プログラム医療機器を用いた「乳がんの遠隔再発リスク提示、化学療法の要否決定」、9月1日より保険診療の中で実施可—厚労省
2023.9.5.(火)
プログラム医療機器を用いた「乳がんの遠隔再発リスク提示、化学療法の要否決定」(乳がん悪性度判定検査)を保険診療の中で実施可能とし、4万3500点の算定を認める—。
厚生労働省は8月31日に通知「検査料の点数の取扱いについて」を発出し、こうした点を明らかにしました。9月1日から適用されています(厚労省のサイトはこちら)。
乳がん患者の「遠隔再発リスクの提示、化学療法の要否の決定」を補助
7月5日の中央社会保険医療協議会総会で、乳がんの再発リスク等を検出するプログラム医療機器「オンコタイプ DX 乳がん再発スコアプログラム」を9月1日付で保険適用することが承認されました(関連記事はこちら)。ホルモン受容体陽性かつHER2陰性の早期浸潤性乳がん患者の腫瘍組織から抽出した21遺伝子のRNA発現の定量値に基づいて乳がんの再発スコアを算出するプログラム医療機器です。
このプログラム医療機器は特定保険医療材料として償還価格を設定することはせず、新規技術料として「4万3500点」が設定されました(下記点数の合算)。
▼D004-2【悪性腫瘍組織検査】の「1 悪性腫瘍遺伝子検査」の「イ処理が容易なもの」の「(1)医薬品の適応判定の補助等に用いるもの」2500点×3回分
▼同点数の注1の「イ 2項目」4000点×2回分
▼同点数の注1の「ハ 4項目以上」8000点×2回分
▼B011-5【がんゲノムプロファイリング評価提供料】1万2000点
今般の通知では、保険診療の中で、本プログラム医療機器を用いて乳がんの再発リスクを評価する場合のルールを設定。D004-2【悪性腫瘍組織検査】の中に新たに「乳癌悪性度判定検査」の項を設け、次のようなルールを定めています。
【対象患者】
次の要件を満たす早期浸潤性乳がん患者
▼ホルモン受容体陽性
▼HER陰性
▼リンパ節転移陰性、微小転移またはリンパ節転移1-3個
【検査方法】
「遠隔再発リスクの提示」および「化学療法の要否の決定」を目的として、腫瘍組織から抽出した21遺伝子のRNA発現の定量値に基づいて乳がん悪性度判定検査を実施する
【算定点数】
4万3500点(下記点数の合算)
▼D004-2【悪性腫瘍組織検査】の「1 悪性腫瘍遺伝子検査」の「イ処理が容易なもの」の「(1)医薬品の適応判定の補助等に用いるもの」2500点×3回分
▼同点数の注1の「イ 2項目」4000点×2回分
▼同点数の注1の「ハ 4項目以上」8000点×2回分
▼B011-5【がんゲノムプロファイリング評価提供料】1万2000点
【算定回数】
▼原則として患者1人につき1回
▼医学的な必要性から患者1人につき2回以上実施した場合は、レセプトの摘要欄にその医学的な理由を記載する
【留意事項】
本検査の実施に当たっては、レセプト酬明細書の摘要欄に「ホルモン受容体、HER2の検査結果」および「リンパ節転移の状況」について記載する
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