mg、同錠5mg)との併用投与時は頻回に)に行い、患者の状態を十分に観察する」ことが求められる。
▽新たな【重大な副作用】:劇症肝炎、肝不全
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