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診療報酬改定セミナー2024 2024年度版ぽんすけリリース

糖尿病治療薬「フィアスプ注」、薬剤がゲル化し必要量が投与されず高血糖等引き起こす危険あり―PMDA

2022.4.8.(金)

糖尿病治療薬「フィアスプ注」をインスリンポンプで使用するにあたり、「薬剤がゲル化→必要量が投与されず、高血糖等を引き起こす危険がある」ことが判明した。医療機関等では、患者に対し「製剤に付着物、浮遊 物、塊、薄片などがみられた場合には使用しない」「インスリンポンプの動作状況、自身の血糖コントロール状況を確認する」「万一の事態に備えて他のペン型注入器製剤などを携帯する」「ペン型製剤の誤った使用法はしない」などの指導を行ってほしい―。

医薬品医療機器総合機構(PMDA)は4月1日に、製薬メーカーからの適正使用等に関する情報提供として「『フィアスプ注』インスリンポンプでの適正使用のお願い」を公表しました。医療機関・薬局において最大限の留意が必要です(PMDAのサイトはこちら)。

「ペン型製剤から注射液抜き取って使用する」ことはできない点にも留意を

「フィアスプ注100単位/mL」(一般名:インスリン アスパルト(遺伝子組換え))は「インスリン療法が適応となる糖尿病」治療薬で、2020年2月に販売開始されました。

添付文書によれば▼必要に応じポータブルインスリン用輸液ポンプを用いて投与する▼持続皮下インスリン注入療法(CSII療法)に用いる場合は、ポータブルインスリン用輸液ポンプの取扱説明書に記載された器具を用いる―旨が記載されています。

また同成分の「フィアスプ注フレックスタッチ」「フィアスプ注ペンフィル」も販売されています。後述するように、こちらの製剤では「カートリッジ内に充填された注射液をシリンジで抜き取って使用する」ことはできません。



これら製剤について、今年(2022年)2月28日までに次のような不具合が報告されています。「ゲル化の原因」「薬剤の保存状態」については調査中となっています。

▽フィアスプペンフィルから注射液を抜き取ってインスリンポンプに充填し投与(誤った使用方法である)した患者において、インスリンポンプにセットされた注射液にゲル化がみられ、重篤な高血糖に至った(1例)

▽「フィアスプ注100単位/mL」で注射液のゲル化がみられた(8例)



「注射液のゲル化」→「インスリンポンプ内で閉塞してしまう」→「必要量のインスリンが投与されない」→「重篤な高血糖関連事象が生じる」可能性があるため、メーカー(ノボ ノルディスクファーマ社)およびPMDAは「フィアスプ注をインスリンポンプで使用する場合」には次のような点に留意するよう医療現場に求めています。

(1) インスリンポンプ使用患者に対し「『フィアスプ注100単位/mL』の注射液中に付着物、浮遊物、塊、薄片などが見られた場合には使用しない」ように指導する

(2) インスリンポンプ使用患者に対し「インスリンポンプの内部を確認し、注射液の外観に変化(付着物、浮遊物、 塊、薄片など)が見られた場合は、ポンプ部品(リザーバー・チューブ)を交換し、それまで使用していたフィアスプ注100単位/mLは使用せず新しい製剤に変更する」ように指導する

(3) インスリンポンプが適切に作動しない場合には、高血糖・糖尿病性ケトアシドーシスに至る危険性がある。インスリンポンプ使用患者に対し「インスリンポンプの動作状況および患者自身の血糖コントロール状況を確認する」ように指導する

(4) ポンプシステムが適切に作動しない場合に備え「他のインスリン注射手段(ペン型インスリン注入器製剤等)を常に携帯する」ように指導する

(5) ▼フィアスプ注ペンフィル(専用ペン型注入器を用いて使用するカートリッジ製剤)▼フィアスプ注フレックスタッチ(既に薬剤がセットされたペン型注入器製剤)—はインスリンポンプでは使用できない。「インスリンポンプ使用患者に対してペンフィル・フレックスタッチを処方する」ことや、「カートリッジ内に充填された注射液をシリンジで抜き取って使用する」ように指導することは行わない



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