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「都道府県別・診療科別の必要医師数」、2020年早々までに日本専門医機構や基本領域学会等の協議会で検証

2019.6.24.(月)

 新専門医の資格取得を目指す専攻医(研修医)について、2020年度採用分から「都道府県別・診療科別の必要医師数」(厚生労働省推計)をベースにした新たなシーリング(採用数上限)が導入される。現在、基本領域学会で研修プログラムを作成しており、早ければ今年(2019年)9月にも専攻医登録開始となる。また2020年早々までに「都道府県別・診療科別の必要医師数」の検証を関係学会等を交えた協議会で進め、2021年度以降のシーリングに活かす―。

 日本専門医機構の寺本民生理事長は6月24日の定例記者会見で、このような考えを改めて説明しました。

6月24日の定例記者会見に臨んだ、日本専門医機構の寺本民生理事長(帝京大学・臨床研究センター長)

6月24日の定例記者会見に臨んだ、日本専門医機構の寺本民生理事長(帝京大学・臨床研究センター長)

 

「都道府県別・診療科別の必要医師数」推計、離島等への派遣医師は勘案しているのか

 従前の専門医資格は、各学会が独自に基準を設けて、養成・認定を行っていましたが、「国民に分かりにくい」「質の担保が不明確である」との批判を受け、2018年度から、学会と日本専門医機構が協働して養成プログラムを作成し、統一的な基準で認定する仕組みへと改められました。

ただし、「専門医の質を追求するあまり、専門医養成施設(研修病院)の要件が厳しくなり、地域間・診療科間の医師偏在が助長されてしまう」との声が医療現場に根強く、日本専門医機構、学会、都道府県、厚生労働省が重層的に「医師偏在の助長を防ぐ」こととしています。その一環として、「東京都、神奈川県、愛知県、大阪府、福岡県の5都府県では、基本領域ごとの専攻医採用数に上限(シーリング)を設ける」などの対策が図られています。

もっとも、現在のシーリング制度には明確な根拠がなく、日本専門医機構と厚生労働省の「医道審議会・医師分科会・医師専門研修部会」は、来年度(2020年度)から「診療科別・都道府県別の必要医師数」(厚労省推計)をベースとした、次のような「新たなシーリング」を導入することを決定しました。ただし、外科・産婦人科・病理・臨床検査・救急・総合診療では、さまざまな動きを勘案しなければならないためシーリングはかけられません(関連記事はこちら)。

(1)2016年の医師数(実数)が「2016年または2024年の必要医師数」(以下、必要医師数)を上回っている都道府県・診療科をシーリング対象とし、2020年度の採用数は「2019年度の採用実績」を上回らないこととする(例えば東京都・内科では2019年度の採用実績と同じ515名とする)

(2)採用数上限のうち、一部(2割程度を上限)を「シーリングのかかっていない都道府県」(内科では東京都・石川県・京都府・大阪府・和歌山県・鳥取県・岡山県・徳島県・高知県・福岡県・佐賀県・長崎県・熊本県以外)での勤務期間が50%以上となる連携プログラムとする(研修医視点では地域研修プログラム)とする(東京都の内科では77名分)

(3)連携プログラムの一部(5%を上限)を「医師不足が顕著な都道府県」(2016年の医師数が必要医師数の80%未満。内科では青森県・岩手県・秋田県・山形県・福島県・茨城県・埼玉県・千葉県・新潟県・福井県・山梨県・長野県・静岡県・宮崎県)での勤務期間が50%以上となる「都道府県限定分」連携プログラムとする(東京都の内科では12名分)

 来年度(2020年度)は、この(1)―(3)に則ったシーリングが適用され、現在、基本領域学会に「連携プログラム」等の要請がなされていることを寺本理事長は明らかにしています。基本領域学会の研修プログラムが出そろった段階で、各都道府県の地域医療対策協議会(新専門医制度について地域医療への悪影響がないかを検証し、考えを述べることができる会議体)にシーリング等に関するデータを提示。その意見を踏まえて、早ければ9月にも2020年度の専攻医登録が開始される見込みです。

 
 
 なお、厚労省の推計した「都道府県別・診療科別の必要医師数」に対しては、例えば「離島の多い自治体(長崎県や沖縄県など)については、『離島への派遣医師』分を考慮すべき」「精神科領域では『措置入院へ対応する医師』分を考慮すべき」という声が各学会から出ています。

そこで寺本理事長は、2021年度のシーリング設定に向けて、▼日本専門医機構▼関係学会(基本領域の学会)▼医師の人口動態(医師数動態)の専門家▼厚労省担当者―などで構成される「協議会」を設けて厚労省推計を検証する考えを示していました。協議会の立ち上げは、当初「2019年6月中」を目指していましたが、若干、遅れ「7月を目指す」ことになっている点が6月24日の定例記者会見で寺本理事長から明らかにされました(関連記事はこちら)。

基本領域学会は18あり(総合診療については基本領域学会がない)、1か月に一度、5学会が協議会に出席したとして、全基本領域学会の意見を吸い上げるだけで4か月かかります。さらに、最新の医師配置状況と言える「医師・歯科医師・薬剤師調査結果(2018年末の状況)」が今年(2019年)12月に公表される予定で、シーリングとの突合も必要となります。その後、年明け(2020年1月)にも具体的なシーリング設定に関する議論を行うことになります。

このため寺本理事長は、「都道府県別・診療科別の必要医師数に関する疑問を解消し、2021年度のシーリング方針が固まるのは、来年(2020年)早々になるのではないか」とも見通しています。

 

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