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抗菌剤「ザイボックス」に横紋筋融解症の、ネクサバールやカボメティクス錠など多くの抗がん剤に動脈解離の副作用—厚労省

2024.2.21.(水)

抗菌剤「ザイボックス」に横紋筋融解症の、抗菌剤「イトリゾール」に偽アルドステロン症の、さらにネクサバールやカボメティクス錠など多くの抗がん剤に動脈解離の副作用が判明した—。

また抗てんかん薬である「トピナ」を妊婦や妊娠可能性のある女性に投与する場合には、「出生児に神経発達症が発生したとの海外報告がある」などのリスクを十分に説明し、有用性がリスクを上回る場合にのみ使用する必要がある—。

厚生労働省は2月15日に通知「『使用上の注意』の改訂について」を発出し、こうした点について製薬メーカーに改訂を指示するとともに、医療現場に対し注意喚起を行いました(厚労省のサイトはこちら)。



●抗てんかん薬の「トピラマート」(販売名:トピナ細粒10%、トピナ錠25mg、同錠50mg、同錠100mg、トピラマート錠25mg「アメル」、同錠50mg「アメル」、同錠100mg「アメル」)

▽「特定の背景を有する患者に関する注意」として、次のように追記する

▼(新)生殖能を有する者
→「妊娠する可能性のある女性に使用する場合には、本剤投与により出生した児に生じるリスクについて十分説明する」旨を記載する

▼(改)妊婦
→これまで「妊婦、妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性(母体のてんかん発作頻発を防ぎ、胎児を低酸素状態から守る)が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与する」とされている(この点に変更なし)

→さらに今般、「妊娠中に本剤を使用する場合、本剤を使用中に妊娠した場合は、本剤投与により出生した児に生じるリスクについて患者に十分説明する。妊娠中に本剤を投与された患者より出生した児は、神経発達症(自閉スペクトラム症、知的発達症、注意欠如・多動症)の発症に関連する可能性があることが、海外で実施された観察研究において報告されている」旨を追記する



●以下の抗がん剤等
・間質性肺疾患治療等に用いる「ニンテダニブエタンスルホン酸塩」(販売名:オフェブカプセル100mg、同カプセル150mg)
・腎細胞がん治療に用いる「アキシチニブ」(販売名:インライタ錠1mg、同錠5mg)
・結腸・直腸がん治療に用いる「アフリベルセプト ベータ(遺伝子組換え)」(販売名:ザルトラップ点滴静注100mg、同点滴静注200mg)
・腎細胞がん・肝細胞がん治療に用いる「カボザンチニブリンゴ酸塩」(販売名:カボメティクス錠20mg、同錠60mg)
・消化管間質腫瘍や腎細胞がんなどの治療に用いる「スニチニブリンゴ酸塩」(販売名:スーテントカプセル12.5mg)
・腎細胞がん・肝細胞がん・甲状腺がん治療に用いる「ソラフェニブトシル酸塩」(販売名:ネクサバール錠200mg)
・悪性軟部腫瘍・腎細胞がん治療に用いる「パゾパニブ塩酸塩」(販売名:ヴォトリエント錠200mg)
・甲状腺髄様がんの治療に用いる「バンデタニブ」(販売名:カプレルサ錠100mg)
・白血病治療に用いる「ポナチニブ塩酸塩」(販売名:アイクルシグ錠15mg)
・胃がん・大腸がん・非小細胞肺がん・肝細胞がん治療に用いる「ラムシルマブ」(遺伝子組換え)(販売名:サイラムザ点滴静注液100mg、同点滴静注液500mg)
・結腸・直腸がん、消化管間質腫瘍、肝細胞がん治療に用いる「レゴラフェニブ水和物」(販売名:スチバーガ錠40mg)
・腎細胞がん・肝細胞がん・甲状腺がんなどの治療に用いる「レンバチニブメシル酸塩」(販売名:レンビマカプセル4mg、同カプセル10mg)

▽新たな「重大な副作用」:動脈解離(大動脈解離を含む動脈解離が現れることがある)



●抗菌剤の「リネゾリド」(販売名:ザイボックス注射液600mg、ザイボックス錠600mg、ほか後発品複数あり)

▽新たな「重大な副作用」:横紋筋融解症(観察を十分に行い、筋肉痛、脱力感、CK(CPK)上昇、血中・尿中ミオグロビン上昇などが現れた場合には投与を中止し、適切な処置を行う。。また、横紋筋融解症による急性腎障害の発症に注意する)



●抗菌剤の「イトラコナゾール」(販売名:イトリゾール内用液1%、イトリゾールカプセル50、ほか後発品複数あり)

▽新たな「重大な副作用」:偽アルドステロン症(低カリウム血症、血圧上昇、ナトリウム・体液の貯留、浮腫、体重増加などが現れることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行う)



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