Generic selectors
Exact matches only
Search in title
Search in content
Search in posts
Search in pages
新型コロナ対策 症例Scope

有床診の減少に歯止めかからず、2022年6月末に6000施設・9月末に8万床を切ってしまう―医療施設動態調査(2021年2月)

2021.5.11.(火)

有床診療所の減少には全く歯止めがかからず、現在の減少ペースが維持されると仮定すれば、来年(2022年)6月末に6000施設を割り、同じく来年(2022年)9月末には8万床を切ってしまう―。

厚生労働省が5月7日に公表した医療施設動態調査(2021年2月末概数)から、こうした状況が分かりました(厚労省のサイトはこちら)。

今年(2021年)1月から2月にかけての、医療施設数・ベッド数の状況(医療施設動態調査(2021年2月) 210507)

有床診の減少止まらず、現行ペースでは「2022年6月」に6000施設を切る

厚労省は、「医療施設動態調査」として、毎月末における医療機関(病院・診療所)の施設数・病床数を公表しています(前月末の状況はこちら、前々月末の状況はこちら、その前の月末の状況はこちら)。今年(2021年)2月末における全国の医療施設は17万9358施設となり、1月末から27施設増加しました。

病院の施設数は、今年(2021年)1月末から2施設減少し、8234施設となりました。種類別に見ると、▼一般病院:7179施設(1月末から2施設減)▼精神科病院:1055施設(同増減なし)—などです。一般病院のうち「療養病床を有する病院」は3555施設で1月末から3施設減、「地域医療支援病院」は625施設で1月末から増減ありません。

医科診療所の施設数は10万3101施設で、1月末から30施設増加しています。内訳を見ると、無床の一般診療所が50施設増加(9万6798施設)、有床診療所が20施設減少(6303施設)となっています。

また、歯科診療所は、6月から7月にかけて46施設減少、7月から8月にかけて29施設減少、8月から9月にかけて10施設減、9月から10月にかけて39施設減、10月から11月にかけて22施設減、11月から12月にかけて38施設減、昨年(2020年)末から今年(2021年)1月にかけて64施設減と大幅減が続いていましたが、1月から2月にかけては「1施設減」にとどまっています。

新型コロナウイルス感染症による医療機関経営への影響(収入減)により「病院・診療所の倒産」が増加する可能性が指摘されています。歯科診療所で施設減が続いていたことから、今後「新型コロナウイルス感染症の影響」との関連を詳しく分析する必要があります。もちろん、歯科診療所については、「乱立による経営難」が従前から指摘されており、その影響も大きいと考えられます。



医科の有床診療所について施設数を見ると、2年前(2019年2月末)には6806施設(厚労省のサイトはこちら)、1年前(2020年2月末)には6531施設(厚労省のサイトはこちら)でした。2019年2月末から2020年2月末までの1年間で275施設の減少、そこから今年(2021年)2月末(6303施設)までの1年間で228施設の減少となっています。有床診療所の施設数は、2020年2月末以降、次のように推移しています。

▼2020年2月末:6531施設
↓(7施設減)
▼2020年3月末:6524施設
↓(41施設減)
▼2020年4月末:6483施設
↓(17施設減)
▼2020年5月末:6466施設
↓(20施設減)
▼2020年6月末:6446施設
↓(13施設減)
▼2020年7月末:6433施設
↓(19施設減)
▼2020年8月末:6414施設
↓(10施設減)
▼2020年9月末:6404施設
↓(25施設減)
▼2020年10月末:6379施設
↓(9施設減)
▼2020年11月末:6370施設
↓(21施設減)
▼2020年12月末:6349施設
↓(26施設減)
▼2021年1月末:6323施設
↓(20施設減)
▼2021年2月末:6303施設



直近1年間は、1か月当たりちょうど「19施設」のペースで減少が続いています。現在のペースが続くと仮定すれば、来年(2022年)6月末に6000施設を割る計算です(前月までと同じペース)。

