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診療報酬改定セミナー2024 看護モニタリング

地域包括ケア病棟での高齢救急患者受け入れ推進に向け、初期加算に「短期間の上乗せ加算」を設けてはどうか―地ケア病棟協・仲井会長

2023.11.1.(水)

2024年度の診療報酬改定に向け、地域包括ケア病棟での「高齢の急性期入院患者受け入れ」を推進することが重要論点の1つになっている。この点、▼地域包括ケア病棟での直接受け入れを推進するために【在宅患者支援病床初期加算】に短期間の上乗せ加算を新設する▼急性期病棟から地域包括ケア病棟への下り搬送を推進するために【急性期患者支援病床初期加算】に短期間の上乗せ加算を新設する—ことを検討してはどうか—。

また地域包括ケア病棟における患者のADL変化を的確に把握するために、BI(Barthel Index)
やFIM(Functional Independence Measure)の測定結果提出義務付けなどを検討してはどうか—。

地域包括ケア病棟協会の仲井培雄会長が10月31日にオンライン記者会見を開催し、こうした提言を行いました(地域包括ケア病棟協会のサイトはこちら)。

10月31日に記者会見に臨んだ地域包括ケア病棟協会の仲井培雄会長

地域包括ケア病棟でもリハビリ・口腔管理・栄養管理の一体的取り組みを評価せよ

Gem Medでも報じているとおり、2024年度の次期診療報酬改定に向けて「高齢者の急性期入院医療、救急搬送をどの病棟で受け入れるべきか」という議論が中央社会保険医療協議会で進められています(関連記事はこちらこちらこちらこちら)。

この点、「急性期一般1病棟での介護力、リハビリ力を強化していく」考えと、「地域包括ケア病棟などでの高齢救急患者受け入れを推進していく」考えとが浮上していますが、二者択一の関係にはなく、両者をセットで進めていくことが重要です。

仲井会長は後者の「地域包括ケア病棟などでの高齢救急患者受け入れを推進していく」方策として次の2点を提言しました。

(1)地域包括ケア病棟での直接受け入れを推進するために【在宅患者支援病床初期加算】に短期間の上乗せ加算を新設する

(2)急性期病棟から地域包括ケア病棟への下り搬送を推進するために【急性期患者支援病床初期加算】に短期間の上乗せ加算を新設する

(1)の【在宅患者支援病床初期加算】は、自宅や介護施設等で容態が悪化した患者の受け入れを評価するもので、現在、介護老人保健施設からの入院患者では500点、介護医療院、特別養護老人ホーム・軽費老人ホーム・有料老人ホーム等・自宅からの入院患者では400点をそれぞれ14日間算定することができます。

ここに、高齢の救急搬送患者を直接受け入れた場合には「短期の上乗せ加算」を設けることを提案しています。中央社会保険医療協議会の下部組織である「入院・外来医療等の調査・評価分科会」では、「急性期病棟から地域包括ケア病棟に転院・転棟する患者」に比べて、「地域包括ケア病棟に直接入棟する患者」では、▼医療監視の必要性が高い▼医師による診察の頻度・必要性が高い▼看護師による直接の看護提供の頻度・必要性が高い—など「状態が不安定である」とのデータが示されています。こうした点について「短期の上乗せ加算」で評価してはどうかと仲井会長は提案しています。

直接入棟患者と、他病棟を経て入棟する患者との比較4(入院・外来医療分科会(2)5 230706)

直接入棟患者と、他病棟を経て入棟する患者との比較5(入院・外来医療分科会(2)6 230706)

直接入棟患者と、他病棟を経て入棟する患者との比較6(入院・外来医療分科会(2)7 230706)



また(2)の【急性期患者支援病床初期加算】は、急性期病棟からの転院・転棟患者受け入れを評価するもので、現在、▼400床以上病院の地域包括ケア病棟では、自院等の一般病棟からの転棟は50点、他院の一般病棟からの転院は150点▼400床未満病院の地域包括ケア病棟では、自院等の一般病棟からの転棟は125点、他院の一般病棟からの転院は250点—をそれぞれ14日間算定することができます。

