多くの副腎皮質ホルモン剤に「腫瘍崩壊症候群」の、画期的抗がん剤のテセントリクやキイトルーダに脊髄炎の副作用判明—厚労省
2024.1.12.(金)
極めて多くの副腎皮質ホルモン剤に「腫瘍崩壊症候群」の、画期的抗がん剤であるテセントリクやキイトルーダに脊髄炎の副作用が判明した—。
厚生労働省は1月10日に通知「『使用上の注意』の改訂について」を発出し、こうした点について製薬メーカーに改訂を指示するとともに、医療現場に対し注意喚起を行いました(医薬品医療機器総合機構(PMDA)のサイトはこちら)。
●うつ病やパニック障害などの治療に用いるセルトラリン塩酸塩(販売名:ジェイゾロフト錠25mg、同錠50mg、同錠100mg、同OD錠25mg、同錠50mg、同錠100mg、ほか後発品多数)
▽新たな「重要な基本的注意」として、「血小板減少が現れることがあるので、投与期間中は血液検査を行う」旨を記載する
▽新たな「重大な副作用」:血小板減少症
●緑内障や癲癇などの治療に用いるアセタゾラミド(販売名:ダイアモックス末、ダイアモックス錠250mg)およびアセタゾラミドナトリウム(販売名:ダイアモックス注射用500mg)
▽新たな「重大な副作用」:急性呼吸窮迫症候群、肺水腫(急速に進行する呼吸困難、低酸素血症、両側性びまん性肺浸潤影などの胸部X線異常等が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行う)
●関節リウマチや気管支喘息などの治療に用いる副腎皮質ホルモン剤のコルチゾン酢酸エステル(販売名:コートン錠25mg)
▽新たな「重要な基本的注意」として「『リンパ系腫瘍を有する患者にヒドロコルチゾン製剤(注射剤)を投与した際に腫瘍崩壊症候群が現れた』との報告があり、血清中電解質濃度・腎機能検査を行うなど患者の状態を十分に観察する」旨を追記する
▽新たな「重大な副作用」:腫瘍崩壊症候群(リンパ系腫瘍を有する患者に投与した場合、腫瘍崩壊症候群が現れることがある。異常が認められた場合には、適切な処置(生理食塩液、高尿酸血症治療剤等の投与、透析等)を行うとともに、症状が回復するまで患者の状態を十分に観察する)
●多発性骨髄腫などの治療に用いるデキサメタゾン(経口剤)(多発性骨髄腫の効能を有する製剤)(販売名:デカドロン錠0.5mg、同錠4mg、レナデックス錠2mg、同錠4mgほか)
▽新たな「重要な基本的注意」として「腫瘍崩壊症候群が現れることがあるので、血清中電解質濃度・腎機能検査を行うなど、患者の状態を十分に観察する」旨を記載する
▽新たな「重大な副作用」:腫瘍崩壊症候群(異常が認められた場合には、適切な処置(生理食塩液、高尿酸血症治療剤等の投与、透析等)を行うとともに、症状が回復するまで患者の状態を十分に観察する)
●関節リウマチや気管支喘息などの治療に用いる副腎皮質ホルモン剤である次の薬剤
・デキサメタゾン(経口剤)(リンパ系腫瘍の効能を有する製剤)(販売名:デカドロンエリキシル0.01%ほか)
・デキサメタゾンリン酸エステルナトリウム(注射剤)(販売名:オルガドロン注射液1.9mg、同注射液3.8mg、同注射液19mg、デカドロン注射液1.65mg、同注射液3.3mg、同注射液6.6mgほか)
・ヒドロコルチゾン(販売名:コートリル錠10mg)
・ヒドロコルチゾンコハク酸エステルナトリウム(リンパ系腫瘍の効能を有する製剤)(販売名:ソル・コーテフ静注用250mg、同静注用500mg、同静注用1000mgほか)
・プレドニゾロン(経口剤)(販売名:プレドニン錠5mg、ほか後発品多数)
・プレドニゾロンコハク酸エステルナトリウム(販売名:水溶性プレドニン10mg、同20mg、同50mg)
・メチルプレドニゾロン(販売名:メドロール錠2mg、同錠4mg)
・メチルプレドニゾロンコハク酸エステルナトリウム(販売名:ソル・メドロール静注用40mg、同静注用125mg、同静注用500mg、同静注用1000mg)
