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有床診の減少スピードさらに加速、2019年9月に9万床、19年末に6500施設を割る見込み―医療施設動態調査(2019年5月)

2019.8.1.(木)

 有床診療所の減少スピードは衰えをみせず、現在のペースが続けば、2019年9月にベッド数9万床を切り、19年末に施設数は6500を割る可能性が依然高い—。

 こうした状況が、厚生労働省が7月30日に公表した医療施設動態調査(2019年5月末概数)から明らかになりました(厚労省のサイトはこちら)。

 2018年の「医療施設(静態・動態)調査」の取りまとめに伴って、前月末(2019年4月末)の数値が再集計されており、前月末分の記事とは数字が異なっています。
医療施設動態調査(2019年5月)1 190730
 

有床診の施設数、1か月当たり30施設強のペースで減少

 厚労省は、毎月末の病院・診療所の施設数・病床数を「医療施設動態調査」として公表しています(前月末の状況はこちら、前々月末の状況はこちら、さらにその前の月末の状況はこちら)。

 今年(2019年)5月末の状況を見ると、全国の医療施設は17万9208施設で、前月末から99施設の増加となりました。

うち病院の施設数は、前月末から3施設減少し、8324施設となりました。病院の種類別に見てみると、▼一般病院:7270施設(前月から2施設減少)▼精神科病院:1054施設(同1施設減少)—などという状況です。一般病院のうち、「療養病床を有する病院」は3686施設で前月末から2施設減少、「地域医療支援病院」は608施設で前月末からの1施設増加しています。

地域医療支援病院については、現在、厚労省の「特定機能病院及び地域医療支援病院のあり方に関する検討会」において承認要件見直し論議が進められており、「地域(都道府県)の判断で、医師の少ない地域への医師派遣実施などのプラスアルファ要件を追加できる」方向が固まっています(関連記事はこちらこちら)。

 
 一方、医科診療所は10万2396施設で、前月末から99施設増加しています。無床の医科診療所は増加(前月末から121施設増加)している一方で、有床診療所は前月末から24施設減少し、6706施設となりました。
 
 有床診療所の施設数は、2年前(2017年5月末)には7397(厚労省のサイトはこちら)、1年前(2018年5月末)には7074(厚労省のサイトはこちら)であったことから、2017年5月末から2018年5月末までの1年間で323施設減少、さらに今年(2019年)5月末までの1年間で368施設減少しています。有床診療所の施設数は、2018年5月末以降、次のように推移しています。

▼2018年5月末:7074施設

 ↓(78施設減、再集計後)

▼2018年6月末:6996施設(再集計後)

 ↓(28施設減)

▼2018年7月末:6968施設

 ↓(20施設減)

▼2018年8月末:6948施設

 ↓(14施設減)

▼2018年9月末:6934施設

 ↓(25施設減)

▼2018年10月末:6909施設

 ↓(16施設減)

▼2018年11月末:6893施設

 ↓(26施設減)

▼2018年12月末:6867施設

 ↓(31施設減)

▼2019年1月末:6836施設

 ↓(30施設減)

▼2019年2月末:6806施設

 ↓(32施設減)

▼2019年3月末:6774施設

↓(44施設減)

▼2019年4月末:6730施設

 ↓(24施設減)

▼2019年5月末:6706施設

 
 この1年間は、1か月当たり「30施設強」のペースで減少が続いています。現在のペースが続くと仮定すれば、今年(2019年)末に6500施設を割る計算です(先月までと同じ減少ペース)。

有床診のベッド数、1か月当たり414床強のペースで減少

 次に医療施設の病床数(ベッド数)に目を移してみましょう。医療施設全体のベッド数は、今年(2019年)5月末には162万6578床で、前月末から768床の減少となりました。

うち病院の病床数は153万4910床で、前月末から448床減となっています。医療法上の病床種類別に見ると、▼一般病床:88万9214床(前月末から216床減少)▼療養病床:31万1763床(同28床増加)▼精神病床:32万7630床(同209床減少)—などとなりました。

前月(2019年4月)末まで療養病床の減少が続いていましたが、ストップしたようです。介護医療院(医療・介護・住まいの3機能を併せ持つ新たな介護保険施設)への転換が思うように進んでいないことも背景にあると思われますが、詳しく分析する必要があるでしょう。

 
 また有床診療所の病床数は前月末から320床減少し、9万1610床となりました。2年前(2017年5月末)には10万466床(厚労省のサイトはこちら)、1年前(2018年5月末)には9万6580床(厚労省のサイトはこちら)であったことから、2017年5月末から2018年5月末までの1年間で3886床減少、さらに今年(2019年)5月末までの1年間で4970床減少しています。2018年5月末以降、有床診のベッド数は次のように推移しています。

▼2018年5月末:9万6580床

 ↓(969床減、再集計後)

▼2018年6月末:9万5611床(再集計後)

 ↓(296床減)

▼2018年7月末:9万5315床

 ↓(286床減)

▼2018年8月末:9万5029床

 ↓(176床減)

▼2018年9月末:9万4853床

 ↓(352床減)

▼2018年10月末:9万4501床

 ↓(231床減)

▼2018年11月末:9万4270床

 ↓(374床減)

▼2018年12月末:9万3896床

 ↓(379床減)

▼2019年1月末:9万3517床

 ↓(448床減)

▼2019年2月末:9万3069床

 ↓(470床減)

▼2019年3月末:9万2599床

 ↓(669床減)

▼2019年4月末:9万1930床

 ↓(320床減)

▼2019年5月末:9万1610床

 
 この1年間では、1か月当たり「414床強」のペースで減少が続いています。現在のペースが継続すると仮定すれば、今年(2019年)9月末には9万床を切ることになります(先月までと同じペース)。

 
 
 厚労省は、2018年度の診療報酬・介護報酬同時改定論議において、有床診療所を(1)専門特化型(2)地域包括ケア型―の大きく2類型に分け、後者の「地域包括ケア型」について「過疎地などにおける入院医療の重要な支え手(地域包括ケアシステムの重要な担い手)であるものの、経営が厳しく、存続が困難」といった課題に直面していることを重視。有床診の経営を下支えするために、次のような報酬見直しを行いました(関連記事はこちらこちら)。
 
▼診療報酬での対応:介護サービスを提供する有床診では、高い入院基本料(入院基本料1-3)の要件を緩和し、さらに要介護者の受け入れを【介護連携加算】(新設、1日につき38点または192点)として評価する
 
▼介護報酬での対応:利用者専用病床を1床確保すれば、看護小規模多機能型居宅介護の「宿泊室」の設備基準を満たしているものとみなす
 
 しかし、この見直しの効果は明確には現れていないようです(2018年9-11月分のデータでは、2018年度改定の効果が現れ、有床診の減少に「若干のブレーキ」がかかったように見えたが)。

有床診の重要性は上記のとおりで、その経営を下支えするために診療報酬等で何ができるのか、中央社会保険医療協議会でさまざまな角度から議論していくことが期待されます。
 
 

病院病床の減少スピードは一休みのようだ

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療養病床の減少スピードも一休みしている

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