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肺・大腸がん除く固形腫瘍、悪性リンパ腫に最適な抗がん剤を選択するBRAF遺伝子検査を【悪性腫瘍組織検査】に追加—厚労省

2023.11.2.(木)

肺・大腸がんを除く固形腫瘍、悪性リンパ腫に最適な抗がん剤を選択する遺伝子検査(BRAF遺伝子検査(PCR-rSSO法))を、D004-2【悪性腫瘍組織検査】の中に含め、検査実施を促進する—。

厚生労働省は10月31日に通知「検査料の点数の取扱いについて」を発出し、こうした点を明らかにしました。11月1日から適用されています(厚労省のサイトはこちら)。

肺・大腸がんを除く固形腫瘍、悪性リンパ腫に最適な抗がん剤を選択を推進

今回は、D004-2【悪性腫瘍組織検査】について、新たな検査手法を用いることを認めています。



D004-2【悪性腫瘍組織検査】は、がん患者に対し「どの抗がん剤が効果的か、適切か」を選択するために遺伝子検査などを実施することを評価する診療報酬項目です。「Xという遺伝子変異がある場合に、●●という抗がん剤等が奏効する」といった知見が集積されてきたことを受けたもので、次のように複雑な点数設定がなされています。

1 悪性腫瘍遺伝子検査
イ 処理が容易なもの
(1)医薬品の適応判定の補助等に用いるもの:2500点
(2)その他のもの:2100点
ロ 処理が複雑なもの:5000点

2 抗悪性腫瘍剤感受性検査 2500点

▽注1 患者から1回に採取した組織等を用いて同一がん種に対して「1のイ」の検査を複数実施した場合は、検査の項目数に応じて次の点数を算定する
イ 2項目:4000点
ロ 3項目:6000点
ハ 4項目以上:8000点

▽注2 患者から1回に採取した組織等を用いて同一がん種に対して「1のロ」の検査を複数実施した場合は、検査の項目数に応じて次の点数を算定する
イ 2項目:8000点
ロ 3項目以上:1万2000点



また、点数表の解釈通知では、上記の各項目にどういった検査が該当するのかなどを詳細に示しています。

「1 悪性腫瘍遺伝子検査」の「ロ 処理が複雑なもの」についてじゃ、これまで以下の遺伝子検査を、「医薬品の適応を判定するための補助等に用いるものとして薬事承認・認証を得ている体外診断用医薬品・医療機器を用いて次世代シーケンシング等により行う」場合に算定できるとされていました(関連記事はこちらこちらこちら)。

(ア)肺がんにおけるBRAF遺伝子検査(次世代シーケンシング)、METex14遺伝子検査 (次世代シーケンシング)、RET融合遺伝子検査、HER2遺伝子検査(次世代シーケンシング)

(イ)悪性黒色腫におけるBRAF遺伝子検査(リアルタイムPCR法、PCR-rSSO法

(ウ)固形がんにおけるNTRK融合遺伝子検査、腫瘍遺伝子変異量検査

(エ)胆道がんにおけるFGFR2融合遺伝子検査

(オ)甲状腺がんにおけるRET融合遺伝子検査

(カ)甲状腺髄様がんにおけるRET遺伝子変異検査



さらに今般、▼肺がん・大腸がんを除く固形腫瘍におけるBRAF遺伝子検査(PCR-sSSO法)▼悪性リンパ腫におけるBRAF遺伝子検査(PCR-rSSO法)—を「1 悪性腫瘍遺伝子検査」の「ロ 処理が複雑なもの」に組み入れることとなりました。

その結果、「1 悪性腫瘍遺伝子検査」の「ロ 処理が複雑なもの」の算定対象検査は次のようになります。

(ア)肺がんにおけるBRAF遺伝子検査(次世代シーケンシング)、METex14遺伝子検査 (次世代シーケンシング)、RET融合遺伝子検査、HER2遺伝子検査(次世代シーケンシング)

(イ)悪性黒色腫におけるBRAF遺伝子検査(リアルタイムPCR法、PCR-rSSO法)

(ウ)固形がんにおけるNTRK融合遺伝子検査、腫瘍遺伝子変異量検査

(エ)胆道がんにおけるFGFR2融合遺伝子検査

(オ)甲状腺がんにおけるRET融合遺伝子検査

(カ)甲状腺髄様がんにおけるRET遺伝子変異検査

(新)(キ)肺がん・大腸がんを除く固形腫瘍におけるBRAF遺伝子検査(PCR-rSSO法)

(新)(ク)悪性リンパ腫におけるBRAF遺伝子検査(PCR-rSSO法)



1人1人のがん患者に、適切な抗がん剤を選択できる環境がまた一つ整ったと言えます。



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