・メチルプレドニゾロン酢酸エステル(販売名:デポ・メドロール水懸注20mg、同水懸注40mg)
▽新たな「重要な基本的注意」として「『リンパ系腫瘍を有する患者に投与した場合に腫瘍崩壊症候群が現れる』ことがあるので、血清中電解質濃度・腎機能検査を行うなど、患者の状態を十分に観察する」旨を記載する
▽新たな「重大な副作用」:腫瘍崩壊症候群(リンパ系腫瘍を有する患者に投与した場合、腫瘍崩壊症候群が現れることがある。異常が認められた場合には、適切な処置(生理食塩液、高尿酸血症治療剤等の投与、透析等)を行うとともに、症状が回復するまで患者の状態を十分に観察する)
●関節リウマチ治療に用いる副腎皮質ホルモン剤のデキサメタゾンパルミチン酸エステル(販売名:リメタゾン静注2.5mg)
▽新たな「重要な基本的注意」として「『リンパ系腫瘍を有する患者にデキサメタゾン製剤(経口剤・注射剤)を投与した際に腫瘍崩壊症候群が現れた』との報告がある。本剤投与後に急激な電解質異常や急性腎障害等が認められた場合は、腫瘍崩壊症候群の可能性を考慮し適切な処置を行う」旨を記載する
●外科的ショックおよびショック様状態における救急、または術中・術後のショックの治療に用いる副腎皮質ホルモン剤である次の薬剤
・ヒドロコルチゾンコハク酸エステルナトリウム(リンパ系腫瘍の効能を有しない製剤)(販売名:ソル・コーテフ静注用250mg、同静注用500mg、同静注用1000mgほか)
・ヒドロコルチゾンリン酸エステルナトリウム(販売名:水溶性ハイドロコートン注射液100mg、同注射液500mgほか)
▽新たな「重要な基本的注意」として「『リンパ系腫瘍を有する患者にヒドロコルチゾン製剤(注射剤)を投与した際に腫瘍崩壊症候群が現れた』との報告がある。本剤投与後に急激な電解質異常や急性腎障害等が認められた場合は、腫瘍崩壊症候群の可能性を考慮し適切な処置を行う」旨を記載する
●潰瘍性大腸炎、限局性腸炎の治療に用いる副腎皮質ホルモン剤であるプレドニゾロンリン酸エステルナトリウム(販売名:プレドネマ注腸20mg)
▽新たな「重要な基本的注意」として「『リンパ系腫瘍を有する患者にプレドニゾロン製剤(経口剤・注射剤)を投与した際に腫瘍崩壊症候群が現れた』との報告がある。本剤投与後に急激な電解質異常や急性腎障害等が認められた場合は、腫瘍崩壊症候群の可能性を考慮し適切な処置を行う」旨を記載する
●画期的な抗がん剤である潰瘍性大腸炎、限局性腸炎の治療に用いる副腎皮質ホルモン剤であるアテゾリズマブ(遺伝子組換え)(販売名:テセントリク点滴静注840mg、同点滴静注1200mg)
▽新たな「重大な副作用」:脊髄炎
●BRAF遺伝子変異を有する根治切除不能な悪性黒色腫、がん化学療法後に増悪したBRAF遺伝子変異を有する治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸がんの治療に用いるエンコラフェニブ(販売名:ビラフトビカプセル50mg、同カプセル75mg)およびビニメチニブ(販売名:メクトビ錠15mg)
▽新たな「重要な基本的注意」として「腫瘍崩壊症候群が現れることがあるので、血清中電解質濃度・腎機能検査を行うなど患者の状態を十分に観察する」旨を記載する
▽新たな「重大な副作用」:腫瘍崩壊症候群(異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置(生理食塩液、高尿酸血症治療剤等の投与、透析等)を行うとともに、症状が回復するまで患者の状態を十分に観察する)
●画期的な抗がん剤であるペムブロリズマブ(遺伝子組換え)(販売名:キイトルーダ点滴静注100mg)
▽新たな「重大な副作用」:脊髄炎
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