有床診のベッド数、「2022年9月末」に8万床を割る見込み

次に病院・診療所の病床数(ベッド数)を見てみます。

全体では、今年(2021年)2月末には159万3645床で、前月(2021年1月)末から1501床の大幅減となりました。

うち病院の病床数は150万7934床で、前月末から1224床の減少。医療法上の病床種類別に見ると、▼一般病床:88万7636床(前月末から140床減少)▼療養病床:29万42床(同912床減少)▼精神病床:32万4249床(同172床減少)—などとなっています。

また、有床診療所の病床数は前月末から280床減少し、8万5649床となりました。2年前(2019年2月末)には9万3069床(厚労省のサイトはこちら)、1年前(2020年2月末)には8万9389床(厚労省のサイトはこちら)でした。2019年2月末から2020年2月末までの1年間で3680床減少、そこから今年(2021年)2月末までの1年間で3740床減少しています。2020年2月末以降、有床診のベッド数は次のように推移しています。

▼2020年2月末:8万9389床
↓(179床減)
▼2020年3月末:8万9210床
↓(601床減)
▼2020年4月末:8万8609床
↓(309床減)
▼2020年5月末:8万8300床
↓(362床減)
▼2020年6月末:8万7938床
↓(215床減)
▼2020年7月末:8万7723床
↓(325床減)
▼2020年8月末:8万7398床
↓(182床減)
▼2020年9月末:8万7216床
↓(348床減)
▼2020年10月末:8万6868床
↓(200床減)
▼2020年11月末:8万6668床
↓(337床減)
▼2020年12月末:8万6331床
↓(402床減)
▼2021年1月末:8万5929床
↓(280床減)
▼2020年2月末:8万5649床

この1年間では、1か月当たり「312床弱」のペースで減少が続いています。現在のペースが継続すると仮定すれば、来年(2022年)9月末には8万床を切る計算です(前月に比べて3か月早いペース)。



有床診は、将来の地域包括ケアシステム(要介護状態になっても住み慣れた地域で在宅生活を継続可能とする仕組み)の重要な構成要素(急変時やレスパイトにおける入院病床)として期待されることはもちろん、現在の医療提供体制においても重要な構成要素(2次医療圏の中には、総ベッド数の4分の1が有床診である地域もある)の1つです。有床診の減少は、こうした地域の医療・介護提供体制を脆弱化させることにつながります。

厚労省は、2018年度診療報酬改定(介護報酬との同時改定)で、有床診療所を(1)専門特化型(2)地域包括ケア型―の2類型に分け、後者の『地域包括ケア型』について「過疎地などにおける入院医療の重要な支え手(地域包括ケアシステムの重要な担い手)であるものの、経営が厳しく、存続が困難」といった課題に直面していることを重視。有床診経営を支援するために、要介護者の受け入れを【介護連携加算】で評価するなどの報酬見直しを行いました(関連記事はこちらこちら)。

さらに、2020年度診療報酬改定では、次のような見直しが行われています(関連記事はこちら)。

▼【有床診療所一般病床初期加算】(急性期病棟からの転棟患者受け入れを評価する)について、点数を150点に引き上げ(50点増)、算定上限日数を「転棟等日から14日」に延長する(7日間延長)

▼【医師配置加算】について、加算1を120点(32点増)、加算2を90点(30点増)に引き上げる

▼【看護配置加算】について、加算1を60点(20点増)、加算2を35点(15点増)に引き上げる

▼【夜間看護配置加算】について、加算1を100点(15点増)、加算2を50点(15点増)に引き上げる

▼【看護補助配置加算】について、加算1を25点(15点増)、加算2を15点(10点増)に引き上げる

▼【有床診療所緩和ケア診療加算】について、250点に引き上げる(100点増)



しかし、こうした診療報酬上の手当ての効果は出ていないようです。このため、「診療報酬による手当てでは、有床診の減少を止めることはできないのではないか。有床診減少の背景には『後継者不在』なども大きく関係しており、別の手当てを考える必要があるのではないか」と指摘する識者もおられます。2022年度診療報酬改定に向けた議論が始まりましたが、「有床診の減少スピードに歯止めをかけるために新たな一手を打つ」のか、あるいは「別の方向に舵を切る」のか、注目していく必要があります。



