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急性期入院医療の評価指標、包括期入院医療の評価指標、看護必要度における内科評価などをさらに詳しく分析・検討—入院・外来医療分科会(4)

2025.8.4.(月)

7月31日に開催された診療報酬調査専門組織「入院・外来医療等の調査・評価分科会」(以下、分科会)では、これまでの議論を整理した「中間とりまとめ」を行いました(同日の医師診療科偏在是正支援に関する記事はこちら、身体拘束最小化・意思決定支援に関する記事はこちら、働き方改革支援に関する記事はこちら)。

急性期・高度急性期・包括期・慢性期の入院医療、入退院調整、看護必要度、救急医療、働き方改革、病棟での多職種ケア、生活習慣病対策、かかりつけ医機能、オンライン診療、個別的事項など、広範な分野について現状と課題を整理したうえで技術的な整理を行っています。若干、追記を求める声がありましたが概ね了承されており、近く尾形裕也分科会長(九州大学名誉教授)が親組織である「中央社会保険医療協議会・総会」に報告します。

●中間とりまとめ案はこちら(今後、文言が修正される可能性あり)
●関連資料はこちら(急性期入院医療、高度急性期入院医療、DPCこちら(包括期入院医療、慢性期入院医療、看護必要度)こちら(救急、入退院支援、働き方改革、多職種ケア)こちら(外来医療、オンライン診療、短期滞在手術等基本料、栄養管理など)こちら(DPCの現状1)こちら(DPCの現状2)

7月31日に開催された「令和7年度 第8回 入院・外来医療等の調査・評価分科会」

これまでの入院・外来医療分科会論議を中間整理、2025年度データも踏まえた分析継続

Gem Medで報じているとおり、2026年度の次期診療報酬改定に向けた議論が、中央社会保険医療協議会や入院・外来医療分科会などで精力的に進められています。
(中医協論議)
医療機関を取り巻く状況(経営状況等)
医療提供体制
外来(その1)
入院(その1)

(入院・外来医療分科会)
急性期入院医療
DPC
高度急性期入院医療
地域包括医療病棟
回復期リハビリ病棟
療養病棟
いわゆる包括期入院医療全体
その他、入院・外来全般
データ提出を評価する加算
生活習慣病管理料など
機能強化加算・地域包括診療料など
オンライン診療
入退院支援
看護師確保・負担軽減
多職種連携
急性期入院医療(その2)
重症度、医療・看護必要度
DPC(その2)
救急、高齢者入院医療
包括期医療(その2)
外来医療(その2)
薬剤業務
短期滞在手術等基本料1など
医師の診療科偏在是正支援
身体拘束最小化・意思決定支援
働き方改革支援



7月31日の入院・外来医療分科会では、これまでの議論を整理した「中間とりまとめ」を行いました。広範な医療分野について「現状・課題に関するデータ」と「入院・外来医療分科会で出された意見」を整理したうえで、「今後の検討の方向性」を示しています。内容は膨大なため、ポイントを絞って「今後の検討の方向性」を中心に眺めてみましょう。

まず急性期入院医療については、新たな地域医療構想において「急性期拠点」機能病院の集約化方針が示されていることも横目で見ながら、救急搬送受け入れ件数や全身麻酔手術件数、総合性などを指標に据えて「一般的急性期機能の評価」「拠点的急性期機能の評価」などを議論していくことを確認。あわせて「地域で果たす役割」を評価する観点から「地域シェア率」なども指標に据えられないかをさらに検討していきます(関連記事はこちらこちら)。



またDPCについては、主に「急性期入院医療を評価するにふさわしい複雑性係数の在り方」、「再入院・再転棟ルールの在り方」、「在院日数短縮に資する点数設定方式の在り方」を議論していきています。DPC制度への参加病院に「中小規模のケアミクス病院」が増加し、「急性期入院医療を評価するDPC制度に課題」が出ていることを踏まえた議論で、今後も前述の論点を中心に議論を深めていきます(関連記事はこちらと・こちら)。



他方、高度急性期入院医療については、「ICU等のユニットを持つべき病院の機能をどう考えるか」、「ユニットへの医師配置をどう考えるか」、「2024年度診療報酬改定で創設された【特定集中治療室遠隔支援加算】の在り方をどう考えるか」などを中心に議論しており、今後、▼「救急搬送件数や年間全身麻酔手術実施件数が一定以上である病院」と、それ以外の病院とで、ユニット入室患者の重症度等がどう異なるのか▼専任医師が宿日直を行う医師ではないICU1-4と、専任医師が宿日直を行えるICU5・6とで、どういった違いがあるのか—について、さらに分析を進めることが確認されました(関連記事はこちら)。



