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有床診、すでに6500施設を割り込んでいる可能性大―医療施設動態調査(2020年2月)

2020.5.12.(火)

有床診療所の減少スピードは依然として続いており、既に今年(2020年)4月末には施設数が6500を割っている可能性が高い。また来年(2021年)5月にはベッド数が8万5000床を切る見込みである—。

こうした状況が、厚生労働省が5月8日に公表した医療施設動態調査(2020年2月末概数)から明らかになりました(厚労省のサイトはこちら)。

医療施設動態調査(2020年2月) 200508

有床診の施設数、既に2020年4月末に6500を切っている可能性大

厚労省は、「医療施設動態調査」として、毎月末における病院・診療所の施設数および病床数を公表しています(前月末の状況はこちら、前々月末の状況はこちら、さらにその前の月末の状況はこちら)。今年(2020年)2月末の状況を見ると、全国の医療施設は17万9212施設で、前月末から5施設の増加となりました。

このうち病院の施設数は、前月末から1施設増加し8282施設となりました。病院種類別に見ると、▼一般病院:7228施設(前月から増減なし)▼精神科病院:1054施設(同1施設増加)—などという状況です。一般病院のうち、「療養病床を有する病院」は3649施設で前月末から7施設減少、「地域医療支援病院」は619施設で前月末から増減はありません。

地域医療支援病院に関しては、昨年(2019年)8月に厚労省の「特定機能病院及び地域医療支援病院のあり方に関する検討会」で承認要件の見直し内容が固められました。現在の(1)紹介患者への医療提供(かかりつけ医への逆紹介も含む)(2)医療機器の共同利用(3)救急医療の提供(4)地域の医療従事者への研修の実施―という4つの役割・機能に加え、新たに「地域(都道府県)の判断で、医師の少ない地域への医師派遣実施などのプラスアルファ要件を追加(厳格化)できる」とするものです(関連記事はこちらこちらこちら)。医療法改正案が国会に上程される見通しでしたが、新型コロナウイルス感染症の影響で遅れが出ています。今後の動きに注目する必要があります。

また、2020年度診療報酬改定に向けた中央社会保険医療協議会の論議では、「紹介なし外来患者からの特別負担徴収」を一般病床200床以上の地域医療支援病院に拡大することが決まりました(関連記事はこちら)。これらも地域医療支援病院の整備数に一定の影響を及ぼすと考えられますがやはり「新型コロナウイルス感染症」という新たなファクターがどのように作用するのか、今後の動きを見ていく必要があるでしょう。



診療所に目を移してみると、医科診療所は10万2611施設で、前月末から12施設増加しました。このうち有床診療所は前月末から21設減少し、6531施設となりました。無床の医科診療所は前月から33施設増加していますが、新型コロナウイルス感染症の影響により「患者数の減少」(新型コロナウイルス感染を避けるために受診を控える)→「経営の悪化」が生じ、今後、施設数が減少していく可能性もあるでしょう。

有床診療所の施設数は、2年前(2018年2月末)には7166施設(厚労省のサイトはこちら)、1年前(2019年2月末)には6806施設(厚労省のサイトはこちら)であったので、2018年2月末から2019年2月末までの1年間で360施設の減少、さらに今年(2020年)2月末までの1年間で275施設の減少となっています。有床診療所の施設数は、2019年2月末以降、次のように推移しています。

▼2019年2月末:6806施設
↓(32施設減)
▼2019年3月末:6774施設
↓(44施設減)
▼2019年4月末:6730施設
↓(24施設減)
▼2019年5月末:6706施設
↓(9施設減)
▼2019年6月末:6697施設
↓(16施設減)
▼2019年7月末:6681施設
↓(19施設減)
▼2019年8月末:6662施設
↓(18施設減)
▼2019年9月末:6644施設
↓(25施設減)
▼2019年10月末:6619施設
↓(19施設減)
▼2019年11月末:6600施設
↓(19施設減)
▼2019年12月末:6581施設
↓(29施設減)
▼2020年1月末:6552施設
↓(21施設減)
▼2020年2月末:6531施設