ぽんすけ2020MW_GHC_logo

【関連記事】

有床診の減少止まらず、22年6月末に6000施設・22年末に8万床を割る見込み―医療施設動態調査(2021年1月)
病院の病床数、15年5月には156万7636床に―医療施設動態調査
有床診の減少が続き、22年7月末には6000施設を、10月には8万床を割るペース―医療施設動態調査(2020年11月)
有床診の減少続く、22年6月末には6000施設を割り、9月には8万床を切る見込み―医療施設動態調査(2020年10月)
「有床診の減少」続く、2021年5月には8万5000床を切り、22年6月末には6000施設を割る見込み―医療施設動態調査(2020年9月)
「有床診の減少」に歯止めかからず、さらなる一手を打つのか、別方向に舵を切るのか―医療施設動態調査(2020年8月)
「病院ベッド数の大幅減」、「有床診の施設数減」が継続―医療施設動態調査(2020年7月)
病院のベッド数「大幅減」続く、有床診の減少も止まらず2022年4月に6000施設を割る見込み―医療施設動態調査(2020年6月)
有床診の減少止まらず、2021年5月に8万50000床・22年4月に6000施設を割る可能性―医療施設動態調査(2020年5月)
有床診ついに6500施設割る、2022年4月には6000施設を割る可能性も―医療施設動態調査(2020年4月)
有床診、すでに6500施設を割り込み、2021年6月に8万5000床を切る見込み―医療施設動態調査(2020年3月)
有床診、すでに6500施設を割り込んでいる可能性大―医療施設動態調査(2020年2月)
有床診、2020年4月に6500施設を割り込み、翌年4月に8万5000床を切ってしまう可能性―医療施設動態調査(2020年1月)
有床診ベッドついに9万床割る、施設数は2020年4月に6500割る見込み―医療施設動態調査(2019年12月)
有床診、ベッド数は既に9万床を、施設数は2020年4月に6500を割るペースで減少―医療施設動態調査(2019年11月)
有床診、ベッド数は2020年2月に9万床を、施設数は同5月に6500を割るペースで減少―医療施設動態調査(2019年10月)
有床診の減少続き、ベッド数は2019年末に9万床を切り、施設数は2020年3月に6500を割る勢い―医療施設動態調査(2019年9月)
有床診の減少スピード2019月6-8月は確実に鈍化、次期改定での対応に注目―医療施設動態調査(2019年8月)
有床診の減少スピード2019月6月・7月と再び鈍化、次期改定の行方は?―医療施設動態調査(2019年7月)
有床診の減少スピードが再び鈍化、2019年10月に9万床、20年1月に6500施設を割る見込み―医療施設動態調査(2019年6月)
有床診の減少スピードさらに加速、2019年9月に9万床、19年末に6500施設を割る見込み―医療施設動態調査(2019年5月)
有床診の減少スピード加速続く、2019年9月に9万床を、19年末に6500施設を割る可能性大―医療施設動態調査(2019年4月)
有床診の減少スピードさらに加速、2019年9月にも9万床を割る可能性―医療施設動態調査(2019年3月)
有床診の減少スピードアップ、2019年10月にも9万床を割る可能性大―医療施設動態調査(2019年2月)
有床診の減少スピードが再び上昇、2019年11月には9万床を割る可能性大―医療施設動態調査(2019年1月)
有床診の減少スピード、再び上昇に転じる―医療施設動態調査(2018年12月)
有床診減少スピードは確実に鈍化、2018年度改定の効果か―医療施設動態調査(2018年11月)
有床診の減少スピードにやはりブレーキ、2018年度改定の効果か―医療施設動態調査(2018年10月)
有床診、2018年度改定の効果か、2018年9月末には減少スピードに若干のブレーキ―医療施設動態調査(2018年9月)
有床診、2018年8月末で6948施設に、19年10月には6500施設割れの可能性も―医療施設動態調査(2018年8月)
有床診、実は2018年6月末で7000施設を割っていた―医療施設動態調査(2018年7月)