こうした「急性期病棟→地域包括ケア病棟」患者では、上述のように直接入棟患者に比べて状態が比較的安定していますが、例えば「高齢の患者が急性期病棟に救急搬送されたが、トリアージの結果を踏まえて地域包括ケア病棟に下り搬送する」場合には、受け入れの調整・病院救急車の使用などの手間・コストが生じます。こうした点を「短期の上乗せ加算」で評価してはどうかと仲井会長は提案しています。



また「入院・外来医療等の調査・評価分科会」では、一般病棟用の重症度、医療・看護必要度(看護必要度)の見直し論議も行われており、その中で「患者のADLを見るB項目」も議題にあがっています(関連記事はこちら)。

例えば、「看護必要度は主に『急性期入院医療の必要性を評価するもの』であり、その点からすればB項目は急性期入院医療の評価指標として適切とは言えない(B高得点患者の割合は特定機能病院や急性期一般1で低く、急性期一般2-5や地域一般1で高い)。少なくとも急性期一般1ではB項目評価を廃止すべき」との考え方があります。

一方、「看護必要度は『急性期入院医療の必要性を評価するもの』と同時に『看護師等の手間を評価するもの』でもある。B項目はまさに『看護師等の手間』を評価しており、急性期病棟での評価指標として適切である」との考え方があります。

両者ともに頷ける部分があり、今後、中医協でより具体的な検討が進められます。

この点に関連して仲井会長は、「地域包括ケア病棟では高齢・虚弱のmultimorbidity患者(COPD(慢性閉塞性肺疾患)、糖尿病、高血圧症、悪性疾患、脳血管障害などの複数の慢性疾患が併存し、中心となる疾患を特定できない状態にある患者)を多く受け入れており、 適切なADL評価が必須となる。入棟時・退棟時のADL状態(BIやFIMで測定)を把握・データ提出し、病棟の評価につなげていくことが重要である」と提言しています。

回復期リハビリテーション病棟では、入棟時・退棟時のFIMに基づく「リハビリの効果」(リハビリ実績指数)が診療報酬上の評価につなげられています(入院料の選定指標の1つであり、疾患別リハビリ料の算定上限規定にもつながっている)。地域包括ケア病棟では、リハビリは包括評価されていますが、徐々に「リハビリの効果を診療報酬評価につなげていく」方向に動いていく可能性がありそうです。



このほか、仲井会長は次のような提言も行っています。

▽短期滞在手術等基本料3の受け入れが一定基準を超えた場合には、短期滞在手術等基本料3の届け出を認めないこととしてはどうか(一部の地域包括ケア病棟で短期滞在手術等基本料3患者を多く受け入れる地域包括ケア病棟があり、在宅復帰率の向上、自宅等からの患者受け入れ割合の向上を容易に実現できている実態への対応、関連記事はこちら

短期滞在手術等基本料算定患者を多く受け入れる地域包括ケア病棟では、自宅等からの入院患者割合が高い(入院・外来医療分科会(3)7 230810)

短期滞在手術等基本料算定患者を多く受け入れる地域包括ケア病棟では、在宅復帰率が高い(入院・外来医療分科会(3)8 230810)

短期滞在手術等基本料算定患者を多く受け入れる地域包括ケア病棟では、平均在棟日数が短い(入院・外来医療分科会(3)9 230810)



▽「誤嚥性肺炎」患者について、摂食嚥下機能の改善や平均在院日数の短縮、死亡率の低下等が見込まれる「リハビリ・口腔管理・栄養管理」の一体的取り組みを、入院早期からチーム医療等で介入した場合に評価してはどうか(回復期リハビリ病棟での「リハビリ・口腔管理・栄養管理」の一体的取り組み評価論議の記事はこちら

▽介護・障害事業所や在宅医療との連携強化に関して、「病が重度化する前の状態変化を捉えるために、医療介入を検知する早期警戒スコア(Early Warning Score:EWS)を導入した高齢者施設等(ICT導入補助金等利用も想定)に対して、「アラートが発生した場合の受診を含む対処方法を支援した地域包括ケア病棟等」への評価を新設してはどうか(高齢者施設と医療機関との平時からの連携強化、介護給付費分科会での議論に関する記事はこちら



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