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新型コロナ対策 症例Scope

人工呼吸器の回路接続が外れ、患者が呼吸難に陥る事例が頻発―医療機能評価機構

2021.7.16.(金)

人工呼吸器の回路接続が外れ、あるいは緩んでおり、患者が呼吸難等に陥ってしまった―。

日本医療機能評価機構が7月15日に公表した「医療安全情報 No.176」から、こうした事例(医療事故)が2017年1月1日から今年(2021年)5月末までの間に、実に39件も報告されていることが分かりました(機構のサイトはこちらこちら)。

人工呼吸器の回路接続が外れ、患者が呼吸難に陥る事例が散発している(医療安全情報176 210715)

人工呼吸器のアラームが鳴った際には、「回路の接続」確認も重要

日本医療機能評価機は、全国の医療機関から医療事故やヒヤリ・ハット事例(事故には至らなかったものの、担当医療スタッフ等が「ヒヤリ」とした、「ハッ」とした事例)の報告を受け、背景等を詳しく分析した上で、「事故等の再発防止に向けた提言」等を定期的に行っています【医療事故情報収集等事業】(国立病院や特定機能病院などでは事故等の報告が義務付けられている、2020年報に関する記事はこちら)。

あわせて事故事例などの中から、「特段の注意が必要と考えられる事例」(繰り返し発生している医療事故など)をピックアップ。その内容を簡潔にまとめて「医療安全情報」として、毎月公表しています。医療現場に最大限の注意を払うよう強く呼びかけるものです。

【最近の医療安全情報に関する記事】
インスリン投与後、経腸栄養剤のルート未接続や開始忘れなどにより、患者が低血糖を来してしまった事例
輸液ポンプなどの流量入力を誤り、医師による指示の「10倍の速度」で薬剤を投与してしまった事例
ガイドライン遵守せず免疫抑制・化学療法を実施し、B型肝炎ウイルスが再活性化してしまった事例
咀嚼機能低下者にパン食を誤提供し、窒息させてしまった事例
服用薬剤(持参薬)の処方・指示が漏れ、既往症が悪化した事例
酸素ボンベのバルブ開栓確認を怠足り患者が低酸素に陥った事例
メトトレキサートの過剰投与に伴う骨髄抑制
「事前に患者が選択・同意した術式」と異なる術式による手術の実施
誤った情報登録によるアレルギーのある薬剤の投与
IVH実施時のガイドワイヤー回収忘れ
患者移乗時の転落
パルスオキシメータープルーブの長時間装着による熱傷事例
気管・気管切開チューブの誤接続事例
徐放性製剤を粉砕した事例
立位での浣腸による直腸損傷事例
鎮静薬の誤調整事例
小児用ベッドから転落事例
電子カルテの誤入力
ガーゼの体内残存2
ガーゼの体内残存1



7月15日に公表された「医療安全情報No.176」では、「人工呼吸器を使用中に、▼回路の接続が外れていた▼緩んでいた―ために、患者に影響が出た」事例がテーマとなりました。

ある病院では、看護師が「勤務開始時に人工呼吸器の回路の接続部に緩みがないか」を手で触れて確認することになっていました。しかし、あるとき、ナースコールの対応に追われ、目視のみで確認することがありました。その後、患者のSpO2低下のアラームが鳴ったため看護師が訪室したところ、患者は顔面蒼白でSpO2は50%台に低下。確認すると「気管切開チューブと回路の接続が外れていた」ことが分かりました。



また別の病院では、患者のSpO2が80%台後半にまで低下し、分時換気量低下のアラームが鳴っていたため、看護師が気管吸引を実施しました。しかしSpO2が上昇しないため、リーダー看護師が人工呼吸器の回路を確認したところ「回路と加温加湿器の接続が外れていた」ことが分かりました。



新型コロナウイルス感染症の患者が、再び東京都などで急拡大しており、4度目の緊急事態宣言が発せられています。感染者の増加は、必然的に「重症者の増加」をもたらし、▼人工呼吸器▼ECMO―などによる呼吸管理が必要な患者が多くなってくることを意味します。

機構では、こうした状況も踏まえて「人工呼吸器の▼分時換気量低下▼低換気▼下限圧―アラームが鳴った時は、『患者の胸郭の動き』と『回路の接続部』を確認する」などの対策を各医療機関で徹底するよう求めています。



ぽんすけ2020MW_GHC_logo

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