一方、包括期入院料に関しては、2024年度診療報酬改定で新設された【地域包括医療病棟】を中心に施設基準の在り方、ケアミクスの在り方などを、さらに回復期リハビリ病棟におけるリハビリ実績指数、廃用症候群リハビリ料の包括化などを議論してきました。今後、▼包括期入院料の評価指標(救急搬送の受け入れ、在宅・施設等の後方支援など)▼地域包括医療病棟の施設基準設定▼高齢者の入院を幅広く担えるような評価方法▼回復期リハビリ病棟の施設基準—などを検討していきます(関連記事はこちら(地域包括医療病棟)こちら(回復期リハビリ病棟)こちら(包括期入院医療全体)こちら(救急、高齢者入院医療)こちら(包括期医療その2))。



また、看護必要度に関しては、これまで▼内科系疾患の評価の在り方▼B項目の在り方▼特定集中治療室などにおける看護必要度の在り方(例えば、致死性不整脈等のリスクに備えた管理はの重要性を踏まえた蘇生術施行・電気的除細動・抗不整脈薬投与・一時的ペーシング等の処置などのひょうか)—などに焦点を合わせた議論が進められてきています。今後は、より詳しく、特定集中治療室・ハイケアユニット用の看護必要度について▼「動脈圧測定(動脈ライン)」「中心静脈圧測定(中心静脈ライン)」の実施状況、「シリンジポンプの管理」(1点であり利用しにくい)の実施状況▼蘇生術施行・電気的除細動・抗不整脈薬の投与・一時的ペーシングなどの実施状況—を詳しく分析するほか、一般病棟の看護必要度について▼内科症例が評価されにくい点を踏まえた、指標変更の場合の試算▼B項目の高齢者入院を評価する指標としての更なる有用性、測定負担軽減方法などの検討—を実施する方針が明示されました(関連記事はこちら)。



さらに救急医療に関しては、今後、▼救急患者連携搬送において「受け入れ側医療機関の評価」や、「民間の患者等搬送事業者の活用」を検討する上での課題について更に分析を進める▼救急外来応需体制に関する評価について、「院内トリアージ実施料」「夜間休日救急搬送医学管理料」「救急医療管理加算」等の実態を踏まえ、更に検討する—方針が示されました(関連記事は救急、高齢者入院医療)。



また、入退院支援に関しては、今後示される2025年度の調査結果をもとに【入退院支援加算】や【入院時支援加算】などについて、病院・病棟の機能ごとに入退院支援部門に期待される機能や、医療介護連携を更に推進する点に関する検討が進められます(関連記事はこちら)。



他方、外来医療については、「かかりつけ医機能報告」の制度化の状況、2024年度診療報酬改定における生活習慣病管理に関する評価見直しの影響、外来医療の機能分化の状況などを踏まえて、今後、▼複数疾患や生活の場を含めた包括的な診療を必要とする患者についての更なる分析▼生活習慣病管理料(I)(II)を算定する患者の特性等についての更なる分析▼特定機能病院等の再診患者の特性や、地域の診療所と連携して診療にあたっている患者数の更なる分析▼特定機能病院等が再診患者の逆紹介を行う上での課題、診療所が病院からの紹介患者を受け入れる上での課題、病院の専門医師と地域のかかりつけ医師が連携をしながら共同で継続的に治療管理を行う取り組み状況についての更なる分析—が進められます(関連記事はこちらこちらこちら)。



他方、オンライン診療に関しては、今後▼オンライン診療と対面診療の診療内容の違いについての分析▼オンライン診療による向精神薬の処方実態についての分析▼D to P with Dにおける「医療的ケア児に対する診療」や訪問診療における耳鼻科等の疾患に対する診療実態を踏まえた分析▼D to P with Nに関する診療報酬算定要件の明確化に向けた検討▼き地等におけるオンライン診療に関する、患者住所地と医療機関住所地の関係や医療機関間の連携についての分析—が進められます(関連記事はこちら)。



7月31日の入院・外来医療分科会では、▼かかりつけ医機能報告制度は「かかりつけ医を指定・認定する」仕組みではなく、診療報酬(地域包括診療料・加算や機能強化加算など)とかかりつけ医機能報告制度を連動させてはいけない(今村英仁委員:日本医師会常任理事)▼回復期リハビリ病棟における「廃用症候群リハビリ料の上限厳格化」について、反対意見もあることを明示すべき(井川誠一郎委員:日本慢性期医療協会副会長)—との指摘が出ています。

今後、尾形科会長(九州大学名誉教授)と厚労省で文言の調整を行ったうえで、近く中医協総会に報告が行われます。

その後、中医協意見や2025年度調査の結果を踏まえて、上記の方針に沿った分析・検討が入院・外来医療分科会でさらに進められます。



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物価・人件費等の急騰で病院経営は危機、入院基本料の大幅引き上げ・人員配置によらないアウトカム評価の導入などが必要—日病協

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