この1年間は、1か月当たり「23施設弱」のペースで減少が続いています。現在のペースが続くと仮定すれば、今年(2020年)4月末に6500施設を割る計算(先月までと同じペース)で、すでに現時点で6500施設を割っている可能性が高いと考えられます。

有床診のベッド数、2021年5月末に8万5000床を割ってしまう可能性

医療施設の病床数(ベッド数)に目を移すと、全体では、今年(2020年)2月末には161万4533床で、前月末から1787床の大幅減少となりました。2019年10月→11月で933床減、2019年11月→12月で969床減、2019年12月→2020年1月で1014床減と大幅減少が続いています。

このうち病院の病床数は152万5088床で、前月末から1550床も減少しました。医療法上の病床種類別に見ると、▼一般病床:88万8440床(前月末から17床増加)▼療養病床:30万4531床(同1334床減少)▼精神病床:32万5985床(同185床減少)—などとなっています。

また、有床診療所の病床数は前月末から237床減少し、8万9389床となりました。2年前(2018年2月末)には9万7731床(厚労省のサイトはこちら)、1年前(2019年2月末)には9万3069床(厚労省のサイトはこちら)であったので、2018年2月末から2019年2月末までの1年間で4662床減少、そこから今年(2020年)1月末までの1年間で3680床減少しています。2019年2月末以降、有床診のベッド数は次のように推移しています。

▼2019年2月末:9万3069床
↓(470床減)
▼2019年3月末:9万2599床
↓(669床減)
▼2019年4月末:9万1930床
↓(320床減)
▼2019年5月末:9万1610床
↓(112床減)
▼2019年6月末:9万1498床
↓(212床減)
▼2019年7月末:9万1286床
↓(218床減)
▼2019年8月末:9万1068床
↓(243床減)
▼2019年9月末:9万825床
↓(353床減)
▼2019年10月末:9万472床
↓(224床減)
▼2019年11月末:9万248床
↓(291床減)
▼2019年12月末:8万9957床
↓(331床減)
▼2020年1月末:8万9626床
↓(237床減)
▼2020年2月末:8万9389床

この1年間では、1か月当たり「306床強」のペースで減少が続いています。現在のペースが継続すると仮定すれば、来年(2021年)5月末には8万5000床を切る計算です(前月末よりも1か月遅いペース)。



厚労省は、2018年度の前回診療報酬(介護報酬との同時改定)で、有床診療所を(1)専門特化型(2)地域包括ケア型―の2類型に分け、後者の『地域包括ケア型』について「過疎地などにおける入院医療の重要な支え手(地域包括ケアシステムの重要な担い手)であるものの、経営が厳しく、存続が困難」といった課題に直面していることを重視。有床診経営をサポートするために、要介護者の受け入れを【介護連携加算】で評価するなどの報酬見直しを行いました(関連記事はこちらこちら)。

さらに、2020年度の今回診療報酬改定では、次のような見直しが行われています(関連記事はこちら)。

▼【有床診療所一般病床初期加算】(急性期病棟からの転棟患者受け入れを評価する)について、点数を150点に引き上げ(50点増)、算定上限日数を「転棟等日から14日」に延長する(7日間延長)

▼【医師配置加算】について、加算1を120点(32点増)、加算2を90点(30点増)に引き上げる

▼【看護配置加算】について、加算1を60点(20点増)、加算2を35点(15点増)に引き上げる

▼【夜間看護配置加算】について、加算1を100点(15点増)、加算2を50点(15点増)に引き上げる

▼【看護補助配置加算】について、加算1を25点(15点増)、加算2を15点(10点増)に引き上げる

▼【有床診療所緩和ケア診療加算】について、250点に引き上げる(100点増)

これらの効果が今後、どのように現れてくるのか状況を注視していく必要があるでしょう。

有床診が地域で果たす機能(その2)(中医協総会(2)7 191127)


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