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診療報酬改定セミナー2024 看護モニタリング

統合失調症治療薬「クロザピン」、【禁忌】対象や血液検査頻度など見直し―厚労省

2021.6.8.(火)

治療抵抗性の統合失調症治療に用いる「クロザピン」(販売名:クロザリル錠25mg、同錠100mg)について、副作用である▼好中球減少症▼無顆粒球症▼耐糖能異常—を早期に発見し、早期に対処するために「CPMS」(クロザリル患者モニタリングサービス)という仕組み(血液検査→診察、処方→薬剤提供)が導入されている。

今般、CPMSを踏まえてクロザピンの添付文書を改訂し、【禁忌】対象者の見直し、【重要な基本的注意】に関する「血液検査の頻度」の見直しなどを行う―。

厚生労働省は6月3日に通知「『使用上の注意』の改訂について」を発出し、こうした点について製薬メーカーに改訂を指示するとともに、医療現場に対し注意喚起を行いました(厚労省のサイトはこちら)。



まず、【禁忌】について、新たに「CPMS(クロザリル患者モニタリングサービス)で定められた『再投与検討基準』に該当しない患者」も対象となりました。

●再投与検討基準(CPMS運用基準(ノバルティスファーマ社のサイト)より抜粋)
▽CPMS登録医により「本剤」と「発現した白血球数・好中球数減少」の関連がないと考えられること
▽患者または代諾者が本剤の再投与を希望し,同意を得ていること

あわせて、「無顆粒球症または重度の好中球減少症の既往歴のある患者」については、「無顆粒球症発現のおそれあり」として、これまで【禁忌】とされていましたが、このたび除外されることになりました。



また【重要な基本的注意】に関して、次のような見直しが行われます。

▽白血球数・好中球数が一定基準を下回った場合には、「CPMSで定められた血液内科医」等に連絡し、適切な処置を行う(これまでは、単に「血液内科医」に連絡し、適切な処置を行うとされていた)

▽白血球数・好中球数の減少により投与中止をした場合、CPMSで定められた「再投与検討基準」に該当しない限り再投与してはならない(従前は、単に「再投与してはならない」とされ、今般の見直しで一定の場合には「再投与」の道が開かれた)

▽再投与については、▼可否をCPMSで定められた血液内科医等に相談する▼再投与開始 から26週間は「週1回の血液検査」を行い、条件を満たした場合には、検査頻度を26週以降は「2週に1回」、52週以降は「4週に1回」にできる―

▽再投与から26週の白血球数・好中球数が一定以上で、血液障害以外の理由で1週間未満の投与中断の倍には、「中断前」の頻度での血液検査で良しとし、なお、条件を満たした場合には、検査頻度を26週以降は「2週に1回」、52週以降は「4週に1回」にできる(従前は、「2週に1回」の血液検査としていた)

▽好酸球増多症や血小板減少症が報告されており、検査値に異常が見られた場合には、投与を中止し「CPMSで定められた血液内科医等」に相談等する(これまでは、単に「血液内科医」に相談等することとされていた)



さらに【特定の背景を有する患者に関する注意】の項のうち【合併症・既往症等のある患者】として、次の者に関する項を新設する

▽CPMSで定められた「血液検査の中止基準」により、本剤の投与を中止したことのある患者(CPMSで定められた再投与検討基準に該当しない患者を除く)
→無顆粒球症が発現するおそれがあるため、CPMSで定められた血液内科医等との連携のもとで投与を行う。CPMSで定められた「血液検査の中止基準」により中止した後に再投与した患者では、「無顆粒球症を含む血球減少関連の事象が初回投与時と比較し早期に再発し、重症例が多かった」との報告あり

▽無顆粒球症または重度の好中球減少症の既往歴のある患者
→CPMSで定められた血液内科医等との連携のもとで投与を行う。無顆粒球症が発現するおそれあり



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