2018年度改定で新設された【妊婦加算】、妊婦健診の重要性などを患者・家族に説明を―厚労省
2018.11.7.(水)
2018年度改定で初・再診料に上乗せする【妊婦加算】が新設された。これに関連して、医療機関は妊婦やその家族に妊婦健康診査の重要性などを分かりやすく情報提供してほしい。
厚生労働省は11月2日に通知「妊娠中の健康管理及び妊婦加算の周知について(協力依頼)」を発出し、こうした点を要請しました(厚労省のサイトはこちら)。
妊婦加算、初診時75点、再診時38点など
今般の2018年度診療報酬改定では、初・再診料等に上乗せする【妊婦加算】(初診時75点、再診時38点など)が新設されました。妊婦への医療提供に当たっては、母体にとどまらず、胎児をも含めた特別な配慮が必要となります。例えば、医薬品を投与する際に「この医薬品には催奇形性はないか、胎児毒性はないか」といった点を考慮しなければならないのです。また妊婦は「尿路感染症」が合併する頻度が高く、虫垂炎や伝染性紅斑(パルボウイルスB19感染症)の診断が困難であるといった特徴もあります。
中央社会保険医療協議会は、こうした配慮・労力に対して適切な評価をする必要があると判断し、【妊婦加算】の創設を決めたものです(関連記事はこちらとこちらとこちら)。
診療報酬点数表上は「妊婦に対して初・再診等を行った場合は【妊婦加算】を所定点数に加算する」旨が規定されており、提供すべき指導内容等は医師の判断・裁量にゆだねられています。今般の通知で厚労省は「妊娠中の健康管理にかかる留意点」「【妊婦加算】の趣旨・内容」をリーフレット形式で整理。患者や家族に適切に情報提供をするよう求めています。
例えば、▼妊婦は、少なくとも毎月1回(妊娠24週以降は2回以上、妊娠36週以降は毎週1回)、妊婦健康診査を受ける▼貧血、妊娠高血圧症候群、妊娠糖尿病などは胎児の発育に影響を及ぼし、母体の健康を損ねる可能性があり、妊婦健康診査が重要である▼むくみや出血、発熱、腹痛、めまい、頭痛、強い不安などの症状が出た場合には、速やかに医師に相談する―旨などを適切に、分かりやすく伝えることなどが必要です。
また妊婦加算に係る患者負担(3割負担の場合)は、診療時間内であれば初診時230円、再診時110円などであることも患者に知らせることが重要です。なお、通常の妊婦健診だけの場合は【妊婦加算】の算定対象にはなりません。
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