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胸腔ドレーン挿入時に臓器・血管を傷つける事故が散発、挿入時の留意はもちろん、挿入後の確認・モニタリング徹底を―PMDA

2020.8.28.(金)

胸腔ドレーンを挿入する際に、誤って臓器や血管等を傷つけてしまった事例が散発している。挿入位置や方向に留意するとともに、挿入後には胸部レントゲン等で目的の位置に挿入しているかを確認し、あわせて患者の状態をモニタリングすることが必要である―。

医薬品医療機器総合機構(PMDA)は8月26日に、「PMDA医療安全情報 No.60(胸腔ドレーン取扱い時の注意について)」を公表。医療現場に注意を呼びかけています(PMDAのサイトはこちら)。

なお、同日には「PMDA医療安全情報 No.59(漏電等による医療機器からの出火について)」も示されており、こちらは別稿でお伝え済です。

胸腔ドレーンの挿入時等に誤って臓器・血管等を損傷する事故が発生

PMDAでは、医療現場からヒヤリ・ハット事例や副作用・不具合報告を収集し、「繰り返し同様の事象が報告されている事例」「添付文書改訂等を通知した事例」などについて、医師・薬剤師・看護師・臨床工学技士等の医療従事者や人間工学分野などの専門家、医薬品・医療機器製造販売業者の業界団体の意見も参考に、「医療従事者に対して安全に使用するために注意すべき点」などをPMDA医療安全情報として公表しています。医療安全確保のために重要な情報の1つです。

今般、「胸腔ドレーンの挿入、留置、抜去」における事故が散発していることを重視し、PMDAでは(1)胸腔ドレーン留置時(2)胸腔ドレーン挿入後―に分けて留意点を整理しています。

(1)では、まず挿入時に「血管、肺や心臓等の臓器を損傷しないように挿入位置や挿入方向に注意すること」を強く求めています。

実際に、▼胸部レントゲンで右肺虚脱を認められ胸腔ドレーンを挿入し、2日後に自己血癒着を施行した際、咳・血液が喀出。胸部CTで確認したところ「胸腔ドレーンが右上肺野に穿通」していた▼胸水貯留があり胸腔ドレーンを挿入したところ、患者が疼痛を訴え、経皮的動脈血酸素飽和度(SpO2)の低下が生じた。胸腔鏡で「下行大動脈および肺底区域への損傷」が認められた―という事故が発生しています。

胸腔ドレーン挿入を誤り臓器・血管等を損傷する事例が散発(PMDA医療安全情報60.1 200826)



具体的には、「ドレーンの挿入位置・方向」に特に留意するよう強調しています。挿入位置や方向によっては、心臓・血管の損傷、肝臓や脾臓に刺入してしまうリスクがあります。

▽ドレーンを挿入する位置
→「肋骨の直下」には、▼肋間動脈▼肋間静脈▼肋間神経―が走行しており、カテーテル等の挿入時に損傷させないように注意する

胸腔ドレーン挿入位置に留意を(PMDA医療安全情報60.2 200826)



▽ドレーンの挿入方向
→臓器や組織を損傷しないよう、チューブ先端を胸腔に挿入した場合には「挿入方向」に注意する
→慎重に挿入し、違和感が確認されたら、挿入操作を中断し、異常の有無を確認する

胸腔ドレーン挿入の方向に留意を(PMDA医療安全情報60.3 200826)



さらにPMDAでは、胸腔ドレーンだけではなく「胸腔穿刺でも同様に大動脈、肺、心臓などの臓器を損傷する可能性がある」として、注意を呼びかけています。

ドレーン挿入後に、レントゲン等により確認や患者状態モニタリングを

また(2)では、ドレーンの挿入後に▼目的とする位置に留置できていることを、胸部レントゲン撮影により確認する▼患者状態をモニタリングする―ことを強く求めています。誤って臓器や血管等を傷つけていた場合、放置すれば出血が続きショック状態に陥ることが考えられます。こうした事態を招かないためにも、挿入後の確認・モニタリングが必要不可欠となります。

具体的には、次のような確認・モニタリングが推奨されています。
▽胸部レントゲン撮影による確認
▽血性の排液量やエアリークの確認
▽バイタルの確認
▽皮下気腫発現の確認など

胸腔ドレーン挿入後の確認・モニタリングも必要不可欠(PMDA医療安全情報60.4 200826)

ぽんすけ2020 MW_GHC_logo

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