有床診の減少スピードがアップ、7043床・9万6134床に―医療施設動態調査(2018年6月)
有床診の減少止まらず、すでに7000施設を割っている可能性も、療養病床も減少傾向―医療施設動態調査(2018年5月)
新年度に入り有床診の減少ペース早まる、2018年8月には7000施設を割る可能性―医療施設動態調査(2018年4月)
有床診の減少、ベッド減少ペースは若干緩むが、施設減少ペース変わらず―医療施設動態調査(2018年3月)
有床診、2018年1月末から2月末にかけ28施設・380床の減少―医療施設動態調査(2018年2月)
有床診、2018年1月末で7194施設・9万8111床に減少―医療施設動態調査(2018年1月)
有床診、2017年末で7218施設・9万838床に減少―医療施設動態調査(2017年12月)
有床診療所の減少続く、2018年度同時改定で歯止めがかかるのか―医療施設動態調査(2017年11月)
有床診療所の減少が加速、病床数は9万8843床に―医療施設動態調査(2017年10月)
有床診療所の減少に歯止めかからず、2018年度改定の効果に期待集まる―医療施設動態調査(2017年9月)
有床診療所、ついに集計結果でも10万床を割る―医療施設動態調査(2017年8月)
有床診療所は10万19床、現時点で10万床割れは確実―医療施設動態調査(2017年7月)
有床診療所、現時点で10万床を割っている可能性大―医療施設動態調査(2017年6月)
有床診、2017年5月末に10万466床、7月に10万床切るペースで減少―医療施設動態調査(2017年5月)
有床診、新年度から減少ペース早まり、今年(2017年)7月に10万床切る―医療施設動態調査(2017年4月)
有床診、現在の減少ペース続けば、今年(2017年)8月に10万床切る―医療施設動態調査(2017年3月)
2017年2月、有床診は7500施設を切り7485施設に、ベッド数は10万1697床に―医療施設動態調査(2017年2月)
2016年以降、有床診は月間26施設・320床のペースで減少―医療施設動態調査(2017年1月)
有床診療所、前月に比べて施設数は25、ベッド数は287減少―医療施設動態調査(2016年12月)
有床診療所、前月に比べて施設数は30、ベッド数は367減少―医療施設動態調査(2016年11月)
一般病床数、療養病床数ともに2か月連続で3桁の減少―医療施設動態調査(2016年10月)
一般病床数、療養病床数ともに3桁の減少―医療施設動態調査(2016年9月)
有床診療所の施設数・ベッド数の減少ペースがやや鈍化―医療施設動態調査(2016年8月)
一般病床数は前月比336床増加の一方で、療養病床数は252床減少―医療施設動態調査(2016年7月)
一般病床の平均在院日数は16.5日、病床利用率は75.0%に―2015年医療施設動態調査
一般病床数は前月比977床の大幅増、精神病床は237床減―医療施設動態調査(2016年5月)
一般病床数は前月比379床増、精神病床は551床減、2016年度改定との関連の分析が必要―医療施設動態調査(2016年4月)
一般病床数が前月比1135床減、2か月連続で千床台の大幅減―医療施設動態調査(2016年3月)
一般病床数が前月から1299床の大幅減、今後の動向に注目集まる―医療施設動態調査(2016年2月)
病院の一般病床数が前月から726床減少、無床のクリニックも減少―医療施設動態調査(2016年1月)
有床診の減少止まらず7864施設に、2016年度診療報酬改定の効果のほどは?―医療施設動態調査(15年12月)
有床診の減少止まらず、2015年11月には7905施設・10万6890床に―医療施設動態調査(15年11月)
有床診の減少、依然続く、2015年10月には7927施設・10万7210床に―医療施設動態調査(15年10月)
有床診の減少止まらず、2016年度改定での対応に注目集まる―医療施設動態調査(15年9月)
有床診療所、ついに8000施設を切る―医療施設動態調査(15年8月)
病院の病床数、15年5月には156万7636床に―医療施設動態調査