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歯科でも新型コロナ感染防止のために電話等初診を臨時特例的に認める―厚労省

2020.4.30.(木)

新型コロナウイルス感染の拡大を防止するために、歯科においても初診からの電話や情報通信機器等による診療を認めるが、対面診療とは治療内容等が異なるため「185点」(C000【歯科訪問診療3】の点数を準用)を算定することとする―。

また、健康相談との違いを明確にするために、電話や情報通信機器等による歯科診療は「原則として処方を行った場合」のみ、診療報酬を算定できる―。

厚生労働省は4月27日に事務連絡「新型コロナウイルス感染症に係る診療報酬上の臨時的な取扱いについて(その15)」を示し、こうした点を明らかにしました(厚労省のサイトはこちら)。

ただし、「原則として医薬品が処方されたケース」のみとする

新型コロナウイルスの猛威はとどまるところを知らず、我が国でも感染患者が急増しています。安倍晋三内閣総理大臣は、感染拡大を防止し、医療提供体制を確保するために4月7日に新型インフルエンザ等対策特別措置法第32条第1項に基づいて緊急事態宣言を行うとともに、「緊急経済対策」を閣議決定。さらに4月16日には緊急事態宣言の対象を、従前の7都県(▼埼玉県▼千葉県▼東京都▼神奈川県▼大阪府▼兵庫県▼福岡県―)から、全国に拡大しています。

医療提供体制に関しては、2月25日の「新型コロナウイルス感染症対策の基本方針」において、▼患者数増等を見据え、医療機関における病床や人工呼吸器等の確保を進める▼患者数が大幅に増えた状況では、一般医療機関の外来で、診療時間や動線を区分するなどの感染対策を講じた上で、新型コロナウイルス感染疑い患者を受け入れる▼高齢者や基礎疾患を有する者では、重症化しやすいことを念頭におき、より早期・適切な受診につなげる▼風邪症状がない高齢者や基礎疾患を有する者等に対する継続的な医療・投薬等については、感染防止の観点から、「電話による診療等により処方箋を発行する」など、極力、医療機関を受診しなくてもよい体制を構築する―などの考えを明確化し、患者数拡大に合わせて順次、この基本方針の具体化が進められています。また新型コロナウイルス感染の診断を補助するPCR検査が3月6日から保険適用されています。

また、▼新型コロナウイルス感染拡大の防止▼新型コロナウイルス感染症患者への十分な医療提供確保―を目指した診療報酬上の柔軟対応や特例が順次行われてきています(関連記事はこちらこちらこちらこちらこちらこちらこちらこちらこちらこちら)。

前者については、「医療機関の直接受診による新型コロナウイルス感染」を防止するために、電話や情報通信機器等(以下、電話等)を用いた診療が特例的に大幅拡大されており、今般、とりわけ感染リスクが高いと考えられる歯科診療においても電話等による保険診療の拡大が中央社会保険医療協議会・総会で認められたものです(関連記事はこちら)。

まず、歯科診療においても「初診からの電話等診療」が、次のように臨時特例的に認められました。

▽患者から電話等で診療等の求めを受けた場合に、歯科医師は「電話等による診療で、診断や処方が自分の責任の下で医学的に可能である」と判断した範囲において、初診から電話等による診断や処方をして差し支えない

▽ただし、この場合、麻薬・向精神薬の処方をしてはならない

▽できる限り、▼過去の診療録▼診療情報提供書▼地域医療情報連携ネットワーク▼健康診断の結果―などで、患者の口腔内の状況や基礎疾患の情報を把握・確認した上で診断や処方を行う

▽診療録等により口腔内の状況や基礎疾患の情報が把握できない場合は、処方日数は7日間を上限とし、▼麻薬▼向精神薬▼特に安全管理が必要ないわゆる「ハイリスク薬」(抗悪性腫瘍剤、免疫抑制剤など)の処方をしてはならず、この場合に作成された「診療録」等は前述の「診療録等」には該当しない(この場合に作成された「診療録」等をもって、口腔内の状況等が把握できるとして、8日以上の処方やハイリスク薬の処方等を行うことはできない)

▽初診から電話等を用いた診療を実施する場合には、▼初診から電話等を用いた診療を行うことが適していない症状や疾病等、生ずるおそれのある不利益、急病急変時の対応方針等について、歯科医師から患者に対して十分な情報を提供し、説明した上で、その説明内容について診療録に記載する▼対面診療が必要と判断される場合は、電話等を用いた診療を実施した医療機関において速やかに対面による診療に移行する、または、あらかじめ承諾を得た他の医療機関に速やかに紹介する▼電話等を用いた診療を行う場合には、患者のなりすましの防止や虚偽の申告による処方を防止するための措置(顔写真付きの身分証明書での本人確認など)をとる―ことが必要となる



こうした電話等による初診では、通常の対面による診療に比べて「得られる情報が少ない」「実施可能な診療内容が少ない」ことから、「185点」(C000【歯科訪問診療3】の点数を準用)を算定することになります(レセプトに「コロナ特例」と記載)。

医薬品の処方やファクシミリ等による薬局への処方箋情報送付に関しては、通常の「調剤料」「処方料」「処方箋料」「調剤技術基本料」「薬剤料」を算定することが可能です。



また、既に継続的に受診している患者に対して、電話等で再診を行うことも可能です。例えば「痛みが強くなってきたので鎮痛剤を処方してほしい」という患者に電話等相談に対し、必要な指導等を行ったうえで、鎮痛剤を処方するケースなどが考えられそうです。ただし、「電話等による診療のデメリット」などを十分に説明し、同意を得ておくことが必要です。

この場合には、歯科診療報酬に係る施設基準の届出状況に応じて、対面診療において医療機関が算定していたA002【再診料】(44点、53点、73点)をそれぞれ算定することになります。この場合も、レセプトに「コロナ特例」と記載することが必要です。



なお、電話等による歯科診療では、実施可能な医療行為が極めて限定され、「電話等による健康相談等」との区別が非常に難しくなります。この点、中央社会保険医療協議会・総会の意見も踏まえて「原則として処方を行った」ケースに限定されることが明確にされました。



このほか、次のような点も明らかにされています。

▽B000-4【歯科疾患管理料】、B002【歯科特定疾患療養管理料】を算定する定期受診患者に対して、電話等で歯科診療を行った場合には、B001-3【歯周病患者画像活用指導料】およびB004-6-2【歯科治療時医療管理料】の合計となる「55点」を月1回に限り算定する。B001-3【歯周病患者画像活用指導料】については「1枚撮影したもの」として算定する

▽A000【初診料】の「1 歯科初診料」に規定される研修について、新型コロナウイルスの感染拡大防止のため実施できない場合には、当該施設基準の届け出を辞退する必要はなく、「可能な範囲で実施し、実施できるようになった場合には、速やかに本来の研修を受講する」こととする

歯科診療報酬の特例(中医協総会5 